川や池など自然の多い環境ではクサガメを見かけることも決して珍しくありません。
しかし、クサガメを見つけたらどうすればいいんだろう?と言う疑問が沸きあがることもあるでしょう。
クサガメは、身近な場所に生息しているカメとして知られていますが、実は外来種という見方が強まっており、クサガメを川や公園で見つけたとき、安易な行動は生態系に悪影響を与える可能性があります。
であれば、地域の適切な施設への通報は必要なのでしょうか。
また子どもが「飼いたい」と言った場合連れて帰ることは可能なのか。
この記事では、クサガメを見つけた際の適切な対応、放流が推奨されない理由、通報の必要の有無、飼育を検討する際の注意点などについて詳しく解説しますので、クサガメとの適切な付き合い方を学び、外来種問題について考えてみましょう。
クサガメは外来種?知っておくべき生態と在来種との違い

かつて在来種とされていたクサガメですが、現在では外来種としての見方が有力です。
クサガメは、江戸時代後期に朝鮮半島から移入されたと考えられており、日本各地に定着していることで、在来種であるニホンイシガメとの交雑が問題視され、交雑種であるウンキュウも繁殖能力を持つため、純粋なイシガメが減る要因となっています。
クサガメのDNAは各地で均一なので、近年になって日本に入ってきたことを示唆しており、クサガメの化石や遺跡からの出土例がないことも、外来種である可能性を裏付けています。
クサガメを見つけたらどうする?
クサガメを野外で見つけたら、一見おとなしそうに見えますが、不用意に触ると噛み付くこともありますので、むやみに捕獲したり、移動させたりすることは避けるべきです。
クサガメを見つけたら、基本的には通報の義務はありませんが、自治体や環境保護団体が外来種に関する情報を収集している場合があるので、必要に応じて連絡を検討しましょう。
特に、公園や公共の池などでクサガメが多数生息し、在来種の生態系に悪影響を与えている場合は、報告することで適切な対応が取られる可能性があります。
クサガメの飼育を検討するための責任と法規制
親子で川や池の周辺を散歩していたらクサガメを見かけて子どもが「飼いたい」という事もあるでしょう。
クサガメの飼育は現時点では禁止されているわけではありませんが、クサガメを飼育する場合は、安易な気持ちで飼育し始めるのではなく、責任をもって飼育できるか、よく検討する必要があります。
クサガメの寿命は長く、長年共に生活することになりますが、飼育が困難になった場合でも、安易に野外へ放つことは絶対にしないようにし、やむを得ず手放す場合、無償譲渡という手段もありますが、譲渡先も責任をもって飼育してくれるか確認する必要があります。
外来生物法では、輸入、販売を目的とした飼育は規制対象となる場合がありますので、今後、クサガメが規制対象となる可能性も考慮し、飼育環境を整えるようにしましょう。
クサガメは、終生飼養の義務があるわけではありませんが、一度飼い始めたら、できる限り最後まで面倒を見るように努めるべきでしょう。
まとめ
クサガメは、身近な存在ですが、外来種としての側面も理解しておく必要があり、クサガメを見つけた際は、安易な行動を避け、適切な対応を心がけましょう。
クサガメの放流は、法律で罰則の対象となるわけではありませんが、外来種問題の観点から問題のある行為であり、避けるべきです。
どうしても飼育できない場合は、専門機関や動物愛護団体などに相談しましょう。
クサガメをはじめとする外来種問題は、私たち一人ひとりの意識と行動によって、被害を最小限に抑えることができますので、クサガメを見つけても、基本的には通報の必要はありませんが、必要に応じて関係機関に情報提供することは有効です。