ダイヤモンドカーペットパイソンは、カーペットパイソンの中でもひときわ美しい模様が魅力の地域個体群(ローカリティ)で、その名の通り「ダイヤモンド柄」と呼ばれる白黒のコントラストが特徴です。
オーストラリア南東部を原産とするこのタイプは、見た目の美しさだけでなく希少性の高さからも人気があり、流通量が少ないことから価格相場もやや高めです。
この記事では、そんなダイヤモンドカーペットパイソンの見た目や性格、ほかのローカリティとの違いに加え、入手時の値段相場についても詳しく解説していきます。
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ダイヤモンドカーペットパイソンとは?

ダイヤモンドカーペットパイソンは、オーストラリア南東部(特にニューサウスウェールズ州やビクトリア州)に分布する地域個体群で、学名はMorelia spilota spilotaとされています。
つまり、カーペットパイソンというひとつの種(Morelia spilota)の中の“地域変異型”であり、いわゆる「モルフ(品種改良された人工的な色彩変異)」とは異なります。
最大の特徴は、名前の由来にもなっている「ダイヤモンド柄」と呼ばれる美しい白黒模様です。
新入荷!!!!
— トコチャンプル (@tokocampur) September 8, 2020
将来有望!めちゃくちゃ綺麗なフラワーバック!
ダイヤモンドカーペットパイソン[オス]全長155cm
冷凍ラット爆食中! pic.twitter.com/nJNs9YXrCI
野生個体であってもその柄の美しさが際立ち、ペットとして流通する中でも非常に人気の高いタイプとされています。
カーペットパイソンはオーストラリア〜ニューギニア周辺に広く分布し、さまざまなローカリティが存在しますが、このダイヤモンドタイプは冷涼な気候に適応しているため、飼育環境にもやや特徴があります。
ほかのローカリティと比べて流通数が少なく、「カーペットパイソン=丈夫で飼いやすい」というイメージの中でも、少し特別な扱いをされる存在です。
ダイヤモンドカーペットパイソンの特徴と見た目の魅力
こんにちは〜(^◇^)
— Daniel@イベント自粛中 (@ymzkmsy1973) May 30, 2017
暑いけど昼からがんばるぞ〜#ダイヤモンドカーペットパイソン pic.twitter.com/DmZVYjF1tb
ダイヤモンドカーペットパイソンの最大の魅力は、やはりその美しい体色と模様にあります。
全体的に黒〜濃い茶色のベースに、菱形やひし形のような白い斑点が規則的に並び、まるで「ダイヤモンドをちりばめたような柄」に見えることから、その名が付けられました。
このコントラストの美しさは他のカーペットパイソンのローカリティと比べても群を抜いています。
特に野生に近い模様を保っている個体や、親個体の模様が明瞭だった場合、その美しさは非常に高く評価され、マニアの間ではコレクション対象としても人気があります。
また、個体によっては白斑のサイズや配置が異なるため、同じダイヤモンドカーペットパイソンでも見た目に個性があるのも魅力のひとつです。
成体になると体長は2メートル前後になることが多く、全体としてはスリムで締まった体型をしています。
他のパイソン属の中では比較的細身で、模様の見栄えが良いため、ケージ内でも非常に映える存在です。
模様の美しさを重視して選びたい方には、まさに理想的なヘビと言えるでしょう。
ダイヤモンドカーペットパイソンの性格や飼育のしやすさ

ダイヤモンドカーペットパイソンは、基本的にはおとなしい性格をしており、飼育に慣れてくればハンドリングも可能です。
ただし、カーペットパイソン全体に共通する傾向として、個体差が大きいことが挙げられます。
中には攻撃的な個体や防衛本能が強い個体も存在し、特に若齢個体では威嚇行動が見られることもあります。
ダイヤモンドタイプは他のローカリティよりも神経質な一面があるとされており、慣れるまでは無理な接触を避けた方がよいでしょう。
とはいえ、定期的に給餌やケージ内の掃除を行うことで徐々に飼い主に慣れていく個体が多く、成長とともに落ち着いてくる場合もあります。
飼育歴の浅い初心者でも飼えないことはありませんが、できれば爬虫類飼育にある程度慣れている人向けのローカリティと言えます。
特に温度管理やストレス対策に注意が必要なため、初めてのパイソンとしては、もう少し飼育が安定しやすい他のローカリティ(例:コースタルやコモン)から始めるという選択肢もあります。
カーペットパイソンには手を出さないと決めていたのに手を出してしまった🤣#カーペットパイソン#ダイヤモンドカーペットパイソン pic.twitter.com/vlMjr1JXeW
— NOBU (@NOBUAKI19780212) January 8, 2022
ハンドリングの可否については個体によるところが大きいため、購入時にブリーダーやショップでの性格確認も重要なポイントになります。
ダイヤモンドカーペットパイソンの値段相場

ダイヤモンドカーペットパイソン(別名:ダイヤモンドパイソン)は、カーペットパイソンの中でも特に高値で取引されるローカリティです。
その美しいダイヤモンド模様と、限られた流通量の影響から、販売価格は15万円〜20万円前後になることが多く、他のカーペットパイソン(例:コモンやコースタル)と比べても明らかに価格帯が異なります。
特に模様が整っていて白斑の発色が強い個体や、血統管理されたブリーダーからの国内CB(繁殖個体)は20万円以上で販売されることも珍しくありません。
逆に流通数の少なさゆえに、ショップに並ぶ頻度も少なく、見つけたときに即決しないと次はいつ出会えるか分からないといった声もあります。
なお、「ダイヤモンドパイソン」という呼び名もよく見かけますが、これはダイヤモンドカーペットパイソンの略称または愛称であり、基本的には同じものを指します。
どちらの名称であっても、分類学的にはMorelia spilota spilotaという同一のローカリティですので、混同する必要はありません。
購入を検討している方は、見た目だけでなく飼育難易度も加味したうえで、信頼できる販売元を選ぶようにしましょう。
ダイヤモンドカーペットパイソンの飼育のポイントと注意点

ダイヤモンドカーペットパイソンは、その美しい見た目から飼育したくなる魅力的な存在ですが、飼育に際してはいくつか特有の注意点があります。
他のローカリティと同じ「カーペットパイソン」でありながらも、出身地の気候が異なるため、飼育環境の設定には少し工夫が必要です。
温度と湿度の管理に注意
ダイヤモンドタイプは、オーストラリア南東部という比較的涼しい地域に適応している個体群のため、他の熱帯系のローカリティよりも高温に弱い傾向があります。
夏場の高温多湿には注意が必要で、特にエアコンのない部屋での飼育は不向きです。
理想的な温度帯は以下の通り:
- 日中:26〜28℃
- バスキングスポット:32〜34℃
- 夜間:22〜24℃
冷却ファンや空調設備を使い、35℃を超えないように管理することが重要です。
湿度は高すぎるとカビや皮膚病の原因になるため、60%前後を保ち、通気性にも配慮しましょう。
ケージサイズとレイアウト
成体は体長2m近くに達するため、最低でも120cm以上のケージが必要になります。
ケージ内には登り木や隠れ家を設け、ヘビが落ち着ける環境を作ることがポイントです。
ただしダイヤモンドタイプは活発すぎる個体ではないため、上下運動よりも横幅を広くとるほうがストレス軽減につながります。
給餌と脱皮管理
給餌頻度や内容は他のカーペットパイソンとほぼ同じですが、気温の変化に敏感な個体が多いため、冬場に拒食するケースもあります。
季節変動に応じて餌の間隔を調整し、脱皮前には湿度をやや高めに保つことで脱皮不全の予防にもなります。
まとめ
ダイヤモンドカーペットパイソンは、美しい白黒のダイヤモンド模様と重厚感のある体格が魅力の、特別な地域個体群です。
同じカーペットパイソンの仲間とはいえ、見た目の華やかさや希少性から価格は高く、15〜20万円前後とプレミアムな存在として扱われています。
性格は比較的おとなしい個体も多いですが、飼育には気温管理や広いスペースが求められるため、中〜上級者向けのヘビと言えるでしょう。
特に「高温に弱い」という点は他ローカリティと異なる重要なポイントであり、適切な環境を整えることが長期飼育の鍵となります。
その分、ケージ内での存在感や見た目の満足度は非常に高く、1匹いるだけでコレクションの主役になれるような魅力を持っています。希少な機会に出会ったときには、ぜひじっくり検討してみてください。
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