フトアゴヒゲトカゲは、雑食性でなんでもよく食べるトカゲとして知られています。
しかし、年齢によって必要な栄養バランスや餌の量・頻度が大きく変わるため、適切な餌やりの知識が不可欠です。
この記事では、年齢別の餌の頻度と量の目安を中心に、フトアゴヒゲトカゲが健康に育つための餌の与え方を解説します。
人工餌や野菜の扱い方、餌を食べないときの対応についても概要を説明し、詳細記事へとご案内します。
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フトアゴヒゲトカゲの餌の頻度と量の目安|年齢別おすすめ

フトアゴヒゲトカゲは、成長段階によって必要な栄養のバランスや餌の与え方が大きく変化します。
特にベビー期の飼育は成長に直結するため、もっとも注意が必要です。
ここでは年齢別に、餌の頻度・量・内容の傾向をまとめて解説します。
ベビー期(〜生後6ヶ月)の餌やり
ベビーのフトアゴヒゲトカゲは、非常に速いスピードで成長するため、大量の栄養を必要とします。
しかし、1回に食べられる量は限られており、食いだめができないのが特徴です。
そのため、餌は1日3〜5回以上と、こまめに与えることが大切です。
目安としては、「少しだけ食べ残す程度の量」を数時間おきに繰り返すと良いでしょう。
主な餌は生きたコオロギなどの昆虫で、野菜は副菜のような位置づけです。
野菜を混ぜた刻みサラダを小皿に常備しておき、つまめるようにしておくとバランスが取れます。
幼少期(生後6ヶ月〜1年)の餌やり
体がしっかりしてきた幼少期には、餌の回数は1日2〜3回に減らしても問題ありません。
それでもまだ成長期なので、動物性の餌(昆虫)を中心に与えます。
この頃から野菜の割合も少しずつ増やしていき、将来の食習慣に慣れさせておきましょう。
また、この時期から人工餌や冷凍餌の練習を始めると、将来的に飼育がぐっと楽になります。
アダルト期(1歳以降)の餌やり
1歳を過ぎたあたりから、体の成長は緩やかになり、栄養バランスの調整が重要になります。
餌は1日1〜2回で十分です。
餌の内容は、動物質と植物質を半々程度にして肥満を防ぎましょう。
特にアダルトになると代謝が落ち、太りやすくなります。
太りすぎは内臓疾患や突然死の原因にもなるため、食べ過ぎには注意が必要です。
シニア期の餌やり
フトアゴヒゲトカゲは適切に飼育すれば10年以上生きる個体も珍しくありません。
7〜8歳を過ぎたあたりから、動きがゆっくりになり、活動量や食欲が落ちてくることがあります。
この時期には、餌の量や頻度を無理に維持する必要はありません。
個体の様子をよく観察しながら、食べたがる分だけ与えるようにしましょう。
あまり動かず太ってしまうようであれば、動物性の餌を減らし、野菜中心のメニューに切り替えてください。
また、シニアになると噛む力や消化力が弱くなるため、コオロギの足を取る、野菜を細かく刻む、人工餌をふやかすなど、餌の柔らかさや消化のしやすさにも気を配ると安心です。
食欲がない日が続いても、体重が急に減っていなければ深刻な問題ではないこともあります。
年齢なりのペースを受け入れつつ、無理のない給餌を心がけましょう。
産卵後のメスに必要な栄養補給
メスは、たとえオスと同居していなくても無精卵を産むことがあります。
産卵後は急激に体力を消耗し、栄養不足になりがちです。
この時期は特別に、動物質の餌の量を増やし、カルシウムのサプリメントを強化しましょう。
食欲が回復するまでは、餌の回数を増やして栄養補給をサポートしてください。
フトアゴヒゲトカゲの餌の昆虫の種類と与え方

フトアゴヒゲトカゲは、成長期を中心に動物性タンパク源として昆虫を主に食べる雑食性のトカゲです。
なかでもコオロギは栄養バランスと入手のしやすさから、代表的な主食として使われています。
ここでは、コオロギを中心とした昆虫餌の種類や与え方、注意点をまとめて解説します。
生餌・冷凍・乾燥コオロギの違いと特徴
市販されているコオロギにはいくつかの形態があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
種類 | メリット | デメリット・注意点 |
---|---|---|
野生コオロギ(採取個体) 野外で捕まえた天然個体 | 無償で入手可能・嗜好性高いこともある | 寄生虫や農薬、病原菌のリスクが極めて高いため基本的に非推奨 |
自家繁殖コオロギ 自宅で繁殖・飼育したもの | コストを抑えられる・鮮度と安全性を管理できる | 手間とスペースが必要・繁殖にはある程度の知識が必要 |
生餌コオロギ 生きたまま販売されている | 嗜好性が非常に高く、食いつきが抜群 | 飼育が手間・鳴き声や逃走のリスク |
冷凍コオロギ 冷凍保存されている | 保存性が高く、寄生虫リスクが低い | 動かないため、食いつきが悪いこともある |
乾燥コオロギ 加熱・乾燥処理済みの常温保存品 | 安価で保存が簡単・虫が苦手でも扱いやすい | 栄養価がやや落ちる・嗜好性が低い個体もいる |
特に野生個体は、「無償で捕まえられるからお得」と思われがちですが、フトアゴにとっては危険の塊になることがあります。
農薬の付着、消化器内の寄生虫、外骨格に付いた雑菌などは、市販の昆虫ではあり得ないリスクです。
したがって、野外採取の虫は観賞用や検討材料にとどめ、フトアゴの餌として使うのは避けるべきです。
自家繁殖は中・上級者向けの優良選択肢
コオロギを自分で繁殖させることで、衛生管理・サイズ調整・コスト削減が可能になります。
とくに複数匹を長期飼育する方にとっては、安定した供給源として非常に魅力的です。
ただし、繁殖には以下のような準備が必要です:
- ケージ・容器の確保(逃走対策が必要)
- 餌や水の管理
- 卵の採取と孵化の知識
- 糞や死骸の掃除など定期的なメンテナンス
特に夏場は臭いや鳴き声の問題が大きくなるため、住宅環境との相性も考慮しましょう。
使われる主なコオロギの種類
フトアゴヒゲトカゲに与えるコオロギには、以下のような種類があります:
- ヨーロッパイエコオロギ(イエコ)
一般的で入手しやすく、動きが早い。体が柔らかく、初心者向け。 - フタホシコオロギ
体が大きめで動きが遅く、給餌しやすい。鳴き声がやや大きめ。 - ジャマイカンフィールドコオロギ
まれに販売。活発で寿命が長く、ジャンプ力が強い。
どの種類を選ぶかは好みと環境によりますが、ベビーにはイエコのSS〜Sサイズが無難です。
コオロギの具体的な与え方
与え方にも工夫が必要です。以下に状況別のポイントをまとめます。
- 生餌(放し飼い)
ケージ内にそのまま放すと狩りを楽しめるが、隠れて死骸になるリスクあり - ピンセット給餌
観察しながら与えられる・慣れると便利。最初は動かして見せると反応が良い - 冷凍コオロギ
常温〜ぬるま湯で解凍し、水気を切って与える。動かないので食いつきに工夫が必要 - 乾燥コオロギ
少量の水やぬるま湯でふやかして与えると飲み込みやすい。カルシウムまぶしと相性◎
どの形態でも、サイズが口の幅の2/3程度になるように調整するのが基本です。
コオロギ以外に与えられる昆虫
コオロギ以外にも、以下のような昆虫をローテーションで使うことで栄養の偏りを防げます。
- デュビア(アルゼンチンモリゴキブリ)
栄養価が高く、においが少ない。鳴かない。繁殖も容易。 - レッドローチ
デュビアよりもやや小型で、活動的。食いつきが良い。 - ミルワーム・ジャイアントミルワーム
嗜好性は高いが、脂肪が多く、殻が硬いため常食には不向き。おやつ・ご褒美向け。 - シルクワーム・ハニーワーム
消化に良く、弱っている個体にもおすすめ。ただし流通量がやや少なめ。
補足:ピンクマウスは食べる?
一部のフトアゴヒゲトカゲは、ピンクマウスを食べることがあります。
フトアゴにピンクマウスを与えてみました😁
— よた (@Yota3583) December 2, 2024
虫よりも食い付きがいいのでたまに与えてるのが良さそうです😅
今は簡易的な飼育環境ですが準備が出来次第、流木を入れて高さのある飼育環境にしたいです! pic.twitter.com/SD4LqalZiX
特に産卵後のメスや、長期間の拒食によって痩せてしまった個体に対して、栄養補助として一時的に与えるケースも存在します。
ただし、以下の理由から日常的な給餌としては推奨されません。
- 脂肪とカロリーが非常に高く、肥満を招く
- カルシウムとリンのバランスが悪く、骨に悪影響
- 丸飲みするため、喉に詰まらせる危険もあり
- 消化に時間がかかり、内臓への負担が大きい
どうしても使う場合は、小さな個体には避け、成体に限り、緊急時や一時的な対策としての使用にとどめてください。
カルシウムやビタミンサプリの使い方
昆虫はそのままではカルシウムが不足しがちです。餌に与える前に、以下のようなサプリをまぶしましょう。
- カルシウムパウダー(毎回)
- ビタミンD3入りサプリ(週1〜2回)
- マルチビタミン系サプリ(週1回)
サプリをまぶす方法は、昆虫を袋に入れて軽く振る「シェイク方式」が定番です。
特にベビーや産卵後のメスには積極的な栄養補助が重要です。
動物質と植物質の餌の割合について
一般的に、フトアゴヒゲトカゲは若いほど動物性の餌(昆虫など)を好み、成長とともに植物性の餌(野菜)も食べるようになります。
- ベビー期(〜6ヶ月):動物質 8:植物質 2
- 幼少期(6ヶ月〜1年):動物質 6:植物質 4
- アダルト期(1歳以降):動物質 5:植物質 5
- シニア期(高齢個体):体調に合わせて調整(肥満なら野菜中心に)
果物は嗜好性が高く、喜んで食べる個体も多いですが、糖分が多いためご褒美やおやつ程度にとどめるのが望ましいです。
人工餌は使える?導入のコツと注意点

近年ではフトアゴヒゲトカゲ専用の人工フードも多く販売されています。
人工餌は保存性が高く、栄養バランスも整っており、忙しい飼い主にとって心強い選択肢です。
ただし、個体によっては慣れないうちは食べないこともあります。
特にベビー期は生き餌の嗜好性が強いため、いきなり人工餌のみでの飼育は難易度が高いです。
人工餌の使い方や、複数のフードを組み合わせた栄養バランスの取り方については、以下の記事で詳しく解説しています。
フトアゴヒゲトカゲは人工餌だけで飼える?栄養や注意点を徹底解説!

フトアゴヒゲトカゲの餌に野菜はどれをどれだけ与える?

フトアゴヒゲトカゲの健康維持には、野菜の摂取が欠かせません。
特にアダルト期以降は、栄養バランスを保つうえで野菜の役割が大きくなります。
ここでは、野菜を与える際の基本的な考え方や与え方のポイントをまとめて紹介します。
おすすめの野菜と避けるべき野菜
野菜には「日常的に与えられるもの」と「たまに与えるべきもの」があります。
以下はその一部の例です。
- よく使われるおすすめ野菜(常食向き)
小松菜、チンゲン菜、豆苗、水菜、かぼちゃ、ニンジン、パプリカなど - 与えすぎに注意したい野菜(嗜好性高め)
キャベツ、レタス、白菜、きゅうり など(水分が多すぎて栄養が薄い) - 避けるべき野菜(有害成分含む)
ほうれん草(シュウ酸)、ネギ類、アボカドなど
より詳細な食材リストや量の目安については、以下の記事で解説しています。
フトアゴヒゲトカゲが食べていい野菜|おすすめ食材とNG例・量の目安を解説

野菜の与え方とカットの工夫
野菜はそのままでは食べにくいため、以下のような工夫をすると食いつきが良くなります。
- 細かく刻んで混ぜサラダにする
- 昆虫の匂いを少しつける(人工餌と混ぜる)
- ピンセットで見せるようにして与える
- 何種類かの野菜をローテーションする(飽き防止)
また、葉野菜だけでなく、彩りのある野菜や根菜も時折取り入れることで、見た目にも香りにも変化がついて食欲が刺激されます。
フトアゴヒゲトカゲが餌を食べないときの対応

フトアゴヒゲトカゲは比較的食欲旺盛なトカゲですが、飼育環境や体調によって餌を食べなくなること(拒食)もあります。
ここでは、「よくある原因」と「まず試すべき対処法」を簡潔に紹介し、必要に応じて詳しい記事にご案内します。
よくある原因と初期対応のポイント
フトアゴヒゲトカゲが餌を食べなくなる原因には、以下のようなものがあります:
- 温度や湿度が適切でない
- 水分不足で脱水気味
- 餌が好みに合わない・飽きた
- 脱皮前で一時的に食欲が落ちている
- 体調不良や消化不良
- 環境の変化によるストレス
まずは温度と水分をチェックし、ケージ内の環境を見直しましょう。
次に、好物の昆虫を与えて反応を確認するのも有効です。
冷凍や乾燥のコオロギより、生きたコオロギの方が食欲を刺激しやすい傾向があります。
また、脱皮前や発情期など、一時的な拒食であることも少なくありません。焦らず観察を続け、体重の減少がないかもチェックしてください。
温度・湿度・水分補給もチェックしよう
拒食の多くは、環境に起因するケースが多いです。
とくに以下の3点は要チェックです:
- バスキングスポットが35〜40℃前後になっているか(フトアゴヒゲトカゲの温度管理)
- 夜間でも最低20℃を保てているか
- 水入れに気づいていない可能性があるため、スポイトで直接飲ませてみる

水分が不足していると、舌に餌がくっつかず、うまく食べられないこともあります。
また、脱水状態になると全身がぐったりして食欲も大きく落ち込みます。
詳しい原因別の対処法やチェックポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
フトアゴヒゲトカゲが餌を食べない原因は?拒食の正しい対処法を解説

まとめ|年齢に合わせた適切な餌やりを心がけよう
フトアゴヒゲトカゲは、年齢や体調に応じて餌の量や頻度、内容を調整する必要があるトカゲです。
特にベビー期は成長スピードが早いため、こまめな給餌が重要となり、アダルト以降は肥満防止のためのコントロールが求められます。
また、野菜や人工餌の取り入れ方、拒食時の対応なども覚えておくと、より安定した飼育が可能になります。
本記事では基本的なポイントをまとめましたが、詳細については以下の記事も併せてご覧ください。
それぞれの記事を活用しながら、あなたのフトアゴに合った食生活を整えてあげましょう。
\ ついでにこれも読んでいけ。 /
いや、読んでくださいお願いします(土下座)