「クサガメって、人になつくの?」そんな疑問をお持ちではありませんか?
ペットとして人気のカメですが、特にクサガメはその愛らしい姿と人懐っこさで多くの人を魅了しています。
この記事では、クサガメがどのように人に慣れていくのか、その方法から、顔を覚えるほどの知能、そして人懐っこい性格まで、徹底的に解説します。
クサガメとの生活を考えている方、すでに飼育しているけれどもっと仲良くなりたいという方は、ぜひこの記事を参考に、愛しのクサガメとの絆を深めてください。
なつくとはどういう状態?
ペットが人になつくという言葉には、狭い意味と広い意味の二つの捉え方があります。
狭義のなつく
狭い意味では、犬や猫のように比較的知能が高く、人との社会的な関係を築く動物が、特定の飼い主に対して親しみを持ち、信頼し、安心して行動を共にするようになることを指します。
この場合、ペットは飼い主に対して積極的に甘えたり、呼ばれたら近寄ったり、撫でられることを喜んだりする様子を見せます。
広義のなつく
一方、広い意味では、もっと知能の低い動物、たとえばカメのような爬虫類や魚のような生き物が、人に対して特定の反応を示すようになることも「なつく」と表現されることがあります。
この場合、犬や猫のように感情的な親しみを持つのではなく、飼い主の存在を認識し、エサをもらえることを学習した結果、近づいてきたり、警戒心を解いたりする行動が見られるようになることを指します。
たとえば、カメが飼い主の足音を覚えて近寄ってくる、魚が水槽の前に立つ人に反応するなどの行動は、広義の「なつく」に該当すると言えるでしょう。
つまり、狭義では「人との親密な関係を築き、感情的に慕うこと」、広義では「学習や経験によって人に対する警戒を解き、特定の行動をとること」という意味が含まれるのです。
クサガメは人になつく?
クサガメは、犬や猫のように積極的に甘えたりスキンシップを求めたりすることはありませんが、ある程度人に慣れることはあります。
このように前項で説明した狭義のなつくには当てはまりませんが、広義のなつくには当てはまると言えるでしょう。
特にエサを与える人のことはしっかりと覚えていて、姿を見せると近寄ってくることが多いです。
ただし、基本的には単独行動を好む生き物であり、撫でられることや抱っこされることは苦手としています。
犬や猫と比較すると・・・
犬と猫と比較すると、クサガメは飼い主のことを認識するものの、愛着を示す行動はほとんどありません。
犬は飼い主の指示に従ったり、スキンシップを喜んだりする一方で、猫も気分次第では擦り寄って甘えることがあります。
しかし、クサガメの場合はそうした行動は見られず、基本的にエサをもらえる相手として認識するに留まります。名前を呼んでも反応しないことがほとんどで、遊びの概念もありません。
それでも、クサガメは飼い主のことを全く覚えないわけではなく、環境に慣れると水槽の前に立つ人の姿を目で追ったり、エサの時間になると近づいてきたりすることがあります。
中には、手から直接エサを食べるほど慣れる個体もいるため、根気よく世話をすれば多少の愛着を感じられる瞬間があるでしょう。
ただし、犬や猫のように飼い主に甘えることはなく、どちらかというと「なつく」というよりも「慣れる」という表現が適しています。
比較項目 | クサガメ | 犬 | 猫 |
---|---|---|---|
飼い主の認識 | 〇(エサをくれる人として覚える) | ◎(強い愛着を持つ) | ◎(個体差はあるが認識する) |
触れ合いの好み | △(あまり好まない) | ◎(撫でられるのが好き) | 〇(気分次第) |
呼びかけへの反応 | △(音は聞こえても理解はしない) | ◎(名前を覚え、指示にも従う) | △~〇(名前を覚えるが気分次第) |
甘え方 | ×(甘える行動はしない) | ◎(スキンシップやしぐさで甘える) | 〇(擦り寄る、鳴くなど) |
遊び | ×(遊びの概念がない) | ◎(ボール遊びなどが好き) | 〇(おもちゃで遊ぶこともある) |
クサガメを人になつかせる(慣れさせる)方法
日常のコミュニケーション
クサガメに人に慣れてもらうためには、毎日決まった時間にエサをあげることが効果的です。
また、急に驚かせないようにゆっくりと近づいたり、無理に触ろうとしないようにしたりすることも大切です。
最初は警戒心を持っていることが多いですが、徐々に飼い主の存在に安心感を持つようになり、水槽越しに近寄ってくるようになることもあります。
総じて、クサガメは犬や猫ほどの親密な関係を築くことは難しいものの、根気よく接すれば飼い主に対してある程度の認識を持ち、エサを通じて関係性を深めることができます。
触れ合う楽しさというよりも、のんびりとした姿を観察することに魅力を感じる人にとっては、十分に愛着を持てるペットになるでしょう。
- 毎日決まった時間にエサをあげる
- 急に驚かせないようにする(ゆっくり近づく)
- 無理に触らず、カメのペースで接する
- 水槽の前でゆっくり動き、慣れさせる
遊びやお世話の時間
クサガメは犬のようにおもちゃで遊ぶことはありませんが、環境を工夫することで活動的に過ごす時間を作ることができます。
例えば、水槽に登れる石や陸地を用意してあげると、日光浴や探索を楽しむようになります。
また、飼い主が手からエサを与えることで、食事の時間が交流のひとつになります。
最初は警戒して食べないこともありますが、根気よく続けることで慣れてくれることが多いです。さらに、水槽の掃除や甲羅のケアの時間も、カメとの大切な触れ合いの機会になります。
特に甲羅をやさしくブラッシングすると、気持ちよさそうにじっとする個体もいるため、カメの反応を見ながらお世話を楽しむと良いでしょう。
思い出の作り方
クサガメとの生活の中で、さまざまな形で思い出を作ることができます。
また、季節ごとにカメがどのように過ごしているかを観察し、冬眠の準備をしたり、夏場に活発になる姿を記録するのも面白いでしょう。
屋外で日光浴をさせる際に一緒に過ごす時間を作るのも、カメとの特別な体験になります。こうした日々の積み重ねが、飼い主とクサガメとの間に特別な絆を生むことにつながります。
クサガメは感情を表に出すことは少ないですが、毎日丁寧に接することで、少しずつ飼い主の存在を認識し、安心して暮らせるようになります。ゆっくりと時間をかけて関係を築くことで、カメとの生活がより楽しく、思い出深いものになるでしょう。
クサガメはハンドリングできる?

クサガメは基本的にハンドリング(手に持って触れ合うこと)に向いているカメではありませんが、短時間であれば持ち上げることが可能です。
ただし、無理に触ろうとするとストレスを感じやすく、嫌がって暴れることもあります。そのため、クサガメをハンドリングする際には、慎重に扱う必要があります。
クサガメのハンドリングの注意点
クサガメは犬や猫のようにスキンシップを好むわけではなく、基本的には観賞向きのペットです。
そのため、長時間持ち上げたり、頻繁に触れたりするのは避けたほうがよいでしょう。ただ、甲羅の健康チェックや水槽の掃除の際に一時的に持ち上げることは問題ありません。
このとき、カメが暴れて落とさないように、しっかりと甲羅の両側を持つのがポイントです。
特に後ろ足が空中に浮くと不安になり暴れることがあるため、なるべく安定した持ち方を心がけましょう。
クサガメがハンドリングを嫌がる理由
クサガメは野生では外敵から身を守るために、水中で生活することが多い生き物です。
そのため、空中に持ち上げられると捕食者に襲われるような感覚を持ち、強いストレスを感じることがあります。
また、触られることに慣れていない個体の場合、手足を引っ込めたり暴れたりすることがよくあります。
無理にハンドリングを続けると、さらに警戒心が強くなり、飼い主に近づかなくなることもあるため注意が必要です。
クサガメを持ち上げる際のコツ
クサガメを持ち上げる場合は、以下の点に気をつけるとカメのストレスを軽減できます。
- 短時間で終わらせる
必要最低限の時間だけ持ち上げるようにし、すぐに水槽や安全な場所に戻してあげることが大切です。 - 甲羅の横をしっかり持つ
手のひら全体で甲羅の側面を持ち、安定させることでカメが暴れるのを防ぐことができます。 - 静かに優しく扱う
急に持ち上げたり、空中で揺らしたりしないようにし、ゆっくりと動作することでカメが驚かないようにします。 - 水の中に戻すときは優しく
水に戻す際に急に落とすと、カメが驚いてパニックを起こすことがあります。水面近くでそっと離してあげると安心します。
クサガメのハンドリングが必要な場面
普段の生活ではあまり持ち上げる必要はありませんが、以下のような場合にはハンドリングが必要になることがあります。
- 水槽の掃除:水槽を掃除する際、一時的にカメを別の容器に移す必要があります。
- 健康チェック:甲羅の状態や皮膚の異常を確認するときには、カメを持ち上げてよく観察することが大切です。
- 甲羅の手入れ:甲羅に汚れがついた場合、軽くブラッシングすることがあります。
結論
クサガメはハンドリングが可能ではありますが、スキンシップを好む動物ではないため、過度な接触は避けたほうがよいでしょう。
持ち上げる必要がある場合は、短時間で優しく扱い、できるだけカメにストレスをかけないようにすることが大切です。
クサガメにとって快適な環境を整え、無理に触らずに自然な形で接することで、飼い主との関係を良好に保つことができます。
クサガメをお散歩に連れ出すことは可能か?
クサガメを屋外に連れ出して日光浴をさせたり、自由に歩かせたりすることは可能ですが、犬のように散歩を楽しむタイプの動物ではありません。
カメは基本的に自分のペースで動くため、飼い主と一緒に歩調を合わせて移動することは期待できません。
それでも、安全な環境で自由に歩かせることで、運動不足の解消や自然の光を浴びることで健康維持につながります。
リードの必要性について
犬のようにリードをつけて散歩することは一般的ではありませんが、専用のカメ用ハーネス(リード付きのもの)が販売されていることもあります。
ただし、クサガメは甲羅が硬く、リードを装着するのが難しいため、無理に装着するとストレスを感じることがあります。
また、カメは方向転換が自由にできるため、リードで制御するのが難しく、引っ張ると危険です。
そのため、基本的にはリードは必要なく、しっかりと目を離さずに見守る方が安全です。
クサガメを散歩させる際の注意点
クサガメを外に出す際には、以下の点に注意が必要です。
- 安全な場所を選ぶ
車が通る道路や人が多い場所は避け、静かで自然のある環境を選びましょう。自宅の庭や公園の芝生の上などが適しています。 - 目を離さない
カメは思ったよりも速く動くことがあり、気がつくと姿を見失うことがあります。特に草むらや土の中に潜り込むことがあるため、常に観察することが大切です。 - 逃げ出さないようにする
カメは意外と脱走が得意です。フェンスの隙間や茂みの奥に入り込むと見つけるのが大変なので、囲いのある場所で遊ばせると安心です。 - 直射日光に注意する
日光浴は必要ですが、真夏の炎天下では熱中症のリスクがあります。カメが自分で日陰に移動できる環境を整え、長時間直射日光の下に放置しないようにしましょう。 - 水分補給を忘れずに
クサガメは水生のカメなので、長時間乾燥した環境にいるとストレスを感じます。水を張った容器を用意するか、遊んだ後はすぐに水槽に戻してあげましょう。 - 他の動物に注意する
カラスや犬などの捕食者がいると、クサガメが危険にさらされることがあります。特に小さなカメは狙われやすいので、周囲の状況をよく確認しておくことが重要です。
お散歩のメリット
屋外に出ることで、クサガメは普段の水槽生活とは異なる刺激を受け、ストレス解消にもつながります。
日光浴をすることで甲羅の健康維持にも役立ちますし、自然の地面を歩くことで運動不足の解消にもなります。
ただし、無理に長時間連れ出すのではなく、カメのペースに合わせた短時間の散歩を楽しむのが理想的です。
結論
クサガメをお散歩に連れ出すことは可能ですが、犬のようにリードをつけて歩かせるものではなく、安全な場所で自由に動かせる形が望ましいです。
リードを使用するよりも、囲いのある場所で見守る方が安全で、カメにとってもストレスが少なくなります。
外に出す際は常に目を離さず、気温や環境に配慮しながら、無理のない範囲で自然の中での時間を楽しませてあげることが大切です。
クサガメと他の種類との違い
クサガメは日本に生息する身近なカメの一種ですが、他のカメと比べると性格にいくつかの特徴があります。
特にミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)やニホンイシガメ、リクガメなどと比べると、行動や人への慣れ方に違いが見られます。
クサガメの性格
まず、クサガメは比較的おとなしい性格をしているものの、個体によっては警戒心が強く、人の手を嫌がることがあります。
慣れると飼い主の姿を見ると寄ってくることもありますが、基本的には慎重な性格で、急な動きや環境の変化には敏感に反応します。
ミシシッピアカミミガメ(通称ミドリガメ)と比べるとやや臆病な個体が多く、馴れるのにも時間がかかる傾向があります。
ミシシッピアカミミガメの性格
一方で、ミシシッピアカミミガメはクサガメよりも活発で、人に対する警戒心が薄れやすい傾向があります。食欲も旺盛で、エサをもらうことに積極的なため、飼い主の姿を見るとすぐに近寄ってくる個体が多いです。
そのため、人慣れしやすいカメとして知られています。
ただし、気が強く、同じ水槽内で他のカメと喧嘩することもあるため、共存には注意が必要です。
イシガメの性格

ニホンイシガメはクサガメよりもさらに警戒心が強く、人馴れしにくい性格を持っています。
特に野生から捕獲された個体は、人の姿を見るとすぐに逃げることが多く、環境に馴染むまでに時間がかかります。
クサガメと比べても臆病な印象があり、エサを手から食べるようになるまでには長い時間を要することが一般的です。
リクガメの性格

また、リクガメの仲間は水棲カメとは性格が異なり、比較的のんびりした性格のものが多いです。
特にギリシャリクガメやヘルマンリクガメなどは好奇心が強く、人懐っこい個体も多いため、飼い主の後をついて歩くこともあります。
リクガメはエサを食べるときも落ち着いており、手から直接食べることを比較的早く受け入れるため、スキンシップを楽しみたい人には向いています。
こうして比較すると、クサガメは水棲カメの中ではおとなしくも警戒心があるタイプで、馴れるのには時間がかかるものの、根気よく接すれば飼い主に反応を示すようになります。
活発で人慣れしやすいミシシッピアカミミガメ、臆病なニホンイシガメ、そして人懐っこいリクガメと、それぞれのカメには異なる個性があるため、飼育する際は自分に合った種類を選ぶことが大切です。
まとめ
クサガメは、適切な飼育環境とコミュニケーションによって飼い主との間に強い絆を築くことで、なついてくれる魅力的なペットで、その小さな体からは想像もできないほどの知能と人懐っこさを持ち合わせています。
この記事を参考に、クサガメとの生活は、きっとあなたの心を癒し、豊かなものにしてくれるので、クサガメとの素晴らしい日々を楽しんでください。