リクガメを飼育するとき、シェルターは必要なのでしょうか。ペットショップではさまざまな種類のシェルターが販売されていますが、設置しなくても問題ないのか気になる方もいるでしょう。
リクガメにとって、外からの視線や光を避けて休める隠れ場所は大切です。ただし、必ずしも市販のシェルターを購入する必要はなく、安全に隠れられる環境を別の方法で確保できる場合もあります。
また、シェルターは大きさや素材だけでなく、設置場所や温度・湿度にも注意が必要です。適切でないものを使用すると、リクガメが中で動けなくなったり、上に登って転倒したりする危険もあります。
この記事では、リクガメのシェルターの必要性や選び方、市販品の特徴、100均用品を使った自作方法を解説します。シェルターに入らない場合の対処法や、安全に使用するための注意点も紹介するので、飼育環境を整える際の参考にしてください。
リクガメにシェルターは必要?役割とメリット

リクガメの飼育では、安心して身を隠せる場所を用意することが基本です。自然界のリクガメも、植物の茂みや岩陰、巣穴などを利用して休息したり、外敵から身を守ったりしています。
シェルターは、こうした自然界の隠れ場所に相当する設備です。まずは具体的な役割と、設置しない場合の考え方を確認しましょう。
安心して隠れる・休む場所になる
シェルターの主な役割は、リクガメが外部からの刺激を避け、落ち着いて過ごせる空間を作ることです。
飼育ケージの中では、人が近づいたり、室内の照明が変化したりすることがあります。リクガメによっては、こうした刺激を警戒して落ち着かなくなる場合があります。
そこで、周囲から体が見えにくい隠れ場所を用意すると、リクガメが必要に応じて身を隠せるようになります。特に迎え入れたばかりの個体や、警戒心の強い個体では、隠れる場所の確保が重要です。
また、シェルターは光や熱を避ける場所としても利用されます。リクガメは外部の熱によって体温を調節する変温動物なので、暖かい場所だけでなく、暑さを避けられる場所も必要です。
飼育ケージの中にシェルターを設置することで、リクガメ自身が活動する場所と休む場所を選びやすくなります。
シェルターなしでも飼育できる?
リクガメの飼育では、必ずしも市販のシェルターという製品が必要なわけではありません。
例えば、屋外飼育場に安全な茂みや日陰、巣穴を利用できる場所があり、十分な隠れ場所を確保できている場合は、独立したシェルターを追加する必要がないこともあります。
また、床材に潜る習性がある種類では、適切な深さの床材が隠れ場所の役割を果たす場合もあります。
ただし、シェルターという製品が不要なことと、隠れ場所が不要なことは別です。
何もないケージで常に周囲から見られる状態は、リクガメが落ち着いて休めない原因になる可能性があります。
特に屋内の飼育ケージでは、自然な隠れ場所を確保しにくいため、シェルターを設置する方法が分かりやすいでしょう。
大切なのは製品の有無ではなく、そのリクガメが安全に隠れ、休息できる環境になっているかどうかです。
リクガメがシェルターに入る理由
リクガメがシェルターに入るのは、眠るときや周囲を警戒しているときだけではありません。暑さや強い光を避けたり、落ち着ける温度の場所を選んだりする場合もあります。
自然界では、リクガメは種類に応じて植物の陰や岩の隙間、土の中などを利用しています。こうした行動は、外敵から身を守るだけでなく、体温や水分状態を調節することにも関係しています。
飼育下でも同じように、日中の活動を終えたあとにシェルターへ戻る個体や、夜間の休息場所として利用する個体がいます。
ただし、シェルターに入る頻度には個体差があります。ほとんど使わないからといって、必ずしも設備が不要というわけではありません。
また、以前は活発だったリクガメが急に隠れてばかりいる場合には、温度の異常や体調不良が関係している可能性もあります。普段の行動と比較しながら観察しましょう。
リクガメのシェルターの選び方

リクガメのシェルターを選ぶ際は、見た目や価格だけでなく、甲羅の大きさに合っているか、安全に出入りできるかを確認する必要があります。
特に小さなシェルターは成長に伴って使えなくなることがあるため、現在の体格だけでなく、将来の大きさも考慮して選びましょう。
甲羅の大きさに合ったサイズを選ぶ
シェルターのサイズを選ぶときは、まずリクガメの甲長と甲幅を確認しましょう。甲長は甲羅を上から見たときの前後の長さ、甲幅は左右の幅を表します。
シェルターは甲羅が収まるだけでなく、中で無理なく体勢を変えられることが大切です。
例えば、甲長10cmのリクガメだからといって、奥行き10cmのシェルターで十分とは限りません。頭や四肢を動かすスペースも必要になるためです。
製品によっては外寸と内寸が大きく異なります。特に岩型シェルターなどは壁が厚く、外側から見ると大きくても内部が狭い場合があります。
そのため、シェルターの内寸とリクガメの甲羅の寸法を比較して選ぶことが重要です。
なお、すべてのリクガメに共通する「甲長の何倍」という厳密な基準が確立されているわけではありません。実際に出入りできるか、内部で身動きできるかを優先して判断してください。
出入り口の広さと高さを確認する
シェルターの入口は、リクガメが甲羅を引っかけずに通れる大きさが必要です。横幅だけでなく、入口の高さも確認しましょう。
リクガメの甲羅は種類によって形が異なります。ドーム状に盛り上がった甲羅を持つ個体では、入口の高さが不足する場合があります。
また、入口の形が狭くなっている製品では、入るときは問題なくても、出るときに引っかかってしまう危険があります。
入口の縁に鋭い部分があると、甲羅や四肢を傷つけるおそれもあります。樹脂製品や自作品では、切断面や継ぎ目に突起がないか確認してください。
入口の段差が高い場合も、小さなリクガメにとっては障害になります。床材に少し埋め込むなどして、無理なく歩いて出入りできる状態にするとよいでしょう。
素材ごとの特徴と掃除のしやすさ
シェルターには樹脂製、陶器製、木製などの種類があります。それぞれ重さや耐久性、清掃のしやすさが異なるため、飼育環境に合わせて選びましょう。
| 素材 | 主なメリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 樹脂製 | 軽量で扱いやすく、洗いやすい製品が多い | 軽い製品は動いたり倒れたりする場合がある |
| 陶器製 | 適度な重量があり、汚れを落としやすい | 落下や衝撃で割れる場合がある |
| 木製 | サイズを調整しやすく、自作にも向いている | 水分を吸収しやすく、乾燥や衛生管理が必要 |
| 石・岩型 | 自然なレイアウトになじみやすい | 重量や角、転倒時の危険を確認する必要がある |
掃除のしやすさを重視する場合は、内部を確認しやすい形状や、持ち上げて洗える製品が便利です。
一方、木製シェルターは湿気を吸収するため、長期間濡れたままにするとカビが発生する場合があります。使用する際は、材質の安全性と乾燥状態を確認してください。
素材の種類だけで安全性が決まるわけではありません。実際の形状や加工状態、設置方法まで確認することが大切です。
ひっくり返りにくい安全な形状を選ぶ
リクガメは意外と力が強く、シェルターを押したり、上に登ろうとしたりすることがあります。
そのため、軽くて簡単に動く製品や、上部が急な傾斜になっている製品には注意が必要です。
シェルターの上に登ったリクガメが滑り落ち、仰向けになってしまう可能性もあります。特にバスキングライトの近くで転倒すると、高温の環境から移動できなくなる危険があります。
また、シェルターそのものが倒れる構造も避けましょう。床材を掘る個体では、シェルターの下の土が移動し、設置状態が不安定になることもあります。
製品を選ぶ際は底面が安定しており、押しても簡単に倒れないものが適しています。必要に応じて転倒しない方法で固定し、リクガメが体を挟まれないようにしてください。
リクガメにおすすめのシェルターの種類
市販されているリクガメ用シェルターには、岩のような外見をした製品や陶器製、木製、湿度を保持するタイプなどがあります。
どれか一つがすべてのリクガメに適しているわけではありません。飼育している種類やケージの大きさ、温湿度の管理方法に合わせて選びましょう。
岩型・樹脂製シェルター
岩型の樹脂製シェルターは、爬虫類用として販売されている一般的なタイプです。岩や洞窟を模した外見で、飼育ケージのレイアウトになじみやすい特徴があります。
樹脂製は比較的軽量な製品が多く、掃除の際に移動させやすいこともメリットです。また、表面に細かな凹凸を付けた製品もあります。
ただし、リクガメが上に登れる形状の場合は、転倒の危険を確認する必要があります。
製品によっては内部が狭く、入口の高さが不足する場合もあります。購入するときは外寸だけでなく、入口と内部の実際の広さを確認しましょう。
また、底面が開いているタイプでは、床材を掘ることで隙間ができる場合があります。設置したあとも安定しているか定期的に確認してください。
陶器製シェルター
陶器製シェルターは重量があり、安定しやすいことが特徴です。表面が滑らかな製品では汚れを落としやすく、清掃や消毒を行いやすいというメリットがあります。
ただし、すべての陶器製品がリクガメに適しているわけではありません。
特に植木鉢などを代用する場合は、切り口や縁が鋭くなっていないか確認する必要があります。欠けた部分がある製品も、ケガの原因になるため避けましょう。
また、陶器は重量があるため、倒れたり落下したりした際の危険も大きくなります。
設置場所を安定させ、床材を掘っても倒れない状態を確保することが大切です。内部が狭い製品もあるため、甲羅の高さと入口の寸法を確認してください。
木製シェルター
木製シェルターは、サイズや形状を調整しやすいことが特徴です。市販の木製ハウスを利用するほか、木材を組み合わせて自作することもできます。
特に成長したリクガメの場合、小動物用のシェルターでは大きさが不足することがあります。木製であれば、甲羅の寸法に合わせた広い隠れ場所を用意しやすくなります。
また、平らな屋根を設けるなど、リクガメが上に登りにくい構造に調整することも可能です。
一方、木材は水分を吸収しやすいため、湿度の高い環境ではカビや腐食に注意が必要です。表面がささくれている場合も、ケガの原因になります。
木製シェルターを使用するときは、無塗装で安全性を確認できる木材を選び、定期的に汚れや傷みを確認しましょう。
ウェットシェルター
ウェットシェルターは、内部や周囲の湿度を保ちやすい構造を持つシェルターです。陶器製の本体に水を入れて湿度を確保するタイプや、湿らせた床材を内部に設置する方法などがあります。
湿度を必要とするリクガメの飼育では、局所的に湿った場所を確保する方法が用いられることがあります。
ただし、すべてのリクガメにウェットシェルターが必要というわけではありません。必要な湿度は種類や成長段階によって異なり、湿度管理については専門資料によって推奨方法にも違いがあります。
また、内部が常に濡れている状態では、床材の汚染や衛生上の問題が生じることがあります。
湿らせればよいという単純な管理ではありません。飼育している種類に適した湿度を確認し、温度や通気性も含めて環境を整えましょう。
リクガメのシェルターは自作できる?100均用品での代用方法

リクガメのシェルターは、市販品を購入するだけでなく、自作することも可能です。適切な大きさの製品が見つからない場合や、成長に合わせてサイズを調整したい場合には、自作を検討することもあるでしょう。
ただし、自作品は安全性を自分で確認する必要があります。特に入口の加工や強度、材質には注意してください。
プラスチック容器を使ったシェルターの作り方
プラスチック容器は比較的安価で入手しやすく、サイズの選択肢も豊富です。100均ショップなどで販売されている収納容器を利用できる場合もあります。
自作する際は、まずリクガメの甲羅が十分に収まる大きさの容器を選びます。次に、入口の位置と大きさを決め、出入りしやすい開口部を設けます。
容器を逆さまにして使用する方法もありますが、天井部分の強度や通気性、転倒のしやすさを確認する必要があります。
入口を加工するときは、切断面に鋭い部分を残さないようにしてください。必要に応じてやすりなどで角を丸め、リクガメの甲羅や脚が引っかからない状態に仕上げます。
プラスチック容器は素材によって耐熱性が異なります。バスキングライトやヒーターの近くでは変形する可能性があるため、熱源から十分に離して設置しましょう。
完成後は、入口の安全性・本体の安定性・耐熱性を確認してから使用してください。
木材を使って自作するときのポイント
木材を使用すると、リクガメの体格やケージの大きさに合わせたシェルターを作りやすくなります。
例えば、側面と屋根を組み合わせた箱型の構造にすると、内部の広さや入口の高さを自由に調整できます。成長して大きくなったリクガメにも対応しやすい方法です。
木材には、薬剤処理や塗装が施されていない安全性を確認できるものを使用しましょう。防腐剤や塗料の種類によっては、爬虫類に適さない成分が含まれている可能性があります。
また、釘やネジの先端が内部に突き出ないようにし、板の角やささくれも丁寧に処理してください。
屋根を取り外せる構造にすると、内部の掃除やリクガメの確認がしやすくなります。ただし、簡単に外れて落下する構造は避ける必要があります。
湿度の高い飼育環境では木材が傷みやすいため、定期的に交換することも考えておきましょう。
100均用品を使用する際の安全上の注意点
100均ショップには収納容器や植木鉢など、シェルターの代用品として検討できる商品があります。ただし、これらは爬虫類の飼育を目的に設計されているとは限りません。
特に確認したいのが、素材の安全性と耐熱性です。飼育ケージではバスキングライトなどを使用するため、一般的な室内よりも高温になる場所があります。
また、薄いプラスチック容器はリクガメが押すと変形したり、ひっくり返ったりする場合があります。
植木鉢などの陶器を加工する場合は、割れた部分の鋭利な縁に注意してください。加工が難しい場合は、無理に使用しない方が安全です。
そのほか、接着剤や塗料を使う場合には、爬虫類に対する安全性が確認できない製品の使用を避けましょう。
安く作れることよりも安全に使えることを優先し、適切な素材や加工方法を選ぶことが大切です。
リクガメのシェルターの設置場所と温度・湿度管理
シェルターは適切な製品を選んでも、設置する場所によって内部の温度や湿度が変わります。
リクガメが安心して休めるようにするには、ケージ全体の温度勾配や、種類に応じた湿度管理を考慮する必要があります。
ケージのどこに置くのがよい?
シェルターは、基本的にバスキングライトの直下を避け、ケージの比較的涼しい場所に設置する方法があります。
リクガメは暖かい場所で体温を上げたり、暑いときに涼しい場所へ移動したりして体温を調節します。
そのため、ケージには暖かい場所と涼しい場所の両方を用意し、シェルターを温度調節のための退避場所として利用できるようにすることが大切です。
ただし、シェルターの内部が寒すぎる状態も適切ではありません。適した温度はリクガメの種類や年齢、健康状態によって異なります。
また、出入り口がケージの壁や家具に近すぎると、リクガメが入りにくくなる場合があります。入口の前には十分なスペースを確保してください。
ケージ内に複数の隠れ場所を設けられる場合は、異なる温度帯に配置する方法もあります。ただし、シェルターを増やすことで活動スペースが狭くならないようにしましょう。
シェルター内部の温度を確認する
ケージに設置した温度計が適切な数値を示していても、シェルター内部が同じ温度になっているとは限りません。
シェルターは光や空気の流れを遮るため、内部と外部で温度差が生じることがあります。素材や設置場所によっても温度は変化します。
特に冬季は、シェルター内部が想定以上に冷えていないか確認する必要があります。
反対に、夏場の直射日光やバスキングライトによって、内部が過度に暖まる場合もあります。
温度管理では、ケージ内の暖かい側と涼しい側に温度計を設置し、必要に応じてシェルター内部も測定しましょう。
また、赤外線温度計は表面温度を測定する器具なので、シェルター内の空気の温度とは区別して考える必要があります。
リクガメが一日中シェルターにこもっている場合や、逆にまったく入らない場合は、内部の温度が適切か確認してみましょう。
乾燥地性と熱帯性で異なる湿度管理
リクガメの飼育では、種類ごとに適した湿度が異なります。シェルターについても、すべての種類で同じ湿度管理をすることは適切ではありません。
例えば、ロシアリクガメやギリシャリクガメなどの乾燥地性の種類と、アカアシガメなどの熱帯性の種類では、自然界の生息環境が異なります。
乾燥地性のリクガメでは、通気性のよい環境と適切な水分補給を確保しながら管理します。ただし、乾燥地に生息する種類であっても、自然界では湿度のある巣穴などを利用する場合があります。
一方、熱帯性のリクガメでは、比較的湿度の高い環境が必要になる種類もいます。湿度が不足すると健康状態に影響する可能性があるため、種類に適した管理が必要です。
ただし、湿度の高い環境を必要とする種類でも、床材やシェルター内部を常に濡らしておけばよいわけではありません。
湿度は種類・成長段階・温度・通気性を合わせて考える必要があります。湿度計で環境を確認し、特定の数値だけに頼らないようにしましょう。
幼体に湿度を確保する場合の注意点
幼体のリクガメでは、成体とは異なる湿度管理が必要になる場合があります。特に成長期の水分状態や飼育環境は、健康管理に関わる重要な要素です。
爬虫類の飼育資料では、幼体に湿った隠れ場所を用意する方法が紹介されることがあります。一方で、湿度の高いシェルターをすべての種類に一律に使用することについては、専門資料間でも考え方が異なります。
そのため、幼体だから必ずウェットシェルターを使用する、あるいは乾燥地性だから湿度を与えない、といった単純な判断は避けましょう。
湿度を確保する場合は、シェルター内部の温度と湿度を確認し、床材が汚れたままにならないように管理します。
また、幼体は成体よりも体が小さいため、段差や狭い入口によって動けなくなることにも注意が必要です。
実際の湿度設定や管理方法は飼育している種類によって異なるため、信頼できる種別の飼育資料や爬虫類を診察できる獣医師の助言を参考にしてください。
リクガメがシェルターに入らない・登るときの対処法

シェルターを設置しても、リクガメがまったく入らなかったり、上に登ろうとしたりすることがあります。
こうした行動には、シェルターの大きさや設置場所、個体の好みなどが関係している可能性があります。行動の理由を決めつけず、安全性と飼育環境を確認しましょう。
シェルターに入らない原因と確認ポイント
リクガメがシェルターに入らない場合、まず入口や内部の広さが十分か確認しましょう。
甲羅が入口に当たったり、内部で向きを変えにくかったりすると、シェルターを使わない場合があります。
また、シェルター内部の温度が高すぎる、あるいは低すぎる可能性もあります。周囲の温度と内部の温度を比較し、適切な場所に設置されているか確認してください。
さらに、内部が明るすぎたり、入口が人の動く方向に向いていたりすると、落ち着かない場合も考えられます。
設置したばかりのシェルターでは、すぐに使用しないこともあります。リクガメが安全に生活できているのであれば、無理に中へ入れる必要はありません。
ただし、シェルターに入らないだけでなく、食欲低下や活動量の変化などが見られる場合には、健康状態も確認する必要があります。
入口の大きさ・内部の温度・設置場所を優先して見直すと、問題を整理しやすくなります。
シェルターの上に登る場合の転倒対策
リクガメはシェルターを隠れ場所として使うだけでなく、上に登ろうとすることもあります。
特に岩型シェルターなどは、表面の凹凸を利用して登れる場合があります。しかし、傾斜が急な場所から滑り落ちると、仰向けに転倒する危険があります。
リクガメは種類や体格、周囲の状態によっては、自力で元の姿勢に戻れない場合があります。特に高温の場所で転倒すると、体温を下げられなくなる危険もあります。
そのため、シェルターの上に頻繁に登る場合は、形状や設置場所を見直しましょう。
上部が滑りやすい製品や、急な傾斜がある製品では、安全な形状のものへの交換を検討してください。
また、シェルターを壁際に設置すると、壁との隙間に体を挟んだり、壁を利用してさらに高い場所へ登ったりする可能性があります。
転倒しても危険が少ないという前提ではなく、転倒そのものを防ぐ環境づくりを意識してください。
シェルターにこもって出てこない場合は?
リクガメがシェルターの中で長時間過ごすこと自体は、必ずしも異常ではありません。
夜間の休息中や、周囲の刺激を避けたいときなどには、シェルターから出てこない場合があります。また、迎え入れた直後は新しい環境に慣れていないため、隠れている時間が長くなることもあります。
ただし、以前は活発に動いていた個体が急に隠れてばかりいる場合には注意が必要です。
特に食欲が落ちている、体重が減っている、呼吸が普段と異なるといった症状がある場合は、体調不良の可能性があります。
また、ケージ全体の温度が適切でない場合に、特定の場所へ移動して動かなくなることも考えられます。
まずは温度や湿度を確認し、食事量や排泄、活動量などの変化を観察しましょう。
明らかな体調不良が疑われる場合は、無理にシェルターから出して活動させるのではなく、爬虫類を診察できる動物病院へ相談してください。
リクガメのシェルターを使う際の注意点

シェルターは一度設置すれば、そのまま使い続けてよいわけではありません。
リクガメの成長に合わせたサイズの見直しや、汚れの除去、破損の確認など、定期的な管理が必要です。
成長に合わせてサイズを見直す
リクガメは成長すると甲羅が大きくなるため、幼体のときに使用していたシェルターが狭くなることがあります。
特に入口が小さい製品では、成長によって甲羅が引っかかったり、出入りしにくくなったりする可能性があります。
シェルターのサイズを確認するときは、甲長だけでなく、甲幅や甲羅の高さも測定しましょう。
また、リクガメの体格が変化すると、以前は安定していたシェルターを押し動かせるようになる場合もあります。
成長に応じて大きなシェルターへ交換するほか、必要に応じてケージ全体の広さも見直してください。
特に大型になる種類では、成体の甲羅の大きさと活動スペースを考慮した飼育環境が必要です。
シェルターだけを大きくすると、ケージの中を歩くスペースが狭くなることもあります。隠れ場所と活動場所の両方を確保できるようにしましょう。
汚れやカビを防ぐ掃除と衛生管理
シェルターの内部には、排泄物や床材、餌の食べ残しなどが入り込むことがあります。
特に湿度の高い場所では、汚れを放置するとカビや細菌が増える原因になる場合があります。そのため、定期的に内部を確認し、汚れがあれば取り除きましょう。
樹脂製や陶器製のシェルターは、材質に適した方法で洗浄できる製品が多くあります。ただし、表面に塗装や特殊な加工が施されている場合は、メーカーの手入れ方法を確認してください。
木製シェルターは水分が内部に残りやすいため、洗浄後の乾燥が重要です。カビが繰り返し発生する場合や、木材が傷んでいる場合は交換を検討しましょう。
また、人間用の洗剤や消毒薬を使用する場合には、爬虫類への安全性を確認する必要があります。強い薬剤を自己判断で使用することは避けてください。
清掃後は十分に乾燥させ、必要な場合は安全な方法で湿度を調整してから設置しましょう。
見た目がきれいでも内部に汚れが残る場合があるため、シェルターを持ち上げて確認する習慣をつけることが大切です。
シェルターが狭くて動けなくなる危険
シェルターが狭い場合、リクガメが内部で身動きできなくなったり、入口に甲羅が引っかかったりする危険があります。
特に、成長によって体が大きくなった個体では注意が必要です。
リクガメは首や脚を動かしながら移動するため、甲羅が入るだけの広さでは十分とは限りません。また、狭い場所で無理に方向転換しようとすると、シェルターが動いたり倒れたりする場合があります。
シェルターの入口や内部には、甲羅が引っかかる突起や、脚を挟み込む隙間がないか確認しましょう。
複数のリクガメを飼育している場合は、シェルターを取り合ったり、入口をふさいだりする可能性もあります。なお、リクガメは種類や性別、個体の相性によって争いが起こるため、安易な多頭飼育は避ける必要があります。
安全性を確認するときは、リクガメが実際に使用している様子を観察し、無理なく出入りできているか確認してください。
成長に伴って狭くなったシェルターは、事故が起こる前に交換しましょう。
リクガメのシェルターの必要性と選び方【まとめ】

リクガメにとって、安心して隠れたり休んだりできる場所は大切です。必ずしも市販のシェルターを購入する必要はありませんが、飼育環境の中に安全な隠れ場所を確保する必要があります。
シェルターを選ぶ際は、甲羅の大きさに合った内寸や入口の広さ、本体の安定性を確認しましょう。樹脂製や陶器製、木製など、それぞれの素材には異なる特徴があります。
100均用品を使った自作も可能ですが、材質の安全性や耐熱性、加工した入口の状態には注意が必要です。
また、シェルターの設置場所や内部の湿度は、飼育しているリクガメの種類や成長段階によって調整する必要があります。
特にサイズ・安定性・温度・湿度の4つを確認し、リクガメが安全に休める環境を整えることが大切です。
シェルターに入らない場合や、上に登ってしまう場合は、設置場所や形状を見直しましょう。日頃からリクガメの行動を観察し、成長や健康状態に合わせて飼育環境を調整してください。
