「うちのイシガメが急に餌を食べなくなってしまった…」 そんな悩みを抱えていませんか?
愛らしいイシガメが餌を拒否する姿は、飼い主にとって心配の種です。
この記事では、イシガメが餌を食べなくなる原因を詳しく解説し、具体的な対策を紹介します。
この記事を読めば、あなたのイシガメが再び元気よく餌を食べる姿を取り戻せるでしょう。
イシガメが餌を食べない主な原因
イシガメは一見すると丈夫に見えますが、実は非常にデリケートな生き物ですので、環境の変化や水温の低下など、さまざまな要因で食欲不振に陥ることがあります。
水温の低下
イシガメは変温動物であるため、水温が下がると消化機能も低下し、食欲がなくなります。
一般的に、イシガメの適温は25℃~30℃とされており、水温が20℃を下回ると徐々に食欲が落ちてきます。
室内飼育の場合は、水温を25℃前後 に保つことで食欲が戻ることがあります。
冬眠をさせる予定がない場合は、ヒーターを使って適切な水温を維持すると良いでしょう。
水質の悪化
水が汚れていたり、異臭がする場合、イシガメは本能的に餌を食べなくなることがあります。
特に、水換えを怠ると、アンモニアや硫化水素などの有害物質 が発生し、カメの健康にも悪影響を与えます。
水換えの頻度を見直し、最低でも週1~2回は部分的に水を交換する ようにしましょう。フィルターを使用している場合でも、定期的に掃除をすることが大切です。
日光不足
イシガメは日光浴をすることで体温を上げ、代謝を活発にする生き物です。
十分に日光を浴びられないと、体温が上がらず消化機能が低下し、結果として食欲が落ちることがあります。
特に屋内飼育で紫外線ライトを使用していない場合や、屋外でも日陰ばかりの環境にいる場合は、餌を食べなくなることがあります。
イシガメにとって日光浴は、体温を上げて代謝を活発にするだけでなく、ビタミンD3を生成し、カルシウムの吸収を助ける重要な行為です。
屋外飼育の場合
- 飼育スペースを日当たりの良い場所に設置 し、午前中から昼過ぎにかけて日光浴ができるようにする。
- 冬場は日光の角度が変わるため、日当たりの良い場所に移動させることも考慮する。
屋内飼育の場合
- 紫外線ライト(UVBライト) を使用し、1日8~12時間照射する。
- 紫外線ライトは6か月~1年ごとに交換 し、適切な強度を維持する。
- 紫外線ライトだけでなく、バスキングライト(保温ライト) も併用し、体温を上げやすくする。
- 可能であれば、晴れた日に屋外で短時間の日光浴 をさせる。
環境の変化
イシガメは臆病な性格なので、ペットショップから家に迎えたばかりの時など、環境が大きく変わると、警戒して餌を食べなくなることがあります。
- 新しい水槽や飼育容器に移したばかり
- 飼育場所を変えた(屋内↔屋外など)
- 新しいカメや他の生き物と同居を始めた
環境の変化に慣れるまで数日~1週間ほどかかることがあるため、焦らず様子を見守りましょう。
隠れられる場所を作ることで、ストレスを軽減することができます。
餌の与えすぎや嗜好の変化
イシガメは気に入った餌を好んで食べる傾向がありますが、与えすぎると飽きてしまい、食べなくなることがあります。
- カメ用の人工飼料の種類を変えてみる
- 生餌(アカムシ、ミミズ、小魚など)を試してみる
- 野菜や果物(小松菜、タンポポの葉、リンゴなど)を少量与えてみる
- 乾燥エビやササミなど、嗜好性の高いものを少量混ぜる
餌のバリエーションを増やすことで、食欲が戻ることがあります。
産卵前
メスのイシガメの場合は、抱卵期間中や産卵前に食欲が低下することがあり、特に産卵前は神経質になるので、産卵場所を探すなどの行動に気を取られて食事がおろそかになることがあります。
産卵が近づくと、メスの体内では卵を作るためのホルモンが分泌され、代謝が変化します。この影響で、通常時と比べて食欲が落ちることがあります。特に、産卵の数日前からは、餌よりも産卵場所を探す行動が優先されることが多くなります。
メスの体内で卵が大きくなると、胃や腸が圧迫されてしまい、満腹感を感じやすくなります。そのため、普段のように食欲が湧かず、餌をほとんど食べなくなることがあります。
産卵前のメスは、陸地や土のある場所を探し回ることが多くなります。この行動が活発になると、餌を食べるよりも産卵に適した場所を探すことに集中するため、食事を取らなくなることがあります。
メスが安心して産卵できるように、深さ10cm以上の柔らかい土や砂を入れた産卵場所 を用意しましょう。屋外なら地面に掘れるスペースを確保し、室内飼育なら大型のプラケースに砂を入れて産卵床を作ると良いです。
無理に食べさせようとしない
産卵前に食欲が落ちるのは自然なことなので、無理に食べさせる必要はありません。ただし、産卵後は体力を回復させるために、栄養価の高い餌を与え、水分補給をしっかりさせることが大切です。
産卵が終わったらしっかりケアする
産卵後はエネルギーを消耗しているため、カルシウムやビタミンが豊富な餌 を与えて体力を回復させることが重要です。また、水換えをして清潔な環境を維持し、感染症を防ぐようにしましょう。
病気
口内炎などの口内感染や、風邪や肺炎などの呼吸器系の病気、代謝性骨疾患(クル病)などが考えられ、これらの病気は早期に治療しないと命に関わることもあるため、注意が必要です。
- 口の中が白っぽい・腫れている → 口内炎や細菌感染
- 目が腫れている・目ヤニが多い → ビタミンA欠乏症や感染症
- 甲羅が柔らかい・白くなっている → くる病や甲羅のカビ
- 動きが鈍い・ずっとじっとしている → 内臓の病気や低体温
異常が見られる場合は、すぐに温度管理を見直し、必要に応じて爬虫類を診てくれる動物病院に相談しましょう。
イシガメに与えるおすすめの餌
イシガメは雑食性で、さまざまな種類の餌を食べます。
人工飼料は、栄養バランスが整っており、手軽に与えられるため、主食として利用できますが、人工飼料だけでは栄養が偏ってしまうため、他の餌もバランスよく与えることが大切です。
乾燥川エビ は、カルシウムが豊富で嗜好性も高いため、おやつとして与えるのがおすすめですし、冷凍コオロギや冷凍赤虫は動物性タンパク質が豊富で、イシガメの成長に必要な栄養素を補給できます。
ザリガニやワラジムシなどの生き餌も、イシガメの食欲を刺激し、栄養バランスを整えるのに役立ちます。
また、小松菜やチンゲンサイなどの野菜もイシガメの健康維持に欠かせません。
これらの野菜はビタミンやミネラルが豊富で、イシガメの健康をサポートしてくれます。すが、与えすぎると下痢の原因になることもあるため、適量を守るようにしてください。
まとめ
イシガメが餌を食べなくなる原因は様々ですが、適切な対策を講じることで、再び元気な姿を取り戻すことができます。
水温管理、日光浴、餌の種類、飼育環境に気を配り、イシガメの健康状態を日頃から観察することが大切です。
もし、食欲不振が続く場合は、無理せず動物病院を受診し、専門家の意見を聞いてみましょう。
この記事が、あなたのイシガメとのより良い暮らしのお役に立てれば幸いです。