クレステッドゲッコーの繁殖は比較的容易で、チャレンジしてたいと思った方は多いと思います。
繁殖時期としては人工飼育下であればいつでも大丈夫ですが、個体の年齢が生後1年半以上の個体でないと繁殖させることは出来ません。
繁殖させる方法も比較的簡単で、メスは交尾後1ヶ月程度で産卵を始め、卵のふ化には40~60日の時間を要します。
ここでは、クレステッドゲッコーの繁殖を狙う場合の時期や方法をご説明していきます。
繁殖を考えている方は、ぜひとも参考にされてみてください。
クレステッドゲッコーの繁殖時期はいつから?
クレステッドゲッコーの繁殖を狙っている方はいつ頃から始めるか悩みますよね。
繁殖の季節ですが、人工飼育下においては温度も一定になっていますし、下げることも挙げることも出来るので時期や季節はいつからでも大丈夫ですが、、繁殖が可能な個体は生後1年半以降の個体です。
上限の個体の年齢があるわけではなさそうですが、あまりに短いスパンで繁殖をさせてしまうと、親に負担がかかりすぎ、最悪命を落としてしまうこともありますので注意しましょう。
飼育下なら繁殖の季節はいつでもOK。
生後1年半以上経過しているなら時期もいつでもOKじゃ。
クレステッドゲッコーを繁殖させる方法は?
クレステッドゲッコーを繁殖させる方法としては、「自然に繁殖させる方法」と「クーリングを行う方法」があります。
それでは、1つずつ説明していきますね。
自然繁殖をさせる方法
自然繁殖とは、特別な環境の調整をせずに、ペアとなるオスとメスを同じケージで飼育し、そのまま交尾をさせる方法です。
この方法では、環境さえ整っていれば年中いつでも産卵することができ、飼い主が特別な管理をしなくても繁殖が可能になります。
そのため、手間が少なく初心者でも取り組みやすい方法と言えます。
ただし、メスは一度交尾するとその後もしばらく産卵を続ける性質があるため、適切な休息期間を設けないと体力を消耗し、栄養不足になるリスクがあります。
また、オスとメスを常に同居させていると、メスがストレスを感じることもあり、健康を維持するためには定期的に状態を確認する必要があります。
- 生後1年半以降が経ったオスとメスの個体を同じケージに入れる
- 数日同居させ、交尾を確認したら別居させる
- メスの産卵を待つ
クーリングを行う方法
クーリングは繁殖を意図的にコントロールする方法で、冬の間に一時的に温度を下げ、活動を抑えることで、自然界の繁殖サイクルに近づける手法です。
具体的には、気温を通常より低くし、日照時間を短くすることで代謝を下げ、繁殖を休ませる期間を作ります。
そして、春になると温度を戻し、活動が活発になったタイミングでペアリングを行うことで、効率よく健康な卵を産ませることができます。
この方法の利点は、メスがしっかりと休息を取ることができ、産卵の質が向上しやすいことです。
無理に繁殖を続けるのではなく、一定の休息期間を設けることで、卵の孵化率も安定しやすくなります。
しかし、クーリングを行うには温度管理が必要となり、手間がかかる点がデメリットになります。
個体によっては低温にストレスを感じることもあるため、慎重な観察が求められます。
- 温度を徐々に下げていき、夜間16℃、日中22℃まで下げる
- 水を切らさないように注意しながらエサを抜き、そのまま1ヶ月間放置
- 1ヶ月後、温度を元に戻してエサを与える
- オスとメスを同じケージに入れる
- 交尾を確認したら、別居させる
いかがでしょうか?
温度を下げるのは怖いですし、メスは卵をたくさん産まないといけないのでクーリングせずに適温でエサとカルシウムをたくさんとらせた方が良いと言うブリーダーさんもいらっしゃるようです。
時期は温度管理がしてあるのであれば11月から5か月間で行うことが多いようですが、飼育下であればクーリングから産卵までは1~2ヶ月で行うことが多いようです。
どちらの方法が良い?
どちらの方法が適しているかは、飼育者の経験や環境、そしてメスの体調によって異なります。
特にメスの健康を第一に考えるならば、たとえ自然繁殖を選んだとしても、一年のうちどこかで休息期間を設けることが重要になります。
繁殖を続けることでメスの負担が大きくなるため、適切な管理を心がけながら、状況に応じてクーリングの導入を検討するのが理想的です。
クレステッドゲッコーにも相性というものがあるようです。
もしどちらかが相手を激しく拒否していたり、喧嘩になりそうならすぐに引き離してあげてください。
また、産卵した後のメスは体力をとっても消耗しています。
中にはそのまま死んでしまう個体もいるようですので、産卵後のメスのケアはしっかりとしてあげてくださいね。
✅ 繁殖の効率を高めたい場合 → クーリングを推奨
✅ 自然な流れで手軽に繁殖させたい場合 → 自然繁殖でもOK
✅ メスの負担を考慮するなら、1年のうちどこかで繁殖を休ませるのが理想
一般的に、繁殖経験のあるブリーダーは 「クーリングを取り入れて計画的に繁殖」 することが多いですが、初心者の場合は 「自然繁殖から始め、メスの状態を見ながら調整」 するのが無難です。
クレステッドゲッコーは体力が落ちても産卵を続けるため、メスの健康を守るためにも 休養期間を意識する ことが重要です。
交尾が確認できた後は?準備と飼い主がやること!
「やっと交尾が確認できた!」
そう思ってもまだ安心はできません。
クレステッドゲッコーは1度に2個の卵を産み、これを約20日置きに2~10回繰り返すと言われています。
メスは交尾後1ヶ月程度で産卵するため、その間に湿らせた水苔などを深めのタッパーに入れて産卵床を作り、メスのケージに入れてあげましょう。
産卵床の中に卵を産んだのを確認したら、ここからは飼い主の出番です!
産卵床を取り出し、そのまま保温しながら保管するようにしましょう。
クレステッドゲッコーは温度によって生まれる個体の性別が変わります。
- 32~33℃→オス
- 27~31℃→オスかメス
- 26~34℃→メス
もし、生まれてくる個体の性別に希望があるのであれば、参考にされてみてください。
温めている最中に卵が凹んでいたりすると、無精卵または死産の可能性が高いと言われています。
注意深く観察しながら1ヶ月くらいは温めてあげてください。
また、温めている最中に無精卵かどうかを調べる方法としてキャンドリングという方法があります。
キャンドリングとは、卵に下から光を当てて卵の中でうまく発生しているのかを確かめる方法です。
赤っぽく光っているのであれば卵の中で発生している、そうでなければ発生していないということになります。
このとき、ライトを当てるために産卵床から出すことになりますが、戻すときに絶対に上下を間違えないようにしましょう!
せっかく発生していても、死んでしまう可能性があります。
そのため、卵の上部分にマジックなどで印をつけておくと良いと思います。
その後40~60日でふ化をするのを待ちましょう。
稀に60日を過ぎて産まれる子もいるので、60日をすぎてすぐ捨てるのではなく、すこし長めに温めてあげると良いかもしれません。
なお繁殖させる場合は単体飼育ではなく多頭飼いが必須となり、共食いのリスクが気になる方もいるのではないでしょうか。
以下の記事ではクレステッドゲッコーの多頭飼いについて徹底解説していますので是非参考にしてください。
クレステッドゲッコーの繁殖の時期、方法は?【まとめ】
筆者はヒョウモントカゲモドキを飼っており、1度繁殖を狙ったことがありますが、相性が悪かったようで喧嘩になってしまったので断念したことがあります。
比較的容易に繁殖が出来ると言っても、クレステッドゲッコーも生き物ですので相性があります。
相性が悪いのに、同居のまま放置してしまうと大喧嘩になったり、最悪どちらかが命を落としてしまうことがありますので、相性が悪そうだな…と感じたら、無理をせず引き離す方がよいと思います。
爬虫類の繁殖は、うまくいけばたくさんの個体が産まれます。繁殖させた後は、産まれた個体を責任もって育ててあげてください。