クレステッドゲッコーは、豊富なモルフ(色や模様のバリエーション)が魅力のひとつですが、その中でもとりわけ神秘的で幻想的な印象を与えるのが「ホワイトナイト」というモルフです。
その名の通り、白く澄んだボディと滑らかな発色が特徴で、「まるで光の中から現れたような存在感」が、多くの飼育者やブリーダーを惹きつけています。
この記事では、ホワイトナイトの特徴や見た目の魅力に加えて、誕生の背景や遺伝的なポイント、価格相場、繁殖における注意点などをわかりやすく解説します。
ホワイトナイトの魅力をもっと深く知りたい方や、実際にお迎え・繁殖を検討している方にも役立つ情報をまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。
クレステッドゲッコーの飼育方法総合まとめについてはこちらを参照してください。
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クレステッドゲッコーのホワイトナイトとは?
ホワイトナイトは、クレステッドゲッコーの中でも特に明るく、美しく仕上がるモルフとして知られています。
名前の通り「白い騎士」を思わせるような、優雅で気品ある見た目が最大の特徴です。
特徴・魅力
ホワイトナイトの体色は、クリームホワイト〜乳白色系の地色に淡い模様が浮かぶ個体が多く見られます。
光の加減や湿度によって発色が微妙に変わることもあり、見ていて飽きのこない魅力があります。
ピックアップセール対象の生体です!
— 爬虫類ショップ マニレプ スタッフの呟き (@manirepustaff) December 7, 2019
クレステッドゲッコー
“ホワイトナイト”♀
脱皮前?と思うくらい、かなり色が白い個体です!
ギュッとコルクを掴んでいるのが可愛いですね( ¨̮ ) pic.twitter.com/Dt2MIGI86V
白系モルフは一般的に「黄ばみ」や「くすみ」が出やすいのですが、ホワイトナイトは比較的色の安定感が高く、美しい白を保ちやすいという点でも人気があります。
また、「ファントム」や「リリーホワイト」との掛け合わせなど、他モルフとの相性も良く、ブリード素材としての可能性も広がるモルフです。
性格や大きさ・餌の他のモルフとの違い
見た目に特徴がある一方で、性格や大きさ、餌など飼育方法は他のクレスと変わりません。
基本的には温和で夜行性、小柄なヤモリで、人工飼料と昆虫のミックスで健康的に育てられます。
ただし、ホワイトナイトのような「白系モルフ」は特にケージ内の汚れや糞便による体色の変化(染みつき)が目立ちやすいため、清潔な環境を維持する意識がより重要になります。
ホワイトナイトはどうやって生まれた?モルフの成り立ちと交配の背景

ホワイトナイトは、比較的新しいモルフでありながら、すでに国内外で高い注目を集めています。
その誕生の背景には、リリーホワイト系統やホワイトウォール系の遺伝子が関係している可能性があると考えられています。

ただし、モルフ名としての「ホワイトナイト」はまだ明確な遺伝パターンが完全に解明されているわけではなく、ビジュアル重視で流通している側面が強いという点に注意が必要です。
明確な遺伝型ではなく“表現型”で区別されることも
ホワイトナイトの多くは、「白っぽく見える特徴的な体色」をもとに識別されており、遺伝的に完全に固定されたモルフとは言い切れない場合もあります。
そのため、ブリーダーによっては「ホワイトナイト風」や「ホワイトナイト系」といった表記で販売することもあり、見た目の印象だけで判断するのは避けたいところです。
リリーホワイトとの交配や注意点
白系のモルフとして人気の「リリーホワイト」との交配は、ビジュアル面では非常に相性が良く、美しい個体が多く生まれます。
しかし、リリーホワイト×リリーホワイトの交配には致死遺伝子(リリーリリー問題)が関わる可能性があるため、ホワイトナイトにも同様の注意が必要かどうかは慎重に検討するべきテーマです。
現時点ではホワイトナイト×ホワイトナイトのリスクに関する確固たる報告はありませんが、遺伝情報がまだ不透明な段階では、無理な掛け合わせは避けるのが安全です。
初心者にも扱えるが「情報に強い人向け」
ホワイトナイトは基本的な飼育が難しいモルフではありません。
しかしその成り立ちや流通事情を考えると、情報収集がしっかりできる中〜上級者向けといった側面もあります。
初心者の方がお迎えする場合は、信頼できるブリーダーから、きちんと遺伝背景を確認したうえで購入することが大切です。
ホワイトナイトの価格相場と購入時のチェックポイント

ホワイトナイトはその美しさと希少性から、まだまだ市場での流通が少なく、価格はやや高めで推移しています。
ただし、近年は国内でも徐々に繁殖されるようになり、入手のハードルも少しずつ下がってきました。
ホワイトナイトの価格相場(2025年現在)
販売価格は5万円〜15万円前後が目安となっています。
個体によっては、白の発色が特に美しく整っているものや、リリーホワイト系統との掛け合わせで印象的な見た目を持つものは、20万円近くの高値になることもあります。
一方で、「ホワイトナイト系」や「ホワイトナイト表現個体」など、明確な血統保証のない個体は3万円台での販売例もあります。
価格と血統情報のバランスを見て判断することが重要です。
購入時のチェックポイント
ホワイトナイトはビジュアル系モルフであるため、見た目がすべてのように思われがちですが、購入時は以下の点をしっかり確認しましょう。
- 本当にホワイトナイトか?
血統にホワイトナイトとされる親がいるか、表現型だけで判断されていないか確認しましょう。 - 健康状態は良好か?
目や皮膚、尾などに異常がないか。脱皮不全や弱々しい印象がないかを確認。 - 販売者の信頼性
ブリーダーの実績や飼育環境を確認することで、モルフとしての正確性や飼育歴の信頼度が上がります。
「白系モルフ」は特に写真映えするため注意
SNSやECサイトではホワイトナイトの魅力的な写真が多く出回っていますが、実物とは発色が異なるケースもあります。
できれば実物を見て購入するか、動画で確認できる販売元を選ぶと安心です。
クレステッドゲッコーのホワイトナイト|繁殖・作り方は?

ホワイトナイトは、その美しい白系の表現からブリード素材としても注目されていますが、遺伝パターンがまだはっきりとは確定していない点に注意が必要です。
表現型中心で語られるモルフ
現在、ホワイトナイトというモルフ名は、明確な遺伝型よりも「見た目の完成度」に基づいて分類されている傾向があります。
そのため、ホワイトナイト同士の交配で必ずしも同様の表現が再現されるとは限らず、安定したブリードには時間と選別が必要です。
ペアリングの考え方
ホワイトナイトの魅力を引き出すには、以下のような組み合わせが考えられます:
- ホワイトナイト × ホワイトナイト
同様の白系表現が出る可能性があるが、まだ安定していないため個体差が大きい。 - ホワイトナイト × ダルメシアン/パターンレスなど
白地にコントラストの効いた模様が入る可能性あり。ビジュアル重視のブリーディング向け。 - ホワイトナイト × リリーホワイト
白×白の幻想的な個体になる反面、リリーホワイトに致死遺伝子が関わる可能性があるため要注意。
健康面への配慮
白系モルフ全般に言えることですが、視覚的な美しさを重視するあまり、体質の弱い個体が選抜されやすくなるリスクがあります。
ホワイトナイトの繁殖でも、見た目だけでなく健康・食欲・成長速度をしっかり観察し、丈夫な個体を親に使うことが大切です。
ブリーダーとして意識すべきポイント
- 販売時には血統・親個体の情報を明確に提示する
- 表現型が安定していないことを正直に説明する
- 過剰な美化・過剰表現に陥らず、誠実な繁殖と販売を心がける
ホワイトナイトはまだ進化途中のモルフです。
だからこそ、誠実で透明性のある繁殖スタイルが信頼を生むカギになるでしょう。
まとめ
クレステッドゲッコーのホワイトナイトは、白く優雅な見た目が魅力の新しいモルフとして注目されています。
かつては流通が少なく希少性も高かったですが、現在は国内ブリーダーの努力により、徐々に市場にも出回るようになってきました。
その一方で、ホワイトナイトはまだ遺伝的な情報が不確定なモルフでもあります。
見た目が美しいからといって安易に繁殖を試みるのではなく、背景にある遺伝や健康リスクもふまえたうえで向き合うことが大切です。
初心者でも飼育は可能ですが、購入時には血統や販売元の信頼性を確認し、安定した飼育環境を整えることを意識しましょう。
これからさらに研究と繁殖が進めば、ホワイトナイトは“白系モルフの代表格”として確固たる地位を築く可能性を秘めています。
美しさの裏にある奥深さを知り、正しい知識で魅力を楽しんでいきましょう。