インランドカーペットパイソンは、オーストラリア内陸部を原産とする美しい模様のニシキヘビで、カーペットパイソンの地域個体群のひとつです。
落ち着いた色合いと穏やかな性格から、日本でも少しずつ人気が高まりつつあります。
販売される機会は多くありませんが、爬虫類イベントや専門ショップで見かけることもあり、値段は他のローカリティと比べてやや高めの傾向があります。
この記事では、そんなインランドカーペットパイソンの特徴や流通事情、価格相場について詳しくご紹介していきます。
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インランドカーペットパイソンとは?

インランドカーペットパイソンは、オーストラリア南東部から内陸部にかけて分布するニシキヘビで、カーペットパイソン(Morelia spilota)の地域個体群のひとつです。
学術的には「Morelia spilota metcalfei(メトカーフィ)」と呼ばれることもありますが、現在は亜種ではなく単一種(Morelia spilota)内のローカリティとして扱うのが主流となっています。
インランドという名前のとおり、比較的乾燥した森林や半砂漠地帯など、オーストラリア内陸部の広範な環境に適応して生息しています。
これらの地域は昼夜の寒暖差が大きく、そうした環境に強い個体として飼育面でも丈夫さが期待されています。
カーペットパイソンのなかでもインランドタイプは流通量が少なく、珍しいローカリティとして注目されることもあります。
そのため「インランドカーペットパイソン」というキーワードで調べる方の多くは、他のローカリティとの違いや飼育・販売事情を知りたいと考えているケースが多いようです。
インランドカーペットパイソンの見た目と性格の特徴

見た目の特徴
インランドカーペットパイソンは、カーペットパイソンの中でも比較的落ち着いた色合いを持つローカリティです。
全体的にはブラウン〜グレーを基調とし、暗色の斑模様がくっきりと入りながらも、派手さよりも渋さを感じさせる印象を受けます。
【販売個体】
— 蛇足屋@北海道 (@Dasoku_ya) April 15, 2025
インランドカーペットパイソン♀
国内有数のインランドブリーダー 絨毯屋@CarpetSP777からの個体になります。 pic.twitter.com/GEVoOHIbAi
この控えめなカラーリングは、乾燥した森林地帯や岩場などの環境に溶け込みやすく、野生下での擬態にも一役買っていると考えられます。
他のローカリティと比較すると、ダイヤモンドカーペットパイソンのような強いコントラストはなく、コースタルカーペットパイソンのような大型傾向もやや抑えめ。
成体の平均体長は約1.5〜2メートル前後で、飼育下では比較的扱いやすいサイズ感と言えるでしょう。
性格
性格については個体差もありますが、全体的にはカーペットパイソンらしい「おとなしく、しかし時に神経質」という傾向を持っています。
インランド特有の性格というよりは、CB(飼育下繁殖個体)かどうかやハンドリング頻度によって慣れやすさが左右される印象です。
しっかりと時間をかけて接すれば、人にも慣れて落ち着いた個体になることが多いです。
インランドカーペットパイソンの流通状況と販売価格の目安

インランドカーペットパイソンは、日本国内ではあまり多く流通していないレアなローカリティです。
一般的な爬虫類ショップでは見かける機会は少なく、どちらかといえば爬虫類即売イベントや、専門性の高いブリーダーから入手するケースが主流となります。
名称が明記されず「カーペットパイソン」として販売されている中に、インランドタイプが含まれていることもあるため、購入時にはローカリティを明確に確認するのがよいでしょう。
早くでかくなれよ〜#インランドカーペットパイソン pic.twitter.com/cVXPCz2niC
— 田中さん (@ePwU6dp) April 14, 2025
価格相場としては、国内流通量の少なさと希少性の観点から、やや高めの傾向があります。
明確に「インランド」として販売されている個体であれば、最低でも10万円、平均ではおおよそ20万円前後の価格帯になることが多く、特に模様が美しい個体やCB(飼育下繁殖)個体ではさらに高値がつくこともあります。
なお、海外では比較的安価に入手できる国もありますが、日本国内に輸入される個体数が限られているため、価格は需給バランスによって変動しやすい点にも注意が必要です。
インランドカーペットパイソンの飼育する際の注意点とおすすめポイント

基本的には他のカーペットパイソンと同様の飼育方法でOK
インランドカーペットパイソンは、他のローカリティと比べて特別に難しい飼育条件があるわけではなく、基本的には一般的なカーペットパイソンと同様の環境で飼育が可能です。
全長は成体で2メートル前後まで成長するため、最終的には120〜150cmクラスの爬虫類専用ケージを用意する必要があります。
体をしっかり巻ける太めのパーチや、隠れ家になるシェルターも必須です。
温度と湿度の管理
温度管理については、日中は30℃前後、夜間は25℃程度が目安。
もともと乾燥地帯にも生息する個体群なので、湿度はやや低め(50〜60%程度)を維持するとよいでしょう。
ただし脱皮前は湿度を少し上げるなど、季節や状態に応じた調整も必要です。
ハンドリングについて
性格的には比較的おとなしい傾向があり、しっかり慣らせばハンドリングも可能です。
ただし警戒心の強い個体もいるため、最初は過度な接触を避け、ゆっくり信頼関係を築いていくことが重要です。
魅力
インランドカーペットパイソンの最大の魅力は、落ち着いた模様と希少性にあります。
Expo生体紹介
— 【大樹道】 (@Daizyu_lepis) March 22, 2025
インランドカーペットパイソン♀
先日の個体とは別のインランド‼︎
柄の入り方も微妙に違うものになります☺︎
めちゃくちゃ元気で写真撮るのにも一苦労です笑
サイドのストライプにバックラインはしっかり乱れてこれこそ!インランドという個体🫶
¥178,000-#カーペットパイソン pic.twitter.com/zmx5qLC4ka
飼育情報が少ないという点も、マニア心をくすぐるポイントかもしれません。
「人と同じヘビはつまらない」「玄人好みの一種をじっくり育ててみたい」と考えている方には、とてもおすすめのローカリティです。
まとめ
インランドカーペットパイソンは、落ち着いた模様と希少性が魅力のローカル個体群で、他のカーペットパイソンとは一味違った魅力を持っています。
流通量が少なく販売価格はやや高めですが、性格は比較的穏やかで、適切な環境を整えれば初心者でも飼育が可能です。
情報が少ない分、自分だけの飼育スタイルをじっくり築きたいという方にとっては、まさにぴったりの存在と言えるでしょう。
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