日本には昔から親しまれてきたクサガメとイシガメという2種類のカメが生息していますが、見た目が似ているため、どちらがどちらか分からなくなることはありませんか?
本記事では、クサガメとイシガメの違いを徹底的に比較し、見分け方から混泳の注意点、交雑種であるウンキュウについてまで詳しく解説します。
この記事を読めば、あなたもクサガメとイシガメの違いが明確になり、飼育する際の疑問も解消できるので、ぜひ最後までご覧ください。
クサガメとイシガメの決定的な違い!見た目でわかる!?
甲羅の色と後縁の形状
クサガメとイシガメを見分けるうえで、最も分かりやすいのは甲羅の違いです。
イシガメの甲羅は、黄褐色やオレンジ色で、後縁がノコギリのようにギザギザしているのが特徴です。

甲羅が黄褐色のイシガメ
一方、クサガメの甲羅は黒や濃い茶色をしており、後縁は丸みを帯びています。

黒い甲羅をもつクサガメ
隆条(キール)の違い
また、クサガメの背甲には、3本の隆条(キール)があるのに対し、イシガメには中央に1本しかありません。

3本の隆条(キール)をもつクサガメ

イシガメは隆条(キール)が中央に1本だけ
頭部にも違いがあり、イシガメは首に模様がなく、四肢にオレンジ色の模様があるのに対し、クサガメは幼体やメスには首に模様があり、オスは成長すると黒化して模様が消えます。
腹甲の色も異なり、イシガメは黒色、クサガメは若干の模様が確認できます。
さらに、クサガメは危険を感じると臭いを発しますが、イシガメは独特な臭いはありません。
求愛行動も異なり、イシガメはオスがメスの前で前脚を動かすのに対し、クサガメは頭を振ったり、頭突きをしたりします。
交雑種『ウンキュウ』とは?特徴と見分け方のポイント

クサガメと イシガメは交雑が可能で、その交雑種をウンキュウと呼びます。
ウンキュウは、イシガメとクサガメの両方の特徴を併せ持つため、見分けるのが難しい場合があります。
ウンキュウには、イシガメのように甲羅の後ろにギザギザがある個体もいれば、クサガメのように3本のキールを持つ個体もいます。
また、目の色もイシガメのように真っ黒ではなく、クサガメのように黒いラインが入る場合があります。
ウンキュウは、見た目では判断できないことも多く、遺伝子レベルの検査が必要になる場合もあります。
ウンキュウが増えることは、純粋なイシガメやクサガメの減少につながる可能性があるため、注意が必要です。
クサガメとイシガメの混泳:注意点と飼育環境のヒント
クサガメとイシガメの混泳は、基本的に避けた方が良いでしょう。
異なる種同士を同じ環境で飼育すると、ストレスや縄張り争いが生じる可能性があり、もし混泳させる場合は、十分な広さのある水槽を用意し、隠れ家となる場所を複数作る必要があります。
また、クサガメとイシガメは食性が異なるため、それぞれの種に合った餌を与えるようにしてください。
クサガメは雑食性で、水草や人工飼料など様々なものを食べますが、イシガメはより肉食性が強い傾向があります。
特に、クサガメのオスは成長すると黒化するため、外見での判断が難しくなることがあります。
クサガメのオスは性成熟に伴い、5歳頃からメラニズムを起こし色がかなり黒っぽくなるという特徴があります。
まとめ
本記事では、クサガメとイシガメの違いについて詳しく解説しました。
クサガメと イシガメは、甲羅の形や色、首の模様、キールの数など、さまざまな点で異なることが分かりました。
また、交雑種であるウンキュウは、両種の特徴を併せ持つため、見分けるのが難しい場合があることも理解できたと思います。
クサガメと イシガメの混泳は、できる限り避けるべきですが、もし混泳させる場合は、十分な注意が必要です。
これらの知識を踏まえ、クサガメとイシガメの観察や飼育を楽しんでください。