ブルーテグーは、テグーの仲間の中でも特に美しい青みがかった体色が特徴の大型トカゲです。
流通量が少ないことから「幻のテグー」とも呼ばれ、飼育者の間では憧れの存在となっています。
見た目だけでなく、その落ち着いた性格や知能の高さも人気の理由。
まるで犬のように人になつくこともあり、しっかり飼いこめば驚くほど慣れてくれます。
本記事では、ブルーテグーの特徴や性格、飼育方法に加えて、レッドテグーやB&Wテグー、ゴールデンテグーとの違いについても詳しく解説。
また、気になる販売価格やアルビノ個体の情報についても触れていきます。
これからブルーテグーを飼いたいと考えている方はもちろん、他のテグーとの違いが気になる方にも役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
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テグーの飼育方法まとめ
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人に慣れやすく、初めてのテグーにも人気の赤い個体。 - ブルーテグー
希少で美しい青色のテグー。中・上級者向けです。 - ゴールデンテグー
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テグーの臭い問題の解決方法
ブルーテグーとは?

ブルーテグーは、アルゼンチンテグーの一種で、青みがかった体色が特徴の美しい中〜大型トカゲです。
分類上はレッドテグーやB&Wテグーと同じ「アルゼンチンテグー(学名:Salvator merianae)」のカラーバリエーションのひとつとされており、ブルーは主にオス個体の成熟に伴って強く発色します。
ベビーの頃は灰色っぽい見た目をしていることもありますが、成長とともに体が締まり、メタリックブルーのような光沢のある体色へと変化していきます。
流通量は比較的少なく、レッドテグーに比べると取り扱っているショップも限られます。
以下では、他のテグーとの違いを詳しく見ていきましょう。
B&Wテグーとの違い

B&Wテグー(ブラックアンドホワイトテグー)は、ブルーテグーと同じくアルゼンチンテグーの代表種で、白黒のコントラストがはっきりした体色が特徴です。
両者の最大の違いは体色のトーンで、B&Wは明瞭な白黒模様、ブルーは青みがかったグレー~スチールブルーのような色合いをしています。
性格面ではどちらも比較的温和ですが、B&Wの方がやや大人しい傾向があり、初心者向けとされることもあります。
一方でブルーテグーは人懐っこさと活動性に魅力を感じる飼育者も多く、より「ペット感」を味わいたい人に好まれます。

レッドテグーとの違い

レッドテグーはその名の通り、赤〜赤褐色の体色を持つ華やかな見た目のテグーです。
ブルーテグーとは発色が正反対で、並べて見るとその違いは一目瞭然です。
また、体格的にはレッドテグーの方がやや大きくなる傾向があり、特にオス個体はがっしりとした印象になります。
性格はレッドの方がやや荒めと言われることもありますが、個体差が大きく、ブルーにも活発で自己主張の強い個体は存在します。

ゴールデンテグーとの違い

ゴールデンテグーは、厳密には「アルゼンチンテグー」ではなく、「コロンビアテグー(Salvator teguixin)」に分類される別種のテグーです。
そのため、ブルーテグーとは見た目だけでなく生態や性格も大きく異なります。
まず、ゴールデンは体が細長く、全体的にスマートな印象を受けます。
体色は黄色~黄金色の光沢があり、野性味が強い外見です。性格面では非常に神経質で、慣れにくく咬み癖が出やすい傾向があるため、ペット向きとは言い難い側面もあります。
その点、ブルーテグーはしっかり馴らすことで人に慣れやすく、抱っこやスキンシップが可能な個体も多いため、ペットとしての飼いやすさには大きな差があります。
ブルーテグーの性格と飼いやすさ

ブルーテグーは、見た目の美しさだけでなく人懐っこい性格も人気の理由のひとつです。
幼少期からしっかりと人の手に慣らして育てれば、名前を呼ぶと寄ってくるようなまるで犬のような懐き方を見せることもあります。

基本的には温和で落ち着いており、攻撃的な行動は少ない種類ですが、ベビー期〜若い成体の頃はやや神経質で、驚くとしっぽを振り回すこともあるため、丁寧に接することが大切です。
手荒に扱ったり、急に上からつかんだりすると、人間への警戒心を持ってしまいます。
また、知能が高く、人の顔や匂いを覚える個体も多いため、スキンシップや声かけなどのコミュニケーションが有効です。
温度管理や食事内容などの環境が整っていれば、ブルーテグーは比較的ストレスの少ないペットとなり得ます。
ただし、大型化する爬虫類であることには注意が必要です。
最終的には全長1mを超える個体も珍しくないため、幼体時に「小さいし可愛いから」と安易に飼い始めると、後々手に余る可能性もあります。
それらを理解した上で、きちんと環境を整え、毎日少しずつ関係を築いていける方であれば、ブルーテグーは非常に飼いやすく、愛着の湧くパートナーとなってくれるはずです。
ブルーテグーの飼育方法

ブルーテグーは体長が1mを超えることもある大型の爬虫類です。
そのため、狭いケージではすぐに手狭になり、運動不足やストレスの原因となります。
ここでは、ブルーテグーを健康的に育てるために必要な飼育環境・温度管理・餌などのポイントを解説します。
ケージサイズとレイアウト
ブルーテグーの飼育には、最終的に180cm以上の大型ケージが必要になります。
ベビー期は90cm前後の爬虫類用ケージでも飼育できますが、成長が早いため数ヶ月で買い替えが必要になることも。
レイアウトには、以下のような要素を取り入れると良いでしょう。
- シェルター:安心して隠れられる場所
- 登り木や流木:運動とストレス発散用
- 床材:ヤシガラやウッドチップなど、湿度を保てるもの
- 水入れ:全身が入れる大きめサイズ(入浴も兼ねる)
テグーの飼育ケージについては以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

温度・湿度の管理
ブルーテグーは南米出身の爬虫類で、高温多湿な環境を好みます。
適切な温度管理は健康維持に欠かせません。
- バスキングスポット:40℃前後
- ケージ全体の温度:28〜32℃
- 夜間温度:最低でも22℃はキープ
- 湿度:60〜80%程度が理想(保湿性のある床材が有効)
UVBライトやバスキングライトは必須です。昼夜の明暗を意識し、12時間ずつの照明サイクルを設定しましょう。
餌やりの頻度と内容(加筆版)
ブルーテグーは雑食性で、基本的な食性はレッドテグーやB&Wテグーと似ていますが、他のテグーと比較して肉食傾向がやや強めとされています。
特に若い個体は動物性たんぱく質を好み、昆虫やピンクマウスなどをよく食べます。
さらにブルーテグーは、他のテグーよりも消化力が強く、食欲も旺盛な傾向があるため、給餌量に注意が必要です。
与えすぎると肥満になりやすく、特に運動量が少ない環境では健康を損ねるリスクも。
また、果物や野菜などの植物性の餌に関しては、ブルーテグーはあまり好まず、選り好みする個体も多いです。
野菜を食べるレッドテグーに比べると、植物質の割合は少なめに見積もった方がよいでしょう。
そのため、栄養バランスを取るには、以下のような工夫がおすすめです。
- 鶏むね肉やレバーなどを中心に、週1〜2回はカルシウム強化のサプリをふりかける
- 果物や野菜は食べる個体に合わせて少量ずつ与える(食べなければ無理に与えない)
- 人口飼料を食べる個体もいる
- 成体になっても定期的に腸内環境を整えるために冷凍ピンクマウスやウズラの卵を活用する
犬みたい🐶
— 爬虫類ショップアンテナ 【福岡井尻・北九州小倉】 (@antenna0830) April 28, 2025
置き餌でちゃんと食べます!えらい!
【P】
#ブルーテグー pic.twitter.com/b4j3ghyWOk
こうした特徴からも、ブルーテグーの餌やりは「他のテグーの飼育経験がある人でも少し勝手が違う」と感じることがあるかもしれません。
テグーの餌やりについては、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

ブルーテグーの値段と販売情報

ブルーテグーは他のテグーに比べて流通量が非常に少なく、希少性の高い種類です。
そのため、価格は高めに設定されていることが多く、安定して入手できるとは限りません。
一般的な販売価格
ベビー個体であっても10万円前後〜20万円以上が相場で、成体やサイズの大きい個体になると30万円以上の価格がつくこともあります。
これはブルーの発色の美しさや、そもそも輸入される数が少ないことが主な理由です。
また、季節やイベントのタイミングによっても価格は大きく変動します。
特に春〜夏にかけては流通量が増える傾向がありますが、それでも毎年必ず入荷があるとは限りません。
購入できる場所
ブルーテグーを探す際は、以下のような方法が考えられます。
- 爬虫類専門店(実店舗):直接状態を確認できるので安心感がある
- 爬虫類即売会イベント(レプタイルズショーなど):珍しい個体に出会える可能性あり
- 爬虫類販売のオンラインショップ:在庫が豊富だが、発送リスクと個体差に注意
- ブリーダーからの直接購入:最も確実に状態の良い個体を得られるが、ルートが限られる
特にブルーテグーの場合は海外ブリーダーからの輸入個体が多いため、購入時の健康チェックが重要です。
できれば直接見て選べる場を活用するのが理想です。
入荷の少なさに注意
ブルーテグーは輸入数が限られているため、ほしいと思ったときにすぐ手に入るとは限りません。
年によってはほとんど入ってこないこともあるため、見かけたらすぐに問い合わせる・予約するなど、即断即決が求められることも多い種類です。
また、状態がよく人慣れしている個体ほど早く売れてしまうため、価格だけで選ばず、状態の良し悪し・ショップの信頼性を重視することが大切です。
希少なアルビノブルーテグーとは?
ブルーテグー自体が珍しい存在ですが、その中でもさらに希少価値が高いのが「アルビノブルーテグー」です。
アルビノとは、メラニン色素を持たない先天的な突然変異のことで、体が真っ白〜クリーム色になり、目は赤みを帯びるのが特徴です。
アルビノ個体の特徴
自分でも何言ってるんだろう
— Koh@無類の爬虫類マニア (@K77861068) April 25, 2020
だけど
赤目のT+アルビノ ブルーテグー pic.twitter.com/1zNT6TBroH
アルビノブルーテグーは、通常のブルーテグーの青みがかった体色とはまったく異なる、淡いシャンパンゴールドのような外見をしています。
個体によってはピンクがかった肌に透けた血管が見えるような、独特の透明感を持つことも。
見た目のインパクトが非常に強く、SNSや展示会などでも話題になることが多いため、コレクターや上級者向けの1匹として人気があります。
ただし、アルビノは視力が弱く光に敏感な傾向があり、通常のブルーテグーよりも照明や紫外線に配慮した環境作りが求められます。
また、ストレスに弱く体調を崩しやすいケースもあるため、初心者には少し難易度が高いかもしれません。
価格の相場と入手性
アルビノブルーテグーの価格は、数十万円〜100万円を超えることもある超高額ラインです。
そもそも国内に流通する数がほとんどなく、輸入個体が極めて稀に出回るのみのため、購入のチャンスはごく限られています。
そのため、欲しい場合は以下のような方法が必要になることもあります:
- 海外ブリーダーとの直接交渉(英語必須)
- 国内販売店への長期的な入荷予約
- 爬虫類イベントでの偶然の出会いを狙う
アルビノ個体は希少性と独自の魅力のバランスを理解した上級者向けといえるでしょう。
ブルーテグーを飼うときの注意点

ブルーテグーは人に慣れやすく魅力的なペットではありますが、大型の爬虫類であることを忘れてはいけません。
飼育するには広いスペースや継続的なケアが必要となるため、安易な気持ちで迎えると後悔することもあります。
ここではブルーテグーを飼う前に知っておきたい、いくつかの重要なポイントを紹介します。
成長後のサイズに注意
ブルーテグーはベビーのときは手のひらサイズで可愛らしい見た目をしていますが、成長すると1mを超える大型爬虫類になります。
オスでは最大で140cmに達する個体も確認されており、しっかりとした飼育スペースが必要です。
成体になったブルーテグーを90cmケージのまま飼うのは完全に手狭で、運動不足・ストレス・肥満などの健康リスクが高まります。
あらかじめ将来のサイズを見越した環境づくりをしておくことが大切です。
食費・設備費もそれなりにかかる
ブルーテグーは食べる量が多く、餌代もそれなりにかかる爬虫類です。
冷凍マウス・鶏肉・果物などを週数回与えるため、月に数千円〜1万円以上の出費になることもあります。
また、以下のような設備も必須です:
- 大型ケージ(市販だと高価 or DIYの手間)
- バスキングライト・UVBライト(寿命が短いため定期交換が必要)
- 床材の定期交換・清掃
電気代やライトの消耗品コストも馬鹿にならないため、事前にざっくりとしたランニングコストの計算をしておくと安心です。
噛みつきやしっぽ攻撃はゼロではない
ブルーテグーは慣れればおとなしくなりますが、完全に無抵抗になるわけではありません。
驚いたときやストレスがかかったときには、しっぽを叩いて威嚇したり、テグーが噛みつくこともあります。
とくに神経質なベビー期には注意が必要で、「怖がらせない・追いかけない・無理に触らない」という基本を守ることが信頼関係を築く第一歩です。

脱走・破壊力にも注意
成体ブルーテグーはかなりの筋力と顎の力を持っており、ケージのフタを押し開けたり、軽いロックを壊したりすることも。
脱走対策は必須で、重量物でフタを押さえたり、頑丈なロック機構を使うようにしましょう。
また、放し飼いを検討している場合でも、部屋を破壊されないよう環境を整える必要があります。
まとめ
ブルーテグーは、美しい青みがかった体色と、人になつく性格で人気を集める魅力的な大型トカゲです。
B&Wテグーやレッドテグーと比べても、その独特の外見とやや肉食寄りの性質に惹かれる飼育者は多く、「見た目も性格もバランスの取れたテグー」といえるかもしれません。
ただし、希少性が高く、流通量も限られているため、欲しいときにすぐ手に入るとは限らない点には注意が必要です。特にアルビノ個体はさらに入手困難で、上級者向けとなるでしょう。
また、成長すれば1m以上になることや、食費・設備費も決して安くはない点もふまえ、長期的にしっかり面倒を見られるかどうかを判断した上で迎えることが大切です。
もしあなたが「大型爬虫類を本気で飼ってみたい」「自分だけの一匹と深い関係を築きたい」と考えているなら、ブルーテグーは最高の相棒になってくれるでしょう。
\ ついでにこれも読んでいけ。 /
いや、読んでくださいお願いします(土下座)