ヒョウモントカゲモドキの野生の生態について徹底解説!

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ヒョウモントカゲモドキ、通称「レオパ」は、ペットとして非常に人気のあるヤモリの一種です。

人工的に繁殖された個体は人に慣れやすく、飼育も比較的しやすいため、初心者から上級者まで多くの爬虫類愛好家に親しまれています。

そんなレオパですが、実はもともと野生下に生息する爬虫類です。

この記事では、レオパの「野生での姿」に焦点を当て、どこに生息しているのか、どんな暮らしをしているのか、そしてペットとしてのレオパとは何が違うのかを詳しく解説していきます。


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目次

レオパの野生での生息地とは?

ヒョウモントカゲモドキ(レオパ)は、インド北西部・パキスタン・アフガニスタンなどの乾燥地帯に広く分布しています。

標高の高い山岳地帯というよりは、乾いた草原や岩場、半砂漠のような環境を好み、日中の強い日差しを避けられるような岩陰や地面の割れ目に身を潜めて生活しています。

これらの地域は昼夜の温度差が激しく、特に日中は40℃近くまで気温が上昇することもあります。

そのため、夜行性の習性が発達し、日中は隠れ家で休み、夜になると活発に活動を始めます。

また、同じヒョウモントカゲモドキ属(Eublepharis)でも他の地域に分布する近縁種がいくつか知られており、レオパはその中でももっともポピュラーな種です。


野生下のレオパはどんな生活をしている?

野生のレオパは、完全な夜行性で、日中は岩のすき間や地面に掘った浅い穴などに潜み、身をひそめています。

気温が下がり始める夕方から夜にかけて活動を開始し、主に昆虫や小型の無脊椎動物を探して移動します。

獲物にはコオロギやバッタ、クモ、ミミズ、小型のトカゲ類などが含まれ、素早く動くターゲットを捕えるために、鋭い視覚と反応速度を活かして狩りを行います。

また、レオパは単独行動を基本とする生き物です。

他の個体とはあまり関わらず、交尾の時期以外は基本的に接触を避ける傾向にあります。

テリトリー意識はそれほど強くないものの、鉢合わせすると威嚇したり、場合によってはケンカになることも。

水はほとんど飲まず、獲物から得られる水分でまかなっていると考えられています。

ただし、時折朝露などを舐めて水分補給する姿も確認されています。


ペットと野生のレオパの違いとは?

野生のレオパと、私たちが飼育するペットのレオパでは、見た目も性格も大きく異なります。

まず外見についてですが、野生のレオパは基本的に黄褐色に黒い斑点模様を持つ「ノーマル(ワイルドタイプ)」です。

対してペットのレオパは、長年の品種改良によって「モルフ」と呼ばれる様々なカラーバリエーションが存在します。

たとえば、全身が白い「ホワイトナイト」、真っ黒な「ブラックナイト」、ピンクやオレンジ色がかった「タンジェリン」など、見た目だけでも全く別の動物のようです。

性格や行動にも違いがあります。

野生個体は非常に警戒心が強く、素早く逃げたり、威嚇したりするのに対して、ペットとして繁殖された個体は人の手に慣れやすく、おとなしく扱いやすい個体が多いです。

これは、人に触られることに対する耐性が世代交代の中で培われてきたためです。

また、野生では限られた食料や水で生きていくサバイバル能力が必要ですが、ペットのレオパは人間が温度管理・餌・水分などを完備した環境を提供しているため、行動範囲も狭く、より「のんびり」とした性格になる傾向があります。


野生のレオパは絶滅危惧種なの?

ヒョウモントカゲモドキ(Eublepharis macularius)は、現時点は絶滅危惧種ではありません

IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストにも掲載されておらず、絶滅の危険が高いとされる分類には入っていないのが現状です。

ただし、だからといって野生個体が安泰というわけではありません。

パキスタンやアフガニスタンなどの生息地では、農地開発や都市化による環境破壊、気候変動の影響が徐々に進行しており、局地的には生息環境が減少している地域もあります。

また、過去には野生個体の乱獲や輸出が問題視された時期もありました。

特に1990年代頃までは、日本や欧米へ野生個体が大量に輸入されるケースもあり、個体数への影響が懸念されていました。

現在のペット市場に流通しているレオパのほとんどは人工繁殖個体(CB:Captive Bred)であり、野生からの捕獲個体(WC:Wild Caught)はほとんど見られません。

これは、繁殖技術の向上と、野生個体の保護意識の高まりによるものです。


野生個体の輸入と保護の現状

現在、ヒョウモントカゲモドキ(レオパ)は国際的な保護対象(CITES:ワシントン条約)には指定されていません。

そのため法的には、一定の条件を満たせば輸出入が可能な種に分類されます。

しかし実際には、世界的な流通に出回っているレオパのほとんどは人工繁殖された個体(CB個体)であり、野生個体(WC個体)の流通はほぼ皆無といってよい状況です。

これは倫理的な問題に加え、輸送時のリスクや飼育の難しさ(警戒心が強く、餌付きにくい)なども影響しています。

さらに、一部の国では野生個体の捕獲や輸出に対して制限や禁止措置を設けており、違法な捕獲・密輸が摘発されるケースもあります。

こうした背景から、レオパの野生個体を入手することは現実的ではなく、また望ましいことでもありません。

近年では、愛好家やブリーダーの間でも「野生個体を守る」という意識が高まり、野生個体に負担をかけずに繁殖を楽しむスタイルが主流になっています。

ペットとしてレオパを迎える際には、信頼できるブリーダーやショップから適切に繁殖された個体を選ぶようにしましょう。

なお、ペットショップなどで「ワイルドタイプ」「ノーマル」と記載されているレオパは、見た目が野生個体と同じパターンのモルフを意味しており、実際に野生から採集された個体(ワイルド個体)ではありません。

実際の野生個体は流通がほとんどなく、販売される場合は「WC(Wild Caught)」などと明確に表記されます。

安心して飼育を始めるためにも、表記の意味を正しく理解し、CB(人工繁殖)個体を選ぶことが大切です。


まとめ

レオパ(ヒョウモントカゲモドキ)は、インドやパキスタンの乾燥地帯に生息する野生のヤモリです。夜行性で単独行動を好み、岩場や草原の中でひっそりと生きています。

現在、私たちがペットとして飼育しているレオパの多くは、長年の繁殖により人に慣れやすく改良された人工繁殖個体であり、野生個体とは性格や外見にも大きな違いがあります。

絶滅危惧種ではありませんが、野生個体の乱獲や生息地の破壊が懸念されているため、今後も野生下の個体を守る意識が重要です。レオパを迎える際は、信頼できるルートで繁殖された個体を選び、自然への配慮も忘れないようにしましょう。

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