ボールパイソンを飼いたいけど、専用ケージは高くて手が出ない…。
そんな方におすすめなのが「衣装ケース」を使った自作ケージです。
実は多くの飼育者が、手頃な価格で加工しやすい衣装ケースを活用して、快適な飼育環境を整えています。
本記事では、ボールパイソンの飼育に適した衣装ケースの選び方から、自作ケージとして使う際の加工ポイント、保温や通気の工夫まで、初心者でも分かりやすく解説します。
「DIYは難しそう…」と思うかもしれませんが、衣装ケースはベースが完成されており、加工も簡単なため初心者向け。
さらに成長に合わせて気軽にサイズ変更できるなど、意外と合理的な選択肢なんです。
この記事を読めば、「衣装ケースでちゃんと飼えるの?」という疑問がスッキリ解消されるはずです。
ボールパイソンは衣装ケースの飼育が可能なの?

ボールパイソンの飼育において、衣装ケースをケージ代わりに使う方法は、いまや一部の上級者だけでなく、初心者にも広まりつつあります。
特に以下のような理由から、あえて市販ケージではなく、衣装ケースを選ぶ飼育者が増えているのです。
コストの安さ
爬虫類専用のガラスケージやプラスチックケージは1万円以上するものも多いですが、衣装ケースなら数千円で購入できます。
これからボールパイソンを飼い始める方にとって、初期費用を抑えられるのは大きなメリットです。
自由度の高さ
また、DIYによる自由度の高さも衣装ケースの魅力です。
通気穴の位置や大きさ、ヒーター用コードの通し方など、自分の飼育環境にあわせて柔軟に加工できます。
既製品では対応が難しい「ちょうどいい温度・湿度・通気性」を自分で設計できるのは、衣装ケースならではの利点です。
DIYの難易度が低い
木材や金具を組み立てるような本格的なDIYとは異なり、ベースとなるケース自体は既に完成された形状のため、あとは通気穴を開けたり、コードを通す穴を開ける程度。
「衣装ケースをちょっと改造するだけ」で使えるので、DIY初心者でも十分に挑戦できます。
成長段階に応じて気軽に買い替えが可能。
ボールパイソンは成長すると体長が1mを超えることもあるため、最初から大型ケージを用意するのは不便なことも。
衣装ケースなら、成長に合わせてサイズアップしていくことも容易ですし、成長が落ち着いた段階でガラスケージを購入するということも可能です。
ボールパイソンに衣装ケースをケージとして使うときの注意点

衣装ケースは便利な飼育容器ですが、本来は生き物を飼うために作られたものではないため、いくつかの注意点があります。
安易に使うと、脱走や事故のリスクもあるため、以下の点は必ず押さえておきましょう。
通気性の確保
まず大切なのは、通気性の確保です。
衣装ケースは密閉性が高いため、通気穴を開けなければ空気がこもりやすくなります。
酸欠やカビの原因になることもあるので、電動ドリルやハンダゴテなどを使って、適切な場所に通気穴を加工する必要があります。
ただし穴が大きすぎると脱走の危険があるため、サイズと位置には注意しましょう。
温度と湿度の管理
次に、温度と湿度の管理です。
衣装ケースは保温性が比較的高い反面、夏場は熱がこもりすぎる傾向があります。
冬場の加温には便利ですが、夏はエアコンやサーキュレーターを併用して温度を下げる工夫が必要です。
また、湿度が高くなりすぎないように、床材の調整や通気の工夫も重要になります。
なおボールパイソンの温度と湿度の管理については以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

フタの固定
さらに、フタの固定にも注意が必要です。
もともと密閉用のフタであっても、軽い素材が多く、少しの力で持ち上がってしまうことがあります。
ボールパイソンは意外と力が強く、フタを押し上げて脱走するケースもあるため、クリップやストッパーなどでしっかり固定しましょう。
その他
そのほかにも、コードの取り回しやケージの強度(劣化や変形)にも配慮が必要です。
特に底面にパネルヒーターを設置する場合、プラスチックの耐熱性や接地面の通気などを意識しないと、変形や火災の原因になることもあります。
ボールパイソン飼育に使える衣装ケースの選び方

衣装ケースをケージとして使う場合、どれでもいいというわけではありません。
購入する際には、以下の条件を満たしているかをチェックするのがポイントです。
フタ付きであること
ボールパイソンはフタのないケースでは簡単に脱走してしまいます。
必ずフタがしっかり閉まるタイプを選びましょう。
半透明または透明の素材
中の様子が見えることで温湿度の管理がしやすくなります。
また、観察や掃除のタイミングもつかみやすくなるため、できるだけ視認性の高い素材が望ましいです。
加工しやすい柔らかめのプラスチック素材
通気穴やコード穴を開ける必要があるため、電動ドリルやハンダゴテなどで加工しやすい素材が適しています。
逆に、硬すぎたり割れやすい素材は避けたほうが無難です。
底面ができるだけフラットな形状
パネルヒーターを敷く際に凹凸があると安定せず、熱がこもる原因になることも。
底が平らなケースを選ぶことで、安全に加温できます。
どこで購入できる?
衣装ケースは以下のような場所で入手可能です。
- ホームセンター(カインズ・コーナンなど)
- ニトリ、無印良品などの家具量販店
- ネット通販(Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなど)
- アイリスオーヤマの公式サイト
いずれの店舗でも、サイズ・素材・フタの有無などをしっかり確認したうえで選ぶようにしましょう。
店頭で実物を確認できる場合は、加工のしやすさなどもチェックしておくと安心です。
ボールパイソン用自作衣装ケースケージの作り方

衣装ケースを使ったケージ作りは、見た目以上にシンプルで、初心者でも十分に取り組めます。
ここでは、必要な道具や加工の手順をわかりやすく解説します。
用意するもの
- 衣装ケース(フタ付き・半透明・加工しやすい素材)
- ハンダゴテ or 電動ドリル(通気穴やコード穴の加工用)
- カッター or ニッパー(バリ取りや穴の拡張)
- 金属製クリップ or ベルト(フタの固定用)
加工手順
① 通気穴をあける
フタや側面に複数の小さな通気穴をあけます。
ハンダゴテを使えば簡単に穴が開き、バリも少なく済みます。
ドリルを使う場合は、ケガやヒビ割れに注意して慎重に行いましょう。
今日は有給とったのでコーンとボール
— Chara-1 (@another_Chara1) August 24, 2020
お引越しさせようかと買い物へ🛒
衣装ケース大きいの2つで1000円しなくて即買い!!100均で半田ごて買って空気穴つくってました笑
工作苦手だけど上手くいった!( ᐛ )و#爬虫類好きさんと繋がりたい #コーンスネーク #ボールパイソン pic.twitter.com/8b8i1SrIhw
② ヒーター用コード穴をあける
パネルヒーターを使う場合、コードを外に出すための穴をケースの端に1か所あけておきます。
ケーブルに負荷がかからないよう、穴の位置やサイズに注意してください。
③ フタの固定対策をする
ボールパイソンは案外力が強いので、フタの固定が弱いと押しのけて逃げ出す可能性も。
必須ではありませんが、蓋の固定強化をする場合は金属クリップやバックル付きベルトなどでしっかりと固定します。
衣装ケースの構造によっては、サイドに穴を開けて簡易ロックを自作するのも良い方法です。
作業のコツと注意点
- 穴をあける際は焦げ臭くなるので換気を忘れずに
- ドリルの場合は割れ防止のため下に当て板を置くと安心
- バリやトゲが出た場合はヤスリで滑らかに整える
完成後は、一度電源を入れて温度と湿度の安定性をチェックしてから、ボールパイソンを迎えるようにしましょう。
ボールパイソンの衣装ケース自作ケージに設置すべき飼育グッズ

衣装ケースをケージとして使う場合も、基本的な飼育グッズは市販ケージと同様に必要です。
最低限そろえておきたいアイテムと、その設置のポイントを解説します。
床材
ボールパイソンの飼育では、保湿性や掃除のしやすさを考慮して床材を選びましょう。
キッチンペーパーなら安価で衛生的ですが、見た目や保湿性が気になる場合はヤシガラ土やアスペンチップもおすすめです。
※詳しくは関連記事「ボールパイソンの床材まとめ」にて紹介

シェルター
狭くて暗い場所を好むボールパイソンにとって、シェルターは落ち着ける場所として必須アイテムです。
100円ショップのプラ容器やタッパーに出入り口を切り抜いた簡易シェルターでも代用可能です。
シェルターはどんなサイズ買ったらいいか迷って、スドーハープクラフト ロックシェルターSP XL RX-196にした
— アヌぅ(たもも) (@anucalmo) May 10, 2025
螺旋の体重が734グラムで中に入るとわりとみちみち
これ以上成長したらワンサイズ大きくするというひとつの基準になった#ボールパイソン pic.twitter.com/hjl9JsAFHN
水入れ
脱水や脱皮不全を防ぐため、水入れは常に設置しましょう。
ひっくり返されにくい重さと安定感のあるものがおすすめです。
浅めの陶器や小さな植木鉢皿などが代用可能です。
ラナちゃん(約1.7kg)隠し撮りしたら水入れに浸かってました🐍
— てとら (@bluewhite86410) July 17, 2023
シューズケースを水入れにしてみたけど狭そう……やっぱりモカくんたちと同じケース&洗面器が良いかな😂#ボールパイソン #モハベウルトラメル pic.twitter.com/nF0jMYX4Gw
温度・湿度計
目視できる温湿度計を1つは設置しておきましょう。
できれば温度センサー付きのデジタルタイプで、ケージ内の数値を正確に把握できるものが理想です。
衣装ケースの内壁にマグネットやフックで取り付けると管理しやすくなります。
ボールパイソンの温度と湿度管理については以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

パネルヒーター
底面に敷くタイプのパネルヒーターは、冬季の保温に必須です。
ケースの1/3〜1/2程度を温めるように設置し、「暖かい場所」「涼しい場所」を作ってパイソンが選べるようにしましょう。
ヒーターの上に断熱シートを敷いて熱がこもりすぎないようにするのも効果的です。
このように、衣装ケースでも十分にボールパイソンの快適な環境を再現できます。
必要最小限の設備をしっかり揃えることで、安価ながらも安全な飼育が実現します。
ボールパイソンの飼育ケージレイアウトについては以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

まとめ|衣装ケースでも快適な環境は作れる!
ボールパイソンの飼育において、衣装ケースは「安くて便利な代用品」ではなく、アイデア次第で市販ケージにも劣らない優秀な選択肢です。
コストを抑えながら、通気・保温・湿度などの管理が自分好みに調整できる点は、むしろ衣装ケースならではの大きなメリットといえるでしょう。
もちろん、フタの固定や通気穴の加工、コードの取り回しなど、安全面の工夫は必要ですが、DIYの難易度は比較的低く、初心者でも十分に挑戦可能です。
成長に合わせてケースを買い替える運用も現実的で、柔軟性にも優れています。
「市販ケージはまだ早い」「まずは気軽に飼育を始めたい」という方は、ぜひ衣装ケースケージという選択肢を検討してみてください。
工夫次第で、ボールパイソンにとって快適な住まいをしっかり作ることができます。