ハリソンカーペットパイソンは、オーストラリア原産の人気種「カーペットパイソン」の中でも、特に黒と黄の美しいコントラストが魅力の地域個体群(ローカリティ)です。
体色や模様がはっきりしており、観賞価値が高いことから、マニアの間で注目を集めています。
この記事では、ハリソンカーペットパイソンの特徴や性格、他のローカリティとの違い、飼育する際の注意点などを詳しく解説していきます。
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カーペットパイソンの飼育関連
モルフ
ロカリティ
ハリソンカーペットパイソンとは?

カーペットパイソンの地域個体群のひとつ
ハリソンカーペットパイソンは、学名 Morelia spilota に属するカーペットパイソンの中でも、特定の地域に由来するローカリティ(地域個体群)のひとつです。
ペット業界では「モルフ(品種)」という言葉がよく使われますが、ハリソンは突然変異ではなく、野生の地理的な分布差に由来するローカルタイプであるため、「ローカリティ」または「サブロカリティ」と呼ぶのが正確です。
カーペットパイソン全体としてはオーストラリアやニューギニアに広く分布しており、各地の個体群がそれぞれに異なる模様や体色を持っています。
その中で、ハリソンタイプは特に美しい外見と温和な性質で注目されています。
ハリソン川流域に由来するローカリティ
「ハリソン」の名称は、オーストラリア北部にあるハリソン川周辺に生息する個体群に由来するとされています。
ただし、学術的に厳密な分類がされているわけではなく、ブリーダーや輸入業者の間で慣習的に使われている呼称である場合もあります。
したがって、名称にやや曖昧さがあるものの、体色の特徴や出自に一定の傾向があるため、ひとつの“系統”として扱われています。
どんな見た目?特徴と魅力
黒と黄色の強いコントラスト
ハリソンカーペットパイソン最大の特徴は、黒と黄色のコントラストが非常に強く、はっきりとした模様を持っている点です。
くっきりと浮かび上がる縞模様は、まるでアートのような美しさで、飼育者の目を引きます。
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とくに黒の発色が深く、黄色との対比が一層映える個体が人気です。
このような派手な色合いは、同じカーペットパイソンの中でも際立っており、「飼うならとにかく見た目重視!」という方には理想的なローカリティと言えるでしょう。
成長後も美しい模様が残る
カーペットパイソンの中には、幼体のときは派手でも成長とともに模様がくすんでしまう個体群もあります。
しかしハリソンタイプは、アダルトになっても鮮やかな模様が残る傾向が強く、長くその美しさを楽しむことができます。
そのため、「成長して地味になったら残念…」というリスクが比較的少ないのも、このタイプの魅力のひとつです。
個体差による模様のバリエーションも豊富
ハリソンタイプは、全体としては共通する特徴を持ちながらも、1匹ごとの模様に個性があるのも面白いポイントです。
バンド(帯)模様が整っている個体もいれば、やや乱れたマーブル模様風の個体もいて、選ぶ楽しさもあります。
コレクション性が高いため、複数のローカリティを並べて飼育する愛好家からも支持されています。
ハリソンカーペットパイソンの性格や飼育のしやすさ

気性は比較的おだやか
ハリソンカーペットパイソンは、比較的おとなしい性格をしている個体が多いとされています。
もちろんヘビなので、急な動きや強いストレスを感じると威嚇したり咬もうとすることもありますが、落ち着いた環境で飼育すれば徐々に慣れていくことがほとんどです。
特にベビー期から人の手に慣らしていくことで、飼い主をあまり警戒しなくなる個体も多く、初めてのカーペットパイソンとして選ばれることもあります。
ハンドリングしやすい個体も多いが例外も
全体としては温和な傾向にあるとはいえ、カーペットパイソンは個体差が大きいことで知られています。
ある個体はハンドリングを嫌がらずおとなしくしているのに、別の個体はやたらと落ち着かず、触られること自体をストレスに感じるという場合もあります。
ニンゲンは暖をとるもの…
— ポップ (@POP_animal_LOVE) February 14, 2024
ニンゲンはあそぶもの…#ハリソンカーペットパイソン pic.twitter.com/wwBiy9CykX
そのため、「ハリソンだから絶対に大人しい」という先入観は持たず、その個体の性格を尊重しながら接する姿勢が大切です。
特に導入初期は無理に触らず、観察を重ねながらゆっくり関係を築いていくのが理想的です。
他のローカリティとどう違う?
カーペットパイソンには、ハリソン以外にも多くのローカリティが存在します。
その中でも、特に比較対象になりやすいのが「コースタルカーペットパイソン」と「ダイヤモンドカーペットパイソン」です。
コースタルカーペットパイソン

コースタルカーペットパイソン
コースタルカーペットパイソンは体長が長くなりやすく、比較的シンプルな模様を持つ傾向があります。
全体的に茶色やグレーがかった色味で、落ち着いた印象が強い個体が多く見られます。
対してハリソンは、より明るく鮮やかな黄色と黒のコントラストが際立ち、派手で力強い見た目が特徴です。

ダイヤモンドカーペットパイソン

ダイヤモンドカーペットパイソン
一方で、ダイヤモンドカーペットパイソンも黒×黄のコントラストが強く、ハリソンと似た印象を与える場合があります。
しかし、ダイヤモンドタイプの方が模様が整っていて幾何学的に見える個体が多いのに対し、ハリソンはもう少し「野性味」を感じさせるランダムさが残っているのが特徴です。

ハリソン特有の色合いや柄の違い
ハリソンタイプの魅力は、強いコントラストとともに微妙な模様の不規則さにあります。
バンド状の柄が太く出たり、時に途切れたりと、個体ごとに表情が異なる点もマニア心をくすぐるポイントです。
また、光の当たり方によって黄色がゴールドのように見える個体もおり、「写真より実物の方が映える」と言われるのも納得です。
他のローカリティにはない**“荒々しさと美しさの共存”**が、ハリソンを選ぶ理由の一つになっています。
日本国内での入手事情

流通は少なく入手難易度はやや高め
ハリソンカーペットパイソンは、国内ではあまり流通していないレアなローカリティです。
一般的な爬虫類ショップで見かけることは少なく、特定のブリーダーや輸入業者を通じてのみ入手可能なことが多いのが現状です。
カーペットパイソン自体は比較的ポピュラーな種類ですが、その中でもハリソンタイプは輸入数が限られていることもあり、**「見つけたときが買い時」**という感覚が強いローカリティです。
爬虫類イベント(レプタイルズショーなど)や、SNSを通じた個体販売など、ネットワークを活かして情報を集めるのがカギとなるでしょう。
価格はカーペットパイソンの中では高め
価格帯については、一般的なカーペットパイソン(コモンやコースタル)に比べるとやや高価です。
相場としては、ベビーであっても4万〜8万円程度からのスタートとなることが多く、模様の美しい個体やハンドリングしやすい個体はさらに高額になるケースもあります。
また、ブリーダーが少ないこともあり、安定した供給がされていない=価格が下がりにくいという面もあります。
見た目の美しさや希少性を考えると妥当とも言えますが、「とりあえずカーペットパイソンが欲しい」という目的にはやや不向きかもしれません。
まとめ
ハリソンカーペットパイソンは、カーペットパイソンの中でもひときわ美しい模様と鮮やかな色合いを持つローカリティとして知られています。
黒と黄色の強いコントラスト、個体差のある模様、そして成長しても色褪せにくい外見は、多くの愛好家を魅了しています。
性格も比較的穏やかで、丁寧に慣らせばハンドリングにも応じやすい個体が多く、飼育しやすさの面でも好まれています。
ただし国内での流通は多くなく、価格もやや高めなため、タイミングと予算の見極めが重要です。
他のローカリティとは一線を画す魅力を持つハリソンタイプ。
見た目にこだわりたい方、希少性の高い個体を求める方にとっては、まさに理想の1匹と言えるでしょう。
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