レオパ(ヒョウモントカゲモドキ)には、さまざまな美しいモルフ(品種)が存在します。
その中でも「アルビノ」は、赤い目とやさしい色合いが特徴で、多くのファンを魅了しています。
この記事では、レオパのアルビノモルフの特徴や種類、価格相場、飼育時の注意点などを詳しく解説します。
アルビノとはどんなモルフ?
レオパにおける「アルビノ」とは、体色のメラニン色素が欠損または抑制されることによって、明るく淡い色合いの体と、透けるような赤い目を持つモルフの総称です。
ただし、私たちが一般にイメージする“完全なアルビノ”とは少し違います。
たとえば哺乳類のアルビノは「チロシナーゼ」という酵素が働かず、真っ白な体色や視覚障害を伴うことが多いです。
しかし、レオパのアルビノの場合はこの酵素が完全には欠損していない「チロシナーゼ・ポジティブ・アルビノ」と呼ばれるタイプであり、完全な白色にはならず、視力も比較的しっかりしています。
アルビノレオパは、黄色やピンク、オレンジといった淡く温かみのある体色が特徴で、どこかやさしい印象を受けます。
【お迎え報告🦎】
— 和泉まみ@生き物 🐶🐰🐭🐹🦜🦔🐢🐍🦎🦞🐟 (@LP_izumimami) February 11, 2019
アンペポ名古屋にて、レオパのアルビノ🦎
レオパ増やすとは自分でも思ってなかったけど、脱皮中のまま並んでるこの子が、なんだかすごく可愛く見えて、迷わずお迎えでした!
帰ってきた頃には脱皮も綺麗に終わってて、美しい〜😋
ワンマン終わってからちゃんとセッティングだ!🏠 pic.twitter.com/i5CX9qw4Oy
また、赤く透けた目は光の当たり方によって見え方が変わり、見る角度によって独特の雰囲気を感じさせます。
こうした魅力的な見た目から、アルビノ系はモルフの中でも非常に人気があり、初心者から上級者まで幅広い層に支持されています。
レオパのアルビノ系モルフの種類と違い
レオパのアルビノには、遺伝的に独立した3つの系統があります。
それぞれ見た目や性質が異なり、交配してもアルビノの特徴が出ない「非互換性」の関係にあります。
そのため、どの系統かを正確に把握することがとても重要です。
以下では、各系統の特徴を紹介します。
トレンパーアルビノ(Tremper Albino)
レオパ、トレンパーアルビノ!冷凍コオロギ食べてます。活き餌に抵抗のある方でも飼いやすい子です!#ワイルドファミリー #レオパ #爬虫類 #爬虫類好きと繋がりたい https://t.co/ERrE39R4gc pic.twitter.com/9FEqxwCnX8
— Kennyワイルドファミリー店 (@qazwqzwsdexfe) June 16, 2023
1996年に最初に発見されたアルビノで、最も歴史があり流通量も多い系統です。
体色は黄〜オレンジ系で、個体によっては背中に明るいブラウンの模様が出ることもあります。
目はやや透けた赤褐色をしており、光に当てるとほんのり赤みが感じられます。価格も手頃で、初心者向けの個体としても人気があります。
ベルアルビノ(Bell Albino)
先日お迎えしたレオパのベルアルビノ♀ですが、常に首をあげていて、上を向いています。神経障害でしょうか…?だとしたら、飼育するにあたり気をつけた方が良いことを教えてください🙇♀️🙇♀️ pic.twitter.com/HOTTQFXcgW
— ゆう (@kero030405) September 25, 2023
トレンパーに次いで有名なアルビノ系統で、赤目が強く出やすいのが特徴です。
体色には淡いピンクやラベンダー調の色味が入りやすく、全体的に明るく柔らかい印象を受けます。
目の色が最も赤くなりやすいことから、「真っ赤な目=ベル」と覚える人も多いです。
レインウォーターアルビノ(Rainwater Albino)
今年家で生まれたレオパ。レインウォーターアルビノ。ハードマニアの方々からしたらどうってことないレベルですが、レオパ初心者の私としては良い仕上がりに思えます😊 pic.twitter.com/wjBACfHnd2
— 和象亀 (@wazouki) July 17, 2022
別名ラスベガスアルビノとも呼ばれる系統で、他のアルビノよりもやや小柄で、体色は淡いクリーム色〜グレージュ系の傾向があります。
目の赤さは控えめで、体全体に落ち着いた色調が出るため、派手すぎないモルフが好きな方に好まれます。
いずれも「アルビノ系」であることには変わりありませんが、
・体色の傾向
・目の色の赤さ
・サイズ感や雰囲気
などで違いがあり、実際の見た目や好みによって選ばれています。
なお、これらの系統は遺伝的に別物であり、たとえばトレンパー×ベルではアルビノの特徴が出ません。
繁殖目的であれば、同系統同士でペアリングする必要があるため、出自の確認が大切です。
アルビノのレオパ|価格相場

アルビノ系のレオパは、流通量が多く、モルフとしての認知度も高いため、比較的入手しやすい価格帯が揃っています。
ただし、モルフの系統やグレード、さらに他モルフとの掛け合わせ(コンボモルフ)によって、値段は大きく変動します。
まず、基本的な価格相場の目安は以下のとおりです。
- トレンパーアルビノ:5,000円〜15,000円
最もポピュラーで、販売数も多いため価格は安定しており、比較的手頃です。 - ベルアルビノ:15,000円〜30,000円
赤目の発色が強いことから人気があり、流通量はやや少なめ。ブリーダーのこだわり個体になるとさらに高額になることも。 - レインウォーターアルビノ:10,000円〜25,000円
希少性があり、やや高めの価格帯が多いです。
レインウォーター系は見た目の上品さから、愛好家の間でじわじわと人気が広がっています。
さらに、これらのアルビノに別モルフを掛け合わせたコンボ個体(例:スノーベルアルビノやドリームシクルなど)になると、価格は30,000円〜10万円以上に跳ね上がることもあります。
また、「赤目がどれくらい強く出ているか」や「模様の美しさ」など、見た目の個体差によっても値段が前後します。
同じトレンパーアルビノでも、グレードによって1万円台と3万円台で分かれることも珍しくありません。
レオパのアルビノを飼育時に注意すべきポイント

アルビノ系のレオパは、基本的に他のモルフと同じように飼育できます。
特別な知識や高度な技術が必要というわけではなく、初心者でも安心してお迎えできるモルフです。
ただし、いくつか注意すべきポイントがあります。
光に敏感な個体がいる
アルビノは色素が少ないため、目が透けて赤く見えるのが特徴ですが、この赤い目は光に対してやや敏感な傾向があります。
すべての個体がそうというわけではありませんが、強い照明や直射日光を嫌がるケースもあります。
ケージには明るすぎない照明を使い、必ずシェルターを複数用意して、暗く落ち着ける場所を確保してあげましょう。
シェルター内でじっとしていることが多いのは自然な行動です。
ケージ環境や温度管理は通常と同じでOK
アルビノであっても、レオパの基本的な飼育環境(温度、湿度、床材、エサの内容など)は通常のレオパと同じで問題ありません。
温度はホットスポット30℃前後、クール側25℃前後をキープし、床材は掃除しやすいキッチンペーパーやペットシーツでも十分です。
繁殖を考えるなら「同系統のアルビノ」で
アルビノ系モルフは、「トレンパー」「ベル」「レインウォーター」という3系統が互換性なしという特殊な特徴を持っています。
たとえばトレンパーとベルを交配しても、子にアルビノの特徴は現れません。
繁殖を考えている場合は、親同士が同じアルビノ系統であることを確認しておく必要があります。
モルフ名があいまいだったり、親の系統が分からない個体を繁殖目的でお迎えするのは避けた方がよいでしょう。
レオパのアルビノでよくある誤解と注意点

アルビノ系のレオパは人気の高いモルフですが、初めて飼育する人や情報が不確かな場合、誤解されがちなポイントがいくつかあります。
ここでは代表的な勘違いや注意点をまとめておきます。
「アルビノ=真っ白」は誤解
レオパのアルビノは、いわゆる「真っ白な体色」ではありません。
淡い黄色やピンク、オレンジなどのやさしい色合いが多く、「白さ」を求めると拍子抜けするかもしれません。
特にスノー系やブリザード系と混同されやすいため、見た目だけで判断せず、モルフ名の確認が大切です。
アルビノの3系統は見た目が似ていても遺伝的には別物
トレンパー・ベル・レインウォーターの3系統は、それぞれ異なる遺伝子型で成立しています。
たとえばトレンパー×ベルを掛け合わせてもアルビノの子どもは生まれず、いわば「ヘテロ(保因者)」として生まれてきます。
つまり、外見は普通でも遺伝的にアルビノを持っている可能性があるということです。
そのため、モルフの遺伝的背景が明確でない個体を安易に繁殖させると、目的と違った個体が出てしまうことがあります。
「ワイルド」「野生採集」と誤解されがちな販売表記に注意
ペットショップやネット販売では、時に「ワイルドタイプ」や「ノーマル」といった記載がある場合があります。
中には、見た目が原種(野生型)に似ているだけで、実際には繁殖されたアルビノ系統の一種であることもあります。
とくに「ワイルド=野生採集個体」と誤解しやすい表現ですが、現在流通しているレオパのほとんどは繁殖個体です。
購入の際は、単なる見た目の分類なのか、正確な遺伝背景なのかをショップやブリーダーに確認することをおすすめします。
まとめ
レオパのアルビノは、赤い目と淡い体色が特徴の美しいモルフで、初心者から上級者まで幅広く人気があります。
アルビノには「トレンパー」「ベル」「レインウォーター」の3系統が存在し、それぞれ見た目や遺伝的特徴が異なるため、繁殖時には同系統同士で掛け合わせる必要があります。
飼育自体は他のモルフと変わらず難しくありませんが、目がやや光に敏感な個体がいるため、照明の強さやシェルターの配置には少し配慮が必要です。
また、見た目がノーマルに近いことから「ワイルド個体」と誤解されるケースもありますが、現在流通しているアルビノレオパのほとんどはブリード個体です。
正しい知識をもってお迎えすれば、アルビノは非常に魅力的で飼いやすいパートナーになるでしょう。