近年、ニホンイシガメの生息数が減少し、「飼育禁止？」という言葉を耳にする機会が増えました。
愛らしい姿からペットとしても人気がありますが、その現状は「絶滅危惧種」に指定されるほど深刻です。
この記事では、ニホンイシガメの捕獲は法律でどのように規制されているのか、なぜ絶滅の危機に瀕しているのか、そして私たちがどのように向き合うべきなのかを徹底的に解説します。
安易な行動がニホンイシガメの未来を左右するかもしれませんので、この記事を通して、現状を正しく理解し、私たちにできることを一緒に考えていきましょう。
ニホンイシガメは飼育禁止？法律と注意点
2024年12月現在、ニホンイシガメを飼育することは、法律で禁止されていませんが、飼育する場合には最後まで責任をもって飼育する必要があります 。
飼育していたニホンイシガメを野外に放つ行為は、法律で直接禁止されているわけではありませんが、飼育下においた個体を元の生息地に戻すことは、生態系の攪乱につながる可能性があり、生態系保全の観点から問題があります。
ニホンイシガメの無償譲渡は、販売・頒布にあたらない限り、特に規制はありませんが、譲渡する相手には、ニホンイシガメが絶滅危惧種であり、野外に放してはいけないことを伝える必要があります 。
アカミミガメの場合、野外への放出など法律で禁止された行為を行うと、明確に罰則の対象となりますが、ニホンイシガメの場合、捕獲自体には直接的な罰則はありません。
飼育していた個体を野外に放つ行為は、外来生物法や動物愛護法に抵触する可能性があり、罰則の対象となる場合があります。
これはニホンイシガメの放出そのものを直接罰するものではなく、飼育動物の遺棄や不適切な扱いに対する罰則が適用される可能性があるという点に注意が必要です。
ニホンイシガメの捕獲は違法？
ニホンイシガメは2024年12月現在、保全が求められており、法律で捕獲が禁止されているわけではありませんが、その個体数は減少傾向にあり、安易な捕獲は更なる減少を招く恐れがあります。
特に、ニホンイシガメは、過去にペット目的の乱獲や輸出によって個体数を減らしており、捕獲は慎むべき行為です。
環境省は、ニホンイシガメの輸出に対して、未成熟個体や飼育繁殖個体のみ助言を行う方針を示しており、野生個体の保護を重視しています。
もし飼育を希望する場合は、野生個体を捕獲するのではなく、繁殖個体を選ぶようにし、ニホンイシガメを野外で見かけても、むやみに移動させたり、持ち帰ったりすることは避けるべきです。
ニホンイシガメは絶滅種？
ニホンイシガメは絶滅種ではありませんが、環境省によって「準絶滅危惧種」に指定されており、絶滅の危機に瀕していることは事実です。
ニホンイシガメの生息数の減少には、主に3つの要因があります。
(1)生息環境である河川や池沼の開発による破壊。
(2)ペット目的の乱獲による個体数の減少。
(3)外来種であるミシシッピアカミミガメ（ミドリガメ）との生存競争。
ミシシッピアカミミガメは繁殖力が強く、ニホンイシガメの生息地を奪い、餌を横取りしてしまうため、ニホンイシガメは非常に厳しい状況に置かれています。
さらに、クサガメとの交雑も遺伝子汚染を引き起こし、純粋なニホンイシガメの減少を加速させています。
地域によっては、ニホンイシガメが既に絶滅している、または絶滅寸前の状態であることも報告されています。
まとめ
ニホンイシガメは、絶滅の危機に瀕している準絶滅危惧種であり、その保全には私たち一人ひとりの意識と行動が不可欠です。
ニホンイシガメの捕獲は法律で禁止されていませんが、個体数減少を考慮し、安易な捕獲は避けるべきです。
もし飼育を希望する場合は、繁殖個体を選び、最後まで責任を持って飼育することが大切ですし、ニホンイシガメを野外で見つけた場合は、そっとしておきましょう。
ニホンイシガメの保護には、生息環境の保全や外来種の駆除も重要ですので、私たち一人ひとりがニホンイシガメの現状を理解し、正しい知識を持って行動することで、ニホンイシガメが安心して暮らせる未来を守ることができます。
