カーペットパイソンは飼育可能なニシキヘビの中でも比較的大型になる種類です。
その野性的な姿に惹かれ、「せっかくならカーペットパイソンを大きくしたい」と思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、カーペットパイソンをより大きく育てるための給餌方法や注意点、成長スピードの目安、種類ごとの平均サイズなどを分かりやすく紹介します。
無理な育成で体調を崩さないよう、安全に育てるための知識をぜひ身につけてください。
➕カーペットパイソンの関連記事一覧を開く🐍
カーペットパイソンの飼育関連
モルフ
ロカリティ
カーペットパイソンを大きくしたい!

カーペットパイソンは寿命が約20年と長生きするヘビです。
それに応じて成長速度もやや遅めになっています。
大体3年でアダルトになると言われていますが、私の体感では生後3年の子でもまだ成長している気がします。
大きくなるカーペットパイソン、大きさの平均は?
種類にもよりますが、カーペットパイソンの大きさ平均は約2m〜2.5mと言われています。
その中でもコースタルカーペットパイソンと呼ばれる種類は大型で、3m近くなる個体もいます。
カーペットパイソンは女の子の方が大きくなるので、より大きな個体を育てたい方はコースタルカーペットパイソンの女の子がおすすめです。
カーペットパイソンを大きく育てるコツは?

大きく育てるのに重要なのは餌のあげ方です。
まずは、カーペットパイソン飼育下での一般的な餌の与え方については以下の記事をご参照ください。

ではここからは、カーペットパイソンを大きく育てる方法について解説します。
まず大切なのは成長期である1歳〜1.5歳に集中的に餌をあげることです。
成長速度が遅いと言ってもこの時期はみるみるうちに成長します。
そして通常ならばヘビに適した給餌間隔は1週間に1回と言われています
が、大きくするコツとして小さめの餌を1週間に2回あげることです。
え?それって大丈夫なの?と思う方も多いと思います。
*1週間に2回もご飯をあげていいの?
カーペットパイソンを大きくしたい人には、普段と違って小さめの餌で1週間に2回の給餌をコツとして書きました。
しかしこの方法はパワーフィーディングと呼ばれ、生体を大きく育てたい時により多く餌をあげるという方法です。
しかし、これは一歩間違えればヘビにとってとても危険な行為になってしまいます。
*パワーフィーディングって?危険なの?
確かにリスクはありますが、適切なやり方でやればリスクは少なくなります。
まずリスクとして吐き戻しや消化不良といった可能性が出ます。
そして次に無理に大きく育てたことでその生体の体型に歪みが出てしまうことです。
そうならないために、絶対に無理な給餌をしないことが大切です。
特にチェーンフィーディングなどヘビの意思を無視した給餌は禁物です。
*パワーフィーディングで失敗しないコツは?
ヘビは1回の給餌で大きな餌を食べると、お腹いっぱいになってしまうことが多いので、小さな餌をあげることで2匹の餌を食べてくれることもあります。
1匹しか食べなくても3日など短い間隔を空けて再び給餌をしてあげましょう。
気温の低い時期に多くの餌をあげるのは消化不良などに繋がるので控えた方が良いです。
生体を大きくしたいのに、無理な給餌をして吐き戻しや消化不良になってしまっては逆効果です。
それが原因で拒食になってしまう可能性もあり、そうなってはまさしく本末転倒です。
大きくしたいと焦らずに、気長に見守りながらその個体に適した給餌をしてあげましょう。

カーペットパイソンの成長を妨げる要因を除外する

カーペットパイソンを大きく育てたいなら、餌の与え方だけでなく「成長を妨げる要因を取り除くこと」も重要なポイントです。
いくら給餌量を増やしても、飼育環境が整っていなければうまく成長しない場合があります。
ここでは、成長の妨げになりやすい環境要因を3つ紹介します。
温度や湿度・紫外線を適切にする
爬虫類は変温動物なので、外部環境の温度や湿度に大きく影響されます。
特に消化には十分な体温が必要で、寒すぎると食べた餌がうまく消化されず、成長の妨げになります。
カーペットパイソンの場合、日中は28〜30℃程度のホットスポットを設け、夜間は22〜25℃を下回らないよう保温してあげましょう。
また、湿度は50〜60%を保ち、脱皮不全などが起こらないようにすることも大切です。
紫外線は必須ではないとされますが、低照度でもUVBライトを設置すると健康維持に役立つ可能性があります。
飼育ケージのサイズに要注意
意外と見落とされがちなのが、ケージのサイズです。
体が大きくなっても狭いケージのままでは、ストレスの原因になるだけでなく、運動不足や消化機能の低下にもつながります。
成長を促したいのであれば、最低でも体長の1.5倍以上の横幅、奥行きのあるケージを用意しましょう。
成体で2mを超えることもあるカーペットパイソンには、120cm〜180cmクラスのケージが必要になる場合もあります。
ケージが狭すぎると「物理的に成長が止まる」とまでは言い切れませんが、成長ホルモンの分泌や代謝に悪影響を及ぼす可能性があるため、広々とした環境の方が望ましいです。
ストレスの少ない環境
ヘビにとってストレスは大敵です。
頻繁に人の気配がある場所、振動が伝わる場所、大音量のテレビのそばなどは、常に落ち着かない状態となり、食欲不振や拒食の原因になることもあります。
また、ケージ内に隠れ家(シェルター)がないと、安心して身を隠せず不安を感じやすくなります。
体のサイズに合ったシェルターを1つ以上設置し、落ち着ける空間をつくってあげましょう。
ストレスの多い環境では成長どころか、健康そのものが損なわれる恐れもあります。
飼育者のちょっとした気遣いで、カーペットパイソンはより健やかに育ちやすくなります。
これから飼うなら?カーペットパイソンを大きく育てたい人向けの選び方

「すでにカーペットパイソンを飼っている人」だけでなく、「これからお迎えしたい」と考えている方の中にも、「できるだけ大きく育つ個体を選びたい」と思っている方は多いはずです。
実は、選び方によってある程度“大きくなりやすい個体”を見極めることが可能です。
ここでは、カーペットパイソンを購入する段階で意識したいポイントを紹介します。
大型になりやすい種類を選ぶ
カーペットパイソンは「Morelia spilota(モレリア・スピロタ)」という1種に分類されますが、その中でも生息地域によって「ローカリティ(地域個体群)」と呼ばれるバリエーションが存在します。
この中で特に大型になりやすいのが記事の前半でも少し触れましたが「コースタルカーペットパイソン」です。

個体によっては3m近くに達することもあり、全体的に体格がしっかりしています。
一方、ダイヤモンドカーペットパイソンやジャングルカーペットパイソンなどはやや小柄になる傾向があるため、「とにかく大きな個体を育てたい」という方にはコースタル系の導入がおすすめです。
性別は「メス」がおすすめ
一般的に、ヘビはオスよりもメスの方が大きくなる傾向があります。
カーペットパイソンも例外ではなく、メスの方が体長・体格ともにやや大型化しやすいです。
ショップで選ぶ際に「性別が分かりますか?」と確認し、メスを選べるようであれば、大きさ重視の飼育においてはメリットがあるでしょう。
ただし、性別判定は確実とは言い切れないことも多いため、参考程度に考えてください。
幼体ではなくヤングアダルトを選ぶのも手
通常、爬虫類はベビーから育てるのが一般的ですが、既にある程度育っている「ヤングアダルト個体(1〜2歳前後)」を選ぶという方法もあります。
この段階でしっかり食べて健康に育っている個体であれば、すでに成長のポテンシャルが表れている場合もあります。
特に「大きくなる見込みのある血統」や「餌食いが良い個体」などは、ショップのスタッフが把握していることもあるので、購入前に相談してみましょう。
カーペットパイソンを大きくしたい【まとめ】
いかがでしたでしょうか?
この記事ではカーペットパイソンを大きくしたい、その為のコツや成長速度、平均的な大きさを書いていきました。
今回書いたパワーフィーディングは生体を大きくするための給餌方法ですが、リスクを伴い間違えれば生体にダメージが出てしまう方法でもあります。
ここまで書いてきましたが、私個人の考えではリスクを伴うパワーフィーディングはあまりお勧めしません。
可愛いカーペットパイソンを大きくしたい、その気持ちはわかりますが大切なのはその子にあった給餌をして、健やかな環境で育ててあげることです。
無理なパワーフィーディングは生体に対する虐待にもなり、虐待は絶対にやってはいけない行為です。
生体を大きくしたいという方は注意事項に気をつけ、生体の様子をよく観察しながら、害が出ないよう気をつけてパワーフィーディングに取り組みましょう。
カーペットパイソンの関連記事一覧




カーペットパイソンのモルフ一覧
カーペットパイソンのロカリティ