「アルゼンチンブラックアンドホワイトテグー(通称:ブラックアンドホワイトテグー)」は、レッド・ブルー・ゴールデンといった他のテグーと比べても、最もポピュラーで飼育しやすい種として知られています。
そのモノトーンの美しい体色に加え、人に非常によく懐き、犬のような知能と愛嬌を持つことから、テグー飼育初心者にもおすすめされています。
一方で、「レッドテグーは温厚で体も大きく迫力がある」「ブルーテグーは珍しくてスタイリッシュ」「ゴールデンテグーは安価で入手しやすい」といったそれぞれの特徴も存在します。
この記事では、ブラックアンドホワイトテグーの魅力を他の代表的なテグーたちと比較しながら、その魅力や飼育ポイントを詳しく解説していきます。
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テグーの飼育方法まとめ
テグー関連記事一覧
- アルゼンチンブラックアンドホワイトテグー
白黒のコントラストが美しい、もっともポピュラーな品種です。 - レッドテグー
人に慣れやすく、初めてのテグーにも人気の赤い個体。 - ブルーテグー
希少で美しい青色のテグー。中・上級者向けです。 - ゴールデンテグー
野性味が強く観賞向き。流通数が少ない珍しい品種です。 - テグーのケージについて
成長に応じて必要なサイズやレイアウトを解説します。 - テグーの餌について
肉や野菜、給餌頻度など飼育段階ごとの食事管理。 - テグートカゲが噛む理由とは?
飛びつき・噛み癖を防ぐための工夫やしつけのコツ。 - テグートカゲはなつくの?
慣れやすい個体の特徴や信頼関係の築き方を紹介。 - テグーの寿命について
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アルゼンチンブラックアンドホワイトテグーの基本情報

アルゼンチンブラックアンドホワイトテグー(以下、ブラックアンドホワイトテグーもしくはB&Wテグー)は、南アメリカ大陸のアルゼンチンを中心に生息する大型トカゲの一種です。
テグー属の中でも最も有名で、日本国内の爬虫類ファンの間でも高い人気を誇っています。
最大の特徴は、名前の通り黒と白のコントラストが美しい体色です。
成長すると体長はおよそ100〜140cmほどになり、胴が太く、がっしりとした体格をしています。
幼体の頃はバンド状の模様が目立ちますが、成長とともに白黒のまだら模様がはっきりしてきて、より魅力的な見た目になります。
また、この種は非常に知能が高く、人間によく懐くことでも知られています。
個体差はありますが、日々のふれあいやスキンシップを通じて飼い主を認識し、寄ってきたり、名前を呼ぶと反応したりすることもあるほどです。
そのため、しばしば「犬のような爬虫類」と称されることもあります。
見た目の迫力とは裏腹に、性格は比較的温厚で、落ち着いた個体も多く、テグー初心者にとっても扱いやすい種類です。
アルゼンチンブラックアンドホワイトテグーと他のテグーとの違いは?

テグーには複数の種類が存在し、それぞれに異なる魅力があります。
中でもアルゼンチンブラックアンドホワイトテグーは、「見た目・性格・飼いやすさのバランスが取れた王道種」として、最も人気が高いです。
ここでは、他の代表的なテグーと比較しながら、ブラックアンドホワイトテグーの特徴を掘り下げていきます。
レッドテグーとの比較

レッドテグーは、名前の通り赤褐色の美しい体色が特徴的で、ブラックアンドホワイトよりもやや体格が大きめです。性格も温厚な個体が多く、「甘えん坊でスキンシップ好き」と評されることも。
ただし、成長すると非常に大きく重たくなるため、ケージや飼育環境に十分なスペースが必要です。
また、レッドは夏場に赤みが増すなど、色変化も楽しめますが、暑さにやや弱い傾向もあるため、冷房管理は必須です。
アルゼンチンブラックアンドホワイトテグーは、レッドほど巨大化せず、暑さにもやや強いため、「扱いやすさ」で勝る場面が多いと言えるでしょう。
ブルーテグーとの比較

ブルーテグーは、やや青みがかったグレーの体色とスタイリッシュなフォルムが魅力の希少種です。
市場流通量が少なく、価格は高めですが、そのぶん珍しさを求める上級者から人気があります。
性格は個体差が大きく、やや神経質で警戒心が強い個体も多い傾向にあります。
特に幼体の頃は臆病で、人馴れにも時間がかかることがあります。
一方、アルゼンチンブラックアンドホワイトテグーは、比較的早い段階で人に慣れやすく、流通も安定しているため、コストや扱いやすさの点では初心者向けといえるでしょう。
ゴールデンテグーとの比較

ゴールデンテグーは、野生採取個体が多く流通しており、他のテグーよりも価格が安価である点が魅力です。
体色は黄褐色や黒の縞模様があり、一見派手ですが、体はやや細身。
ただし、野性味が強く、人に懐きにくい個体が多いのが現実です。咬みつきや逃げようとする動きもあり、初心者がいきなり手を出すにはハードルが高い種類です。
それに比べてアルゼンチンブラックアンドホワイトテグーは、CB(繁殖個体)が豊富で慣れやすく、気性も穏やかなため、ペット向きとしては明確な差があります。
アルゼンチンブラックアンドホワイトは「ちょうどいい」選択肢
それぞれのテグーに個性がありますが、総合的に見るとアルゼンチンブラックアンドホワイトテグーは「中庸」でありながらも高い完成度を誇る種類です。
- 飼いやすいサイズ感
- 人懐っこい性格
- 入手のしやすさと価格のバランス
- 丈夫で適応力が高い
これらの特徴から、初心者から中級者まで幅広い層におすすめできるテグーだといえるでしょう。
アルゼンチンブラックアンドホワイトテグーの飼育に必要な環境とアイテム
ブラックアンドホワイトテグーは体が大きくなるため、最初から広めの飼育スペースを想定して準備することが重要です。
さらに、温度や湿度の管理も欠かせません。
ここでは、飼育に必要な環境とアイテムについて詳しく解説します。
ケージサイズは「最終サイズ」で考えるのが理想

テグーは成長が早く、1〜2年で成体サイズ(約100〜140cm)に達します。ベビーのうちは90cmケージでも問題ありませんが、長く使うことはできません。
成体には最低でも180cm以上のケージが必要とされ、できれば横幅200cm以上、高さ60cm以上、奥行90cm程度あると理想的です。
市販の爬虫類ケージでは対応しきれないため、DIYケージや特注ケージ、自作大型木製ケージを利用する飼育者も多く見られます。
テグーのケージについては以下の記事で詳しく解説していますので是非参考にしてください。

温度と湿度の管理は必須
アルゼンチンブラックアンドホワイトテグーは変温動物なので、ケージ内には**温度勾配(ホットスポットとクールエリア)**をつける必要があります。
- ホットスポット:38〜42℃前後
- クールエリア:25〜28℃前後
- 夜間:20℃を下回らないよう保温
また、湿度は50〜70%程度をキープするのが理想です。
乾燥しすぎると脱皮不全を起こすことがあるため、床材を湿らせたり、霧吹き・加湿器などで調整しましょう。
紫外線ライト(UVB)とバスキングライトは両方必要
健康的な成長や代謝のために、UVBライト(紫外線)とバスキングライトの両方が必須です。
UVBは骨や甲羅の形成に関わるビタミンD3の生成に不可欠で、特に昼行性のテグーには強めのUVB照射が推奨されます。
- UVBライト:10.0~12.0クラス(爬虫類用)
- バスキングライト:ケージ内に40℃前後のホットスポットを作る
床材は掘れるものを選ぶ
テグーはよく地面を掘る行動を見せるため、掘れる床材が適しています。
おすすめの床材は以下のようなもの:
- ヤシガラ土(ココピート)
- 赤玉土と腐葉土のミックス
- バークチップ(やや乾燥気味)
- ペット用ミズゴケ(湿度保持目的)
新聞紙やペットシーツでも飼育は可能ですが、自然な行動を制限してしまうため、できるだけ「掘れる床材」を使ってあげると理想的です。
隠れ家・登り木・水容器も忘れずに

テグーは夜間やストレスを感じたときに身を隠せる場所を必要とします。
大きめのシェルターや半切りした植木鉢などを設置しておきましょう。
また、登り木や段差をつけて立体的な環境を作ってあげると、テグーが活発に動き回り、運動不足やストレスの予防にもつながります。
水容器は常に新鮮な水を入れておき、ときどき水浴びする姿が見られることもあります。
テグーのサイズに合わせて、大きめの容器を用意しましょう。
B&Wテグーの餌やりと食性の特徴

テグーは基本的に雑食性で、肉・昆虫・果物・野菜など幅広いものを食べます。
年齢によって食性が変化し、成長に伴って動物性から植物性へと食のバランスが変わっていくのも特徴です。
テグーの餌の種類や与え方については、以下の専用ページをご覧ください。

ブラックアンドホワイトテグーの食性で注意したいポイント
アルゼンチンブラックアンドホワイトテグーは、他のモルフ(レッドやブルー)に比べて果物や野菜にもよく反応する個体が多いと言われています。
また、人に懐きやすくなると餌をねだる仕草や、決まった時間に寄ってくる習性が見られるようになり、飼育者とのコミュニケーションも楽しめます。
ただし、人間の食べ物を与えすぎると肥満の原因にもなりますので、栄養バランスを意識したメニュー設計が重要です。
テグーは慣れるって本当?テグーの人懐っこさについて

テグーは「犬のように懐く爬虫類」として知られています。
中でもブラックアンドホワイトテグーは、他のモルフに比べて特に人馴れしやすい傾向があるとされ、初心者にも人気の理由のひとつです。
実際に、飼い主の顔や声を覚える個体もおり、膝に乗ってきたり、後をついて歩いたりする行動が見られることもあります。
ただし、どんな個体でもすぐに懐くわけではなく、適切な接し方や信頼関係の構築が必要です。
テグーは人になつくのか?についてより詳しい方法や注意点は、以下のページで詳しく解説しています。

入手方法と価格の相場(2025年版)

アルゼンチンブラックアンドホワイトテグーはテグーの中でも国内流通量が多く、比較的入手しやすい種類です。
ペットショップや爬虫類専門店、イベント、ブリーダー経由など、購入手段はさまざまです。
入手ルートの選び方
- 爬虫類専門店/ペットショップ
店舗によっては健康管理が行き届いており、CB(飼育下繁殖個体)を取り扱う信頼できる場所も多くあります。実際に個体を見て選べるのが利点です。 - 爬虫類イベント(レプタイルズショーなど)
全国で開催される即売イベントでは、複数のブリーダーやショップが出展しており、価格を比較しながら購入できます。 - 個人ブリーダー/SNS経由の販売
人馴れした個体を育てているブリーダーから迎えることで、性格や成長過程を事前に知れるメリットがあります。ただし、信頼できる出品者かどうか見極めが必要です。
ブラックアンドホワイトテグーの価格帯(2025年時点)
価格は個体のサイズ・性別・血統・モルフ(白の多さなど)によって大きく変動しますが、2025年現在の相場は以下の通りです。
サイズ | 価格帯の目安 |
---|---|
ベビー(10〜30cm) | 約25,000〜50,000円 |
ヤング(30〜60cm) | 約40,000〜80,000円 |
アダルト(60cm以上) | 約60,000〜120,000円 |
アルゼンチンブラックアンドホワイトテグーはこんな人におすすめ!

アルゼンチンブラックアンドホワイトテグーは、数あるテグーの中でもバランスの取れた飼育しやすさと人懐っこさが魅力の種類です。
以下のような方には特におすすめです。
初心者〜中級者で「なつく爬虫類」を飼いたい人
爬虫類でもスキンシップを楽しみたい、手から餌を食べてくれる姿を見たい――そんな人にはぴったりの一匹です。
特にアルゼンチンブラックアンドホワイトテグーは、テグーの中でもトップクラスに人馴れしやすいため、初めての大型トカゲ飼育にも向いています。
広いスペースや大型ケージを用意できる人
成体は1mを超えるため、飼育スペースに余裕があることは前提条件です。
DIYや特注ケージに挑戦できる人や、1部屋をまるごと爬虫類部屋にできるような環境がある人には非常に向いています。
爬虫類とのふれあいを楽しみたい人
単なる「鑑賞用」としてではなく、性格や行動の個性を楽しみたい人には、ブラックアンドホワイトテグーは理想的な相棒になります。
慣れてくると、自分から寄ってくる・飼い主の行動に反応するなど、まるで犬や猫のような存在に感じることも。
一方で、温度・湿度管理や大型ケージの準備、餌の量や衛生管理などはそれなりに手がかかるため、完全な初心者でまったく予備知識がない人にはややハードルが高く感じるかもしれません。
とはいえ、「少し手間をかけても信頼関係を築きたい」という気持ちがある方には、最高のパートナーになり得る爬虫類です。
まとめ:テグーの中で最も“バランスがいい”一匹かも?
アルゼンチンブラックアンドホワイトテグーは、レッド・ブルー・ゴールデンといった他のテグーたちと比べても、飼いやすさ・性格・見た目の魅力のバランスが非常に優れている種類です。
- レッドテグーのような迫力ある体格も持ちつつ、
- ブルーテグーほど神経質ではなく、
- ゴールデンテグーのように荒い気性もない
そして何より、人懐っこく、飼育者との信頼関係を築ける点は、テグーの中でも特筆すべき魅力です。
もちろん、大型種ゆえのスペースや温度管理など、手間がかかる部分もありますが、それを上回る存在感と愛着を感じられるペットになることでしょう。
「大型トカゲを飼ってみたいけど、何を選べばいいか迷っている」
そんな方には、まずアルゼンチンブラックアンドホワイトテグーを選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
テグー入門にも、長く付き合うパートナーとしても、きっと後悔しない一匹になるはずです。
\ ついでにこれも読んでいけ。 /
いや、読んでくださいお願いします(土下座)