クサガメは変温動物であり、周囲の温度によって体温が変化するため、適切な水温管理 が健康維持に不可欠ですので、クサガメを飼育する上で、水温管理は非常に重要です。
特に、日本の四季は温度変化が大きいため、季節に合わせた水温管理が求められ、夏場の高温対策や冬場の保温対策、そして冬眠をさせるかどうかの判断は、クサガメの健康状態に大きく影響します。
この記事では、クサガメの飼育における水温管理の基本から、冬眠させるかヒーターで越冬かなど、季節ごとの注意点まで、詳しく解説していきます。
適切なクサガメの水温を管理することで、あなたのクサガメはより健康で長生きできるのではないでしょうか。
クサガメ の水温管理はなぜ重要?適切な温度とは?

クサガメは変温動物であるため、体温が周囲の環境温度に左右されますので、クサガメの 水温管理は飼育において最も重要な要素の一つです。
クサガメが快適に活動できる水温は、一般的に23〜28℃程度とされていますが、25℃前後を維持することが推奨されており、水温が20℃を下回るとクサガメは食欲不振になり、活動が鈍くなり、さらに、15℃を下回ると冬眠を始めようとするため、注意が必要です。
水温計を設置し、適切なクサガメの水温を保つことで、クサガメは健康で活発な状態を維持できますので、常に水温を把握することが大切です。
クサガメの水温管理は室内飼育の方が有利
クサガメの水温管理は屋外飼育よりも室内飼育の方が圧倒的に有利です。
まず、屋外では気温の影響を大きく受け、冬には凍えるような寒さになり、夏には水温が40℃を超えることもあります。
しかし、室内ならエアコンやヒーターを使うことで、常に安定した環境を作ることができます。
また、屋外飼育では冬眠が必要になりますが、その管理は簡単ではありません。適切な冬眠環境を整えられないと命に関わるリスクもあります。
一方、室内ならヒーターを使うことで冬眠させることなく適温を維持でき、飼育の手間が少なくなります。
さらに、水温の急激な変化も室内では抑えやすいです。

水温管理の観点で言えば、屋外飼育よりも室内飼育の方が有利なのじゃ!
屋外では昼夜の気温差が大きく、水温が急に変わることがありますが、室内なら温度管理がしやすいため、一定の環境を保つことが可能です。
温度が安定していることで、クサガメの健康管理もしやすくなります。
急な温度変化はカメの免疫力を下げ、病気のリスクを高める原因になりますが、室内で適温を保てば病気の発症を防ぐことができます。
また、観察や世話のしやすさも室内飼育のメリットです。屋外では気温が低いと動きが鈍くなったり、日陰に隠れてしまって様子がわかりにくくなることがあります。
しかし、室内なら常に状態を確認しやすく、異変にも早く気づくことができます。
前提条件として水温管理において室内飼育の方が有利ではありますが、絶対条件と言うわけではありません。
さまざま制約でやむを得ず屋外飼育を選ぶ場合もあるでしょうし、クサガメに自然により近い環境を提供できるといった面では屋外飼育の方がメリットがあることもあります。
クサガメの夏の暑さ対策
屋外飼育の場合
屋外飼育の場合、気温が高くなると水温も急上昇し、場合によっては40℃近くになることもあります。
水温が高すぎると、カメはストレスを感じたり、食欲不振になったりするだけでなく、最悪の場合は命に関わることもあるため、適切な対策が必要です。
まず、屋外で飼育している場合、直射日光が当たり続けると水温が異常に上昇してしまいます。
そのため、水槽や池の一部にしっかりとした日陰を作ることが大切です。
すだれや遮光ネットを設置したり、大きめの流木や水草を活用して日陰を作ることで、カメが暑さをしのげる環境を整えられます。
また、水槽自体を風通しの良い場所に移動させるのも効果的です。
水温を下げるためには、水の量を増やして深めにするのも良い方法です。
浅い水槽ではすぐに水温が上がってしまいますが、深さがあると水温が急上昇しにくくなります。また、気温が特に高い日には、冷たい水を少しずつ足し水することで水温を調整することも可能です。
ただし、一度に大量の冷水を入れると急激な温度変化がカメにとって負担になるため、ゆっくりと調整するのがポイントです。
- 直射日光を防ぐために日陰を作る(すだれ、遮光ネット、流木や水草を活用)
- 水深を深くすることで水温の急上昇を防ぐ
- 暑い日は少しずつ冷たい水を足し水する(急激な温度変化は避ける
室内飼育の場合
室内飼育の場合も油断はできません。
夏場は室温が上がりすぎると水温も上昇するため、クーラーを使用して部屋全体の温度を調整するのが理想です。
どうしてもクーラーが使えない場合は、扇風機や水槽用の冷却ファンを活用し、気化熱を利用して水温を下げるのも有効です。
また、水槽のふたを少し開けて通気性を良くするだけでも、熱がこもるのを防ぐことができます。
ただしクサガメの脱走には、十分気を付けてください。
さらに、水質の管理も重要です。
夏場は気温が高いため、水の蒸発が早く、水質が悪化しやすくなります。
こまめな水換えを行い、特に汚れがたまりやすい部分をしっかり掃除することで、清潔な環境を維持することができます。
- 室内ではクーラーや冷却ファン、扇風機を活用し、水温上昇を防ぐ
- 水槽のふたを少し開けて通気性を良くする
- こまめに水換えを行い、水質の悪化を防ぐ
- カメの様子を観察し、食欲不振やぐったりしている場合は早めに対策する
クサガメの冬の寒さ対策について
クサガメは寒さに強い種類ではありますが、冬場の気温が下がると活動が鈍くなり、環境によっては冬眠が必要になることもあります。飼育方法によって寒さ対策の仕方が異なるため、屋外と室内それぞれの対策を解説します。
屋外飼育の場合


屋外でクサガメを飼育する場合、冬の寒さが厳しい地域では水温が氷点下まで下がることもあります。
自然環境に近い飼育方法では冬眠させることが一般的ですが、安全に冬眠させるためにはいくつかの条件を整える必要があります。
まず、水深を十分に確保することが重要です。
浅い水場では氷が張ってしまい、水中の温度変化が激しくなるため、最低でも30〜50cm以上の水深を確保し、凍結を防ぎます。



屋外飼育の場合、冬眠する可能性が高いのでそれを前提に準備をしておく必要があるのじゃ。
加えて、水底には落ち葉や泥を入れておくと、クサガメが冬眠しやすくなります。
自然界ではこうした環境に潜り込んで冬を越すため、再現することで安全に冬眠を促すことができます。
また、冬眠中は水質の悪化が命に関わるため、秋のうちにしっかりと水をきれいにしておくことが大切です。
水換えを頻繁に行い、餌を与えすぎて水が汚れないよう注意しましょう。冬眠前にはしっかりと餌を食べさせ、体力をつけさせることも重要です。
どうしても屋外での冬眠が不安な場合は、室内に移動させるのも一つの方法です。特に気温が極端に低くなる地域では、冬眠によるリスクを避けるために、加温飼育を検討するのが良いでしょう。
室内飼育の場合
室内でクサガメを飼育している場合、冬でも水温が一定に保たれるため、冬眠させずに育てることが一般的です。しかし、室温が低すぎると水温も下がり、カメの活動が鈍くなるため、適切な温度管理が必要になります。
室内飼育で最も効果的な方法は、水中ヒーターを設置して水温を24〜26℃に維持することです。
クサガメは水温が20℃を下回ると消化機能が低下し、餌を食べなくなることがあるため、一定の温度を保つことで活動を維持できます。ヒーターを使用する際は、カメがやけどしないようにヒーターカバーを付けることも忘れないようにしましょう。
また、バスキングエリアの温度管理も重要です。
冬場は部屋の温度が下がることで、バスキングスポットの温度も低くなりがちです。そのため、バスキングライトを適切に設置し、スポットの温度を30〜35℃に保つようにします。
特に冬は日照時間が短くなるため、UVBライトの使用時間を調整し、十分な光を確保することも大切です。
さらに、水温だけでなく室温も一定に保つことが理想的です。エアコンやヒーターを活用し、極端に寒い環境にならないよう調整すると、クサガメが快適に過ごせます。
クサガメは冬眠させるべき?ヒーターを使う?選択のポイント
クサガメは本来冬眠する生き物ですが、飼育下では必ずしも冬眠させる必要はありません。
前述の通り、
- 屋外飼育=冬眠する
- 室内飼育=冬眠させない
上記が一般的ではあります。
しかし特に、体力のない個体や初めて飼育する場合は、冬眠させずに加温飼育する方が安全です。
よって、通常は屋外飼育していても、冬眠させないため冬の間だけ室内飼育するという選択肢はあります。
ただしその場合も急激な環境の変化を避けることが大切です。
屋外と室内では気温や日照時間、水質などの条件が大きく異なるため、突然移動させるとカメにストレスがかかることがあります。
特に、水温が急に上がると体が順応しきれず、免疫力が下がり、病気にかかりやすくなる可能性があるため、徐々に適応させることが理想的です。
移動の際には、室内の水温を屋外の水温に近づけた状態で入れ、少しずつ温度を上げていくのがポイントです。
たとえば、最初はヒーターを使用せずに飼育し、数日かけて水温を24〜26℃に調整していくと、カメにとって負担が少なくなります。
まとめ
この記事では、クサガメの飼育におけるクサガメの水温管理の重要性、季節ごとの注意点、冬眠とヒーターの関係について解説しました。
クサガメは変温動物であり、周囲の温度に体温が左右されるため、適切な水温管理が不可欠であり、夏場は水温が上がりすぎないように注意し、冬場はヒーターを用いて適切な水温を維持しましょう。
また、冬眠させるかどうかは、クサガメの状態と飼育者の判断によりますが、冬眠にはリスクが伴うため、初心者には加温飼育がおすすめです。
クサガメの水温を適切に管理し、あなたのクサガメが健康で長生きできるように、この記事を参考にしてください。