イシガメを屋外で飼育すると、自然に近い環境でイシガメの生態を観察できる貴重な体験ですが、適切な方法、レイアウト、そして冬対策を行わないと、イシガメの健康を損ねてしまう可能性があります。
この記事では、イシガメの屋外飼育を成功させるための具体的な方法、見た目も機能性も兼ね備えたレイアウト、そして冬を安全に乗り越えるための冬対策について、詳しく解説します。
イシガメがより快適に、そして安全に過ごせる環境を作るための情報が満載ですので、ぜひこの記事を参考に、イシガメとの生活をより豊かなものにしてください。
イシガメの屋外飼育場所
庭
庭で飼育する場合、プラ舟やトロ舟を直接地面に置いて設置することができます。
地面に少し埋め込むことで安定性が増し、自然に近いレイアウトを作りやすくなります。
日光を十分に浴びられる場所を選ぶことが重要ですが、日陰を作るために植物や簡易シェードを設置すると、温度管理がしやすくなります。
庭池

庭に直接池を作ることも可能です。
穴を掘り、防水シートを敷いて池を作れば、より広いスペースで自然に近い環境を整えられます。
ただし、庭での飼育では野生動物(カラスやネコなど)の被害や、脱走のリスクがあるため、柵を設置したり、金網で上部を覆うなどの対策が必要です。
ベランダ
ベランダで飼育する場合は、直射日光が強く当たる時間帯があるため、日陰を作る工夫が必要になります。
風が強い場所では、飼育容器が倒れたり水温が急激に変化することがあるため、防風対策も考えると良いでしょう。
ガレージや屋外倉庫

ガレージ内や屋外倉庫で飼育する場合、直射日光が当たりにくいため、日光浴用に一部屋外スペースを確保するか、紫外線ライトを併用するのが望ましいです。
また、風通しを良くし、蒸れないように工夫することが大切です。
なおガレージや車庫でイシガメを飼育する場合、車の排気ガスが及ぼす悪影響には注意が必要です。
排気ガスには一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)、微粒子(PM)などが含まれており、これらがカメの健康に悪影響を与える可能性があるため、駐車場を飼育スペースにするのはおすすめできません。
特にシャッターを締め切ってしまうようなタイプの車庫は換気が悪いため、車庫の外側に移動させた方が良いでしょう。
屋上
ベランダより広いスペースを確保しやすく、日当たりも良いのがメリットです。
ただし、直射日光が強すぎる場合があるため、遮光対策が必要になります。
風が強い場所では、容器が飛ばされないように固定することも重要です。
カラスなどの外敵にも要注意です。
軒下
雨を防ぎながらも風通しの良い場所なので、水温の急激な変化を防ぐのに適しています。
日光が当たる時間が短い場合は、日向と日陰をバランスよく作る工夫が必要です。
温室やビニールハウス
冬場も比較的暖かい環境を維持できるため、イシガメの活動期間を長くすることができます。
ただし、夏場は温度が上がりすぎることがあるため、換気をしっかり行い、水温の管理を徹底することが必要です。
イシガメの屋外飼育容器
イシガメの屋外飼育を始めるにあたって、最も重要なのは安全で快適な環境を整えることです。
飼育場所の選定では、日当たりと日陰のバランスを考慮し、直射日光が強すぎない場所を選び、脱走防止策として、高さのある柵や返しのある囲いを設置することが重要です。
屋外飼育に適した容器としては、プラ舟やトロ舟がおすすめで、これらは丈夫で扱いやすく、イシガメが十分に動き回れるスペースを確保できます。
プラ舟やトロ舟の違いとは?
トロ舟の「トロ」は、トロッコの略称からきています。
基本的にトロ舟とプラ舟はほぼ同じものとして扱われますが、まれにトロ舟にはプラスチック製以外の素材が使われていることがあります。
そのため、プラ舟と同じ感覚で選ぶと、材質が異なる場合があるので注意が必要です。
トロ舟を選ぶ際は、「材質をしっかり確認すること」を意識しておくと安心でしょう。
これらは軽量で扱いやすく、水をしっかり溜められるため、イシガメの屋外飼育に向いています。
特にプラ舟は耐久性が高く、大きさも豊富にあるため、飼育スペースに合わせて選ぶことができます。

トロ船
一方、トロ舟は浅めの設計が多いため、水深を調整しやすく、日光浴できるスペースも確保しやすいという特徴があります。
水場は、イシガメが水に浸かれる程度の深さと広さを確保し、定期的な水換えで水質を維持することが必要で、陸地は、日光浴ができるスペースと隠れられるシェルターを用意します。
レイアウトは段差や植栽を工夫することで、自然に近い環境を再現することができ、適切な環境設定もできますので、イシガメの屋外飼育の成功の鍵です。
イシガメ屋外飼育のレイアウト:見た目と機能性を両立
イシガメを屋外で快適に飼育するためには、水場と陸場のバランスや、安全対策をしっかり考えたレイアウトが必要になります。それぞれの要素について詳しく説明します。
水陸の割合
イシガメは水中での活動を好みますが、日光浴や休息のために陸地も必要です。
理想的な水と陸の割合は 水場7~8割、陸場2~3割 ほどが目安です。
水を多めに確保することで泳ぐスペースを十分に確保しつつ、しっかり日光浴できる陸場を設けることで健康的な環境を作ることができます。
水場が広いほど運動量が増えて健康的になりますが、浅瀬も用意しておくことで、カメが無理なく休める環境になります。特に冬眠を考えている場合は、深さのある水場が必要になります。
一方で、陸場が狭すぎると、カメが十分に乾燥できず甲羅が傷みやすくなるため、しっかり乾ける場所を確保することが重要です。
床材
水場の床材
水場の底には 砂利や小石、底砂などの自然素材 を使うのが一般的です。
何も敷かないと水の汚れが目立ちやすくなりますが、逆に砂利を敷きすぎると掃除が大変になります。おすすめなのは 大きめの川砂や丸みのある砂利 で、適度に沈殿物を分解しやすくしつつ、掃除がしやすいバランスを取ることです。
水質を維持しやすくするために、ろ過装置 を導入するのも良い方法です。
ただし、屋外では自然のろ過作用が働きやすいので、砂利や水草を利用してバクテリアを増やすことで、水を安定させることもできます。
陸場の床材
陸場には 人工の陸地 を作る方法と、自然の土や石を使う方法 があります。
人工の陸地を作る場合は、レンガや平たい岩、浮き島 などを使うと管理がしやすくなります。安定感のある素材を選ぶことで、カメが安心して日光浴できる場所を確保できます。
自然の土を使う場合は、乾きやすい砂や黒土、赤玉土など を敷くと、自然な環境に近づけることができます。湿り気が多すぎると泥状になってしまい、甲羅が汚れやすくなるため、水はけの良い素材を選ぶことがポイント です。また、植物を植えることで、カメが隠れる場所を作ることもできます。
イシガメ屋外飼育の冬対策:冬眠か加温飼育の選択
イシガメの屋外飼育における冬対策は、冬眠させるか加温飼育をするかの選択が重要です。
冬眠させる場合は、安全な冬眠場所として、落ち葉や水苔で覆われた場所を用意するとともに、秋口から餌の量を減らし、冬眠前に十分な栄養を蓄えさせましょう。
冬眠させない場合は、水温計を設置し、水温を常にチェックしながら、ヒーターを使って水温を20度以上に保つことが必要です。
イシガメの健康維持に繋がりますので、冬でも可能な限り日光浴をさせ、防風対策として、ケージをビニールで覆ったり、保温材を使用するのも効果的です。
イシガメ屋外飼育での冬対策は、イシガメの生死を左右する重要な要素です。
まとめ
イシガメの屋外飼育は、適切な環境を整えることで、イシガメの自然な生態を観察できる素晴らしい飼育方法です。
この記事では、イシガメの屋外飼育における方法、レイアウト、冬対策について解説しました。
安全で快適な環境作りを基本に、機能的なレイアウト、そして適切な冬対策を行うことで、イシガメとの生活をより豊かなものにできます。
この記事を参考に、イシガメの屋外飼育に挑戦してみてはいかがでしょうか。
イシガメの健康と幸せを第一に考え、愛情を込めて育ててあげてください。