「ブルーイグアナを飼いたい」「どこで買えるの?」「値段はいくらくらい?」──
そんな思いでこのページにたどり着いたあなたは、すでにお迎えを本気で考えている段階かもしれません。
しかし、ブルーイグアナはペットショップで気軽に購入できるようなイグアナではありません。
流通量は極めて少なく、価格も高額、そして何より大型で繊細な管理が求められる希少種です。
このページでは、ブルーイグアナの販売実態や価格相場、通販の可否について解説するだけでなく、「ちょっと待って、それ本当に飼える?」という冷静な視点からの注意点も正直にお伝えしていきます。
【衝撃事実】「ブルーイグアナ」には2つの解釈がある
実は、「ブルーイグアナ」という名称には2つの全く異なる意味があります。
これは多くの人が混同しやすいポイントなので、最初に明確にしておきましょう。
✅ 本物のブルーイグアナ(Cyclura lewisi)

- ブルーイグアナ(Cyclura lewisi)
- ケイマン諸島原産の固有種
- グリーンイグアナとは全くの別種
- 絶滅危惧種であり、基本的にペットとしての流通はほとんどない
- 価格も非常に高額(数十万円〜100万円以上)かつ情報も極端に少ない
✅ グリーンイグアナのブルーモルフ(アザンティック等)

- グリーンイグアナ(Iguana iguana)の品種の一つ
- 黄色の色素が欠けて青く見えるタイプ
- 日本国内ではこちらが「ブルーイグアナ」として一般的に流通している(ノーマルに比べればレア)
- 価格帯も数万円〜と比較的手が届きやすく、飼育情報も豊富
ネットやショップで「ブルーイグアナ」と紹介されている生体の中には、実は“グリーンイグアナのブルー系モルフ”であるケースがほとんどです。
確かに、グリーンイグアナの中には体色が青みがかった個体や、ブルー系に改良された品種も存在しており、見た目だけでは「本物のブルーイグアナ」と区別がつきづらい場合もあります。
❌ でも実際には、両者は全くの別種です
比較項目 | ブルーイグアナ | ブルー系グリーンイグアナ |
---|---|---|
学名 | Cyclura lewisi | Iguana iguana |
原産地 | ケイマン諸島のみ(超限定) | 中南米全域(広範囲) |
流通量 | ほぼなし(希少・保護種) | 多い(一般的なペット) |
見た目 | ずんぐり体型・深みのある青 | スリム体型・明るい水色も |
価格帯 | 数十万〜非売レベル | 数千〜数万円程度も多い |
📉 誤情報に注意(大手サイトでもミスあり)
実際に、大手コラム系サイトや自称専門店の中には、「ブルーイグアナ=グリーンイグアナの改良品種」と誤って紹介している例も存在します。
この誤解が招く問題は大きく、
- 本物を買ったつもりが実は全然違う種類だった
- 飼育情報が合わずトラブルが起きる
- 悪質な販売者に騙される可能性も…
といったケースも実際に報告されています。
✅ 本物を見極めるポイント
- 学名が「Cyclura lewisi」になっているかを必ず確認
- 原産地が「グランドケイマン島」のみかどうか
- グリーンイグアナと比べて顔つきや体型ががっしりしているか
- そもそも極めて入手困難で超高額
見た目の比較表
比較項目 | ブルーイグアナ (Cyclura lewisi) | ブルー系グリーン (Iguana iguana) |
---|---|---|
頭 | 額が広く、ずんぐりとした印象 | 顔が長くてスマート |
体型 | がっしり体型で胴が太い | 比較的スリム |
背トゲ | あまり高くない | トゲが高く派手 |
色 | 深い青・灰色がかった青 | 明るい水色〜ライトブルー系も多い |
動き | ゆっくり、おっとり | 活発、木登りも得意 |
サイズ | やや小ぶり(130cm前後) | 180cm超の例もありうる |
以下wikipediaの参考記事もご確認ください。
🔍これらを踏まえた上でのこの記事の前提
この記事では、実際にペットとしてお迎えできる可能性が高く、読者の多くがイメージしている「グリーンイグアナのブルーモルフ」を「ブルーイグアナ」として解説しています。
本物のブルーイグアナ(Cyclura lewisi)についても触れますが、流通がほぼない希少種で現実的に購入はほぼ不可能に近い状態であることをご理解ください。
おそらく多くの読者さんが思っているブルーイグアナとはグリーンイグアナのブルーモルフの事であろうと思われます。
ただこれらの事情を知ったうえでグリーンイグアナのブルーモルフを「ブルーイグアナ」と解釈して購入することは何も問題はありません。
🟦 ブルーイグアナって販売されてるの?流通の現状と注意点
ブルー系グリーンイグアナなら購入は可能
ブルーイグアナは、名前こそ耳にしたことがあっても、(本物のブルーイグアナであれば)実際にペットショップで目にすることはほとんどない非常に希少なイグアナです。
またブルー系のグリーンイグアナの流通もあまり多くはないため、やや希少といったところですが全く入手不可能ということもありません。
🚨 違法輸入や野生個体に要注意
近年、海外からの違法輸入や不適切な輸送・飼育環境によるトラブルが問題視されています。
特にブルーイグアナのような希少種は密輸の対象になりやすく、流通ルートによってはリスクが高いことも。
- 健康状態の悪い個体を掴まされる
- 書類・登録が不完全で法的にトラブルになる
- 輸入後すぐ死亡するなどの事例も…
→ だからこそ、「安いから」「珍しいから」と飛びつく前に、販売元の信頼性を徹底的に確認することが何よりも重要です。
ブルーイグアナの価格の違いの理由と相場
ブルーイグアナの価格は、個体の特徴や販売元によって幅広い範囲で異なります。
一般的な相場は10,000円〜50,000円程度ですが、特に鮮やかな体色や健康状態の良い個体、希少な血統の場合はさらに高額になることがあります。
価格の違いの主な理由は、個体の体色や模様、年齢、性別に加え、飼育環境の質にあります。
例えば、鮮やかな青色が際立つ個体は市場価値が高く評価されます。
また、幼体よりも成体の方が高額になる傾向があり、成体はすでに成長が進んでいるため、飼育スペースや餌の準備が必要となる一方、将来的な大きさや性格が予測しやすいという利点があります。
さらに、販売元の違いも価格に影響します。
信頼性の高い専門店では、健康管理が徹底されているため、少し高めの価格設定となることが一般的です。
一方で、オンラインショップやオークションサイトでは低価格で取引される場合もありますが、健康状態の確認が難しいため、慎重な判断が求められます。
これらの要因を理解した上で、自分に最適なブルーイグアナを選ぶことが大切であり、価格だけでなく、個体の健康状態や飼育に必要なサポート体制を考慮することで、満足度の高い飼育を実現できます。
🟦 通販でブルーイグアナは買えるのか?
ブルーイグアナ(※本記事では「ブルー系のグリーンイグアナ」を指します)は、流通こそ少ないものの、通販サイトやネット販売経由で入手できるケースも存在します。
ただし、生体の輸送には大きなリスクが伴うのでネット購入には慎重になる必要があります。
📦 国内での通販事例と現実的な入手ルート
最近では以下のような方法で“ブルーイグアナ”が販売されているのを見かけることがあります:
- 爬虫類専門ショップのオンラインストア
- 爬虫類イベントでの事前予約&配送手配
- ペット生体販売サイト(例:ペットのおうち系)
- 個人ブリーダーのSNS・フリマアプリ経由
価格帯は数万円〜10万円台程度が中心で、実際には「ブルー系のグリーンイグアナ」がメインです。
また、「アザンティック」や「ブルーモルフ」などの表記になっている場合も多いです。
✈️ 空輸・輸送時のリスク(特に成体)
生体を通販で購入する際、最大のハードルになるのが輸送中のトラブルです。
- 温度・湿度管理が不十分な場合、到着時には体調を崩していることも
- 成体個体はサイズが大きく、一般のペット輸送では対応できない場合も多い
- 落ち着きがない個体や警戒心の強い個体は、移動で大きなストレスを受ける
特に夏季・冬季などの気温変動が激しい時期の発送は避けるべきです。
🔍 通販で購入する際に確認すべきポイント
通販は便利な反面、「実際に生体を見ずに購入する」というリスクがあります。
購入前に最低限、以下のような項目を確認しましょう。
- 学名が(Cyclura lewisiであること=こちらが本物のブルーイグアナですがほとんど流通してない)
- もしくは学名が(Iguana iguana であること=こちらは厳密にはグリーンイグアナの事です)
- どのモルフ(品種)なのか?「ブルー」とあるが詳細説明があるか
- 販売者の所在地・許可番号・問い合わせ対応が明記されているか
- 飼育環境・餌・脱皮状態・性格など、販売者の説明が具体的かどうか
- 到着後の死着補償・返品対応などの明記
また、「激安」「非正規ルート」などの言葉には要注意。
“青っぽい見た目の安いグリーン”を「ブルーイグアナ」として売っている事例もあるため、ショップ名やブリーダー名で事前に検索して評判を確認しておくと安心です。
🟦 購入前に必ず確認してほしい5つのこと
ブルーイグアナ(※ブルー系のグリーンイグアナ)は、見た目のかっこよさや珍しさから「一目惚れ買い」されやすい存在です。
しかしその一方で、「想像よりもずっと大変だった…」という飼育崩壊や手放し例も少なくありません。
ここでは、購入を検討している人にぜひ事前に確認してほしい、現実的な5つのチェックポイントを紹介します。
🏠 飼育スペースや設備の準備はあるか?
ブルー系グリーンイグアナも、成体になれば120〜150cm級の巨大トカゲになります。
最低でも180cm級のケージ、または部屋の一角を完全に専用スペース化する必要があります。
- 紫外線ライト(UVB)
- 高温スポットライト
- 保温ヒーター(冬季)
- 湿度管理・ケージ内のレイアウト
など、設備も本格的に整える必要があり、「水槽で飼える」ような生き物ではありません。
🧬 サイズ・寿命・温度管理に対応できるか?
項目 | 内容 |
---|---|
最大サイズ | 120〜150cm(しっぽ込み) |
寿命 | 10〜15年(飼育下) |
必要温度帯 | 昼間:30〜35℃前後、夜間も20℃以上維持 |
湿度管理 | 60〜80%が理想的 |
👉 つまり、エアコン・加湿器・サーモスタット管理が常時必要です。
これを10年以上維持できるかを、今一度リアルに想像してみてください。
⚖️ 法律・登録・動物取扱業などの確認
ブルーイグアナ本種(Cyclura lewisi)は絶滅危惧種で国際取引が厳しく規制されていますが、今回扱っているグリーンイグアナのブルーモルフ(Iguana iguana)は現在のところ規制対象外です。
ただし、以下はチェックしておきましょう。
- 販売者が第一種動物取扱業を持っているか?(通販でも必要)
- 今後の法改正により、登録制になる可能性もゼロではない(例:アリゲーター、特定外来種などの先例)
法律面でも「ずっと飼える」と思い込まず、制度の変化に対応できるかどうかも含めて考えておくと安心です。
🔎 信頼できる販売元かをどう見極めるか?
- 価格が異常に安くないか?
- 学名表記やモルフ説明が明確か?
- 過去の販売履歴・顧客対応・レビュー・SNSでの評判
- 購入前の問い合わせに丁寧に答えてくれるか
「写真映え」「珍しいから欲しい」で焦って買ってしまうと、病気持ち・脱皮不全・偏食・攻撃的な個体に当たるリスクも高まります。
販売元の信頼性は、“価格以上の価値”があると認識すべきです。
🤔 「本当にこの子を一生面倒みられるか」を自問する
これは感情論ではなく、冷静な“現実判断”として大切なチェックポイントです。
- 引っ越し・結婚・出産・転職など、10年後の生活の中でも飼い続けられるか?
- 温度・湿度・光・餌の管理を365日継続できるか?
- 病気・けが・寿命…最期まできちんと看取れるか?
ブルーイグアナは“かっこいいペット”であると同時に、責任の重さも最大級です。
🟦 まとめ|買う前に“冷静さ”が必要なイグアナです
ブルーイグアナは、その名前と見た目のインパクトから多くの爬虫類ファンを惹きつける存在です。
しかし、この記事で繰り返しお伝えしてきたように──
- 市場に出回っている「ブルーイグアナ」の多くはグリーンイグアナのブルーモルフであり、
- 本物のブルーイグアナ(Cyclura lewisi)とはまったく別の種類です。
つまり、「見た目が青い=ブルーイグアナ」という感覚で購入してしまうと、本来の意味での“ブルーイグアナ”とはまったく違う生体を手にしている可能性が高いということです。
✅ 「買えること」と「飼えること」は別物
今では通販やイベント経由で比較的簡単に購入できるようになった“ブルーイグアナ(ブルーモルフ)”ですが、飼育には十分なスペース・設備・知識・そして10年以上の覚悟が必要です。
「かっこいいから」「珍しいから」「映えるから」
──そんな理由で安易に手を出すと、取り返しがつかない事態になる可能性もあります。
✅ 覚悟が決まった人にとっては、唯一無二の相棒にもなりうる
一方で、これらのポイントをしっかり理解し、準備を整えた上でお迎えすれば、ブルーイグアナ(モルフ)は非常に魅力的で長く付き合えるパートナーになり得ます。
その存在感、穏やかな性格、そして何より“自分だけのイグアナ”としての特別感──
それは他のペットにはない価値を持っています。
✅ 買う前に、一度立ち止まる。
✅ そして、それでも迎えたいなら、全力で準備する。
この記事が、あなたの“後悔しない選択”につながることを願っています。