ボールパイソンの飼育において、意外と悩ましいのが「床材選び」です。
見た目や価格だけで決めてしまいがちですが、実は健康や衛生管理に大きく影響する重要なポイントでもあります。
初心者の方には「とりあえずキッチンペーパーや新聞紙でいいのかな?」と思われるかもしれませんが、成長に応じて適切な床材を使い分けることで、脱皮不全やダニの発生、においなどのトラブルを防ぐことができます。
この記事では、ボールパイソンに使われる主な床材の種類ごとのメリット・デメリットを解説し、初心者から上級者まで納得できる床材選びをサポートします。
ボールパイソンの床材の役割

ボールパイソンにとって床材は、ただ敷いてあるだけのものではありません。
選ぶ素材によっては、健康状態や飼育環境の安定性に大きな影響を与える重要な存在です。
具体的には、以下のような役割を担っています。
清潔を保つための吸水・吸臭機能
糞尿や脱皮の皮などを吸収し、悪臭や病原菌の発生を抑える役割があります。
キッチンペーパーやペットシーツのような使い捨てタイプは特に衛生的です。
ケージ内の雰囲気を整えるビジュアル効果
ヤシガラ土やハスクチップなどの自然素材を使えば、熱帯環境を模した見た目を演出することができます。
観賞性を高めたい方には重要なポイントです。
潜る・隠れるといった習性への対応
ボールパイソンは臆病な性格で、狭いところに潜って安心したがる傾向があります。
ある程度の深さの床材があれば、簡易的な隠れ家としても機能します。
温度や湿度の調整補助
保温や保湿といった面でも床材は役立ちます。
たとえばヤシガラ系の素材は湿度を保ちやすく、乾燥防止に適しています。
一方で、床材が湿りすぎると蒸れやダニの原因になることもあるため、選び方と使い方のバランスが重要です。
ボールパイソンの床材おすすめ6選

キッチンペーパー|初心者に最もおすすめ
キッチンペーパーは清潔・安価・管理が簡単という三拍子揃った床材です。
特にボールパイソンを飼い始めたばかりの方や、拒食・体調不良の個体を管理する際に重宝されます。
水入れひっくり返して、
— あずこさん🌷🐾 (@1grapeblood1) April 22, 2024
ビチャビチャになってたので
キッチンペーパー新しいのに
変えました😊🙌🏻💖
写真じゃ上手く伝わらない、
この綺麗さ✨
今日新しい入れ物買ってくるから
待っててね🎶
元気いっぱい‼️
(@DEU_Reptiles)#DEUReptiles#ボールパイソン #爬虫類女子 pic.twitter.com/1zHboAqtcS
吸水性が高く、汚れた部分だけを交換すればいいので手間も最小限です。
ただし、見た目が味気ない点や、活発な個体ではペーパーをめくってしまうことがあるため、固定する工夫が必要になる場合もあります。
ペットシーツ|吸水力と手軽さを両立
ペット用に作られたシーツタイプの床材は、キッチンペーパーよりもさらに吸水性が高く、匂いも抑えやすいのが特徴です。
特に尿量が多い個体や、湿度管理が難しい環境では有効です。
今日はシェルターじゃなくてペットシーツの下でくつろぎたい螺旋
— アヌぅ(たもも) (@anucalmo) May 10, 2025
ペットシーツの下は温度とか湿度が不安なのよね#ボールパイソン pic.twitter.com/0FZ9V1mzfV
使い捨てなので衛生的ですが、コストがやや高くなる点と、爪や体にフィルムが引っかかるリスクがあるため、使用前に素材の確認を行うと安心です。
新聞紙|コスパ重視の簡易床材
新聞紙はコスト重視の飼育者にとって強い味方です。
大量に入手でき、使い捨ても簡単なので、複数飼育にも向いています。
遂に、お迎えしてしまった…
— トシオヤジ (@4KfkOgDoVojddHA) April 29, 2023
人生初のお迎えです。
トロピカルジェムさん、ありがとうございます😊安心して購入出来ました🤩
ペットシーツはあるけど新聞紙が良いという事でしたので早速道新買って帰りました笑。
これからが楽しみだ☺️#トロピカルジェム#ボールパイソン pic.twitter.com/OCUU9Tvkmu
ただし、インクの色移りや独特のにおい、見た目の悪さが気になる場合もあります。
また湿気を吸ってベタつくこともあるため、定期的な交換が欠かせません。
広葉樹チップ|消臭性と見た目を両立した人気素材
広葉樹を原料としたチップタイプの床材は、ボールパイソン飼育者に人気があります。
適度な通気性と吸臭性を兼ね備えており、フンや尿のにおいを抑える効果も期待できます。
前回のうんこが24日だったんで実質一ヶ月ぶり
— !N4 (@1_7_ina) June 22, 2024
その時の139.8gからするとボチボチの成長具合ではないでしょうか
ペットシーツが残り1枚になったんでお試しで広葉樹ウッドチップ#ボールパイソン pic.twitter.com/3Fp0xeVKtB
見た目も自然で、ケージのビジュアルにこだわりたい方にもおすすめです。
ただし、細かいチップが口や排泄口に入り込まないよう注意が必要です。
餌の際に口に入るのが心配な場合は、給餌時だけペーパーに変更する方法もあります。
ヤシガラ土・ハスクチップ|湿度を保ちやすいが管理はやや上級者向け
湿度保持に優れた素材として知られるのが、ヤシガラ土やハスクチップです。
特に冬場の乾燥しやすい季節や、湿度の高い環境を好む個体には適しています。
我が家で今1番お気に入りのケージ。スパイラルパーチとフェイクグリーンが醸し出す密林感。床材は消臭効果抜群で取り換えも簡単なハスクチップ。シェルターは苗ポットを切ったので数十円。なかなかに機能性とデザイン性のバランスが取れたレイアウトでは!?次はバックボードかな🤔#ボールパイソン pic.twitter.com/Ck3WX6Pgwd
— 関札皓太🦎Kota Sekifuda (@sarufuda) July 26, 2021
また、床に敷くことで保湿効果を得られ、脱皮不全の予防にもつながります。
ただし、水分を含んだ床材はダニやカビの温床になることもあるため、定期的な交換やよく換気された飼育環境が必要です。
人工芝|繰り返し使えてコスパ良好
爬虫類用に販売されている人工芝は、洗って再利用できることから、コストパフォーマンスに優れた床材です。
見た目にもグリーンが映え、観賞性を重視する飼育者にも支持されています。
パネヒ無い所はペットシーツon人工芝にしました🐍
— のたま。🦈 (@kyn_em) February 9, 2021
きゃわ🐍💕#ボールパイソン pic.twitter.com/nxSjA7d9P3
一方で、フンが繊維の間に入り込みやすく、定期的に丸洗いしなければ衛生面に不安が残ります。
複数枚をローテーションで使用すると管理がしやすくなります。
床材名 | 清潔さ | 吸水性 | 湿度調整 | 見た目 | 誤飲リスク | 管理の手間 | コスト感 | おすすめ度 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
キッチンペーパー | ◎ | ◎ | × | △ | ◎ | ◎ | ◎ | ★★★★★ |
ペットシーツ | ◎ | ◎ | × | △ | ◎ | ◎ | △ | ★★★★☆ |
新聞紙 | ○ | ○ | × | × | ◎ | ◎ | ◎ | ★★★☆☆ |
広葉樹チップ | ○ | ○ | △ | ◎ | △ | ○ | ○ | ★★★★☆ |
ヤシガラ土 | △ | ○ | ◎ | ◎ | △ | △ | △ | ★★★☆☆ |
ハスクチップ | ○ | ○ | ◎ | ◎ | △ | △ | △ | ★★★★☆ |
人工芝 | ○ | △ | × | ◎ | ◎ | △ 洗浄必要 | ○ | ★★★★☆ |
床材を組み合わせて使う方法

ボールパイソンの飼育では、1種類の床材だけで完結させる必要はありません。
それぞれの床材のメリットを活かして、部分的に使い分けることで、より快適で実用的な飼育環境をつくることができます。
組み合わせの一例
- メイン床材:
ヤシガラ土/チップ類
ケージ全体に敷いて自然な見た目や湿度保持を確保。 - 給餌エリア:
キッチンペーパー/ペットシーツ
給餌時のみ一時的に個体を移して与えることで、誤飲リスクを防止。 - シェルター内:
キッチンペーパーや新聞紙のみ敷く
湿度や汚れの管理がしやすく、衛生的。 - トイレ習慣がある個体には:
角の一部だけペットシーツを敷く
排泄の傾向が読める場合、そこだけ吸水性の高い素材にしておくことで、掃除が楽に。
組み合わせのメリット
- 飼育環境にメリハリがつき、管理がしやすくなる
- 床材の消耗が抑えられ、コストパフォーマンスも向上
- 飼育者の作業負担を軽減できる
- 飼育個体の行動パターン(排泄・潜りなど)に合わせて柔軟に対応可能
「こうしなければならない」という正解がないのが床材の良さでもあります。
自分のボールパイソンの性格や好みに合わせて、オリジナルの床材レイアウトを工夫してみるのも、飼育の楽しみのひとつです。
床材を選ぶ際の注意点と避けたい素材

床材を選ぶときは、単に見た目や値段だけで決めてしまうと、ボールパイソンの健康に悪影響を与える可能性があります。
ここでは特に注意しておきたいポイントや、避けた方が良い床材を解説します。
誤飲・誤食のリスクに注意
チップや粉状の床材は、餌と一緒に口に入ってしまう危険があります。
とくに活餌や冷凍マウスを床に置いて給餌する場合、口に入ったチップが腸閉塞や消化不良の原因になることもあります。
対策としては、給餌時だけ別容器やキッチンペーパーの上に移す方法や、誤飲のリスクが低いペーパー類での飼育がおすすめです。
湿度とダニ・カビの管理バランス
湿度を保ちやすいヤシガラやハスクチップなどの床材は便利ですが、通気性が悪くなるとダニやカビの温床になりやすくなります。
こまめな清掃や通気性の確保、清潔な環境管理が重要です。
もし床材表面にカビや白い粉状のものが見られたら、すぐに全交換を検討してください。
針葉樹チップは避けた方が無難
一見すると広葉樹チップと似ていますが、針葉樹(パイン・スギなど)のチップは避けるべき素材です。
これらにはフェノール類と呼ばれる成分が含まれており、長期的に飼育個体の肝臓にダメージを与える可能性が指摘されています。
「安価だから」と使うのではなく、安全性の確認された素材を選びましょう。
よくある質問(Q&A)

Q. 針葉樹チップは本当にダメなの?
A. 完全にNGとは言えませんが、含まれる「フェノール類」が爬虫類の肝臓に負担をかけるリスクがあります。
代わりに広葉樹のチップを選ぶ方が安心です。
Q. ヤシガラやハスクチップは毎日交換しないといけない?
A. 毎日の全交換は不要ですが、部分的な清掃と定期的な全交換(週1〜2回)が理想的です。
臭いや湿気が気になるなら交換タイミングの目安になります。
Q. 床材を使わず、ガラス底のままでも飼えますか?
A. 可能ですが、滑りやすく、排泄物の処理が難しくなるためおすすめできません。
ペーパー類など最低限の敷材は使用しましょう。
Q. 飼っている個体が床材を頻繁に掘り返すのですが問題ですか?
A. 掘るのは自然な行動です。
ただし頻繁すぎる場合は「床材が合っていない」「落ち着ける隠れ場所が足りない」可能性があります。
まとめ|迷ったら安全性と管理のしやすさで選ぼう
ボールパイソンの床材選びは、見た目や価格だけでなく、清潔さ・湿度・誤飲リスクなど多くの要素が関わってきます。
初心者の方には、キッチンペーパーやペットシーツのような扱いやすい床材から始めるのがおすすめです。
慣れてきたら、広葉樹チップやヤシガラ土などの自然素材に挑戦し、環境に応じた組み合わせも試してみましょう。
床材は、単なる敷き物ではなく「飼育環境を整えるためのツール」です。
正しい選択と使い方で、ボールパイソンとの快適な生活を楽しんでください。