コーンスネークの中でも、幻想的な色合いで人気を集めているのが「グレイシャー」と呼ばれるモルフです。
スノーやブリザードと同様、いわゆる“白系”に分類されるモルフのひとつですが、その美しさは一線を画します。
赤みを抑えたパステル調の発色と、淡いグレーやピンクが混ざり合う体色は、まるで氷河のようにクールで上品な印象。
流通数はそこまで多くありませんが、個体によって色の出方に個性があり、コレクターからも注目されています。
今回は、そんなグレイシャーの特徴や作出方法、販売価格の相場などについて詳しくご紹介します。
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コーンスネークのグレイシャーとはどんなモルフ?
コーンスネーク
— 〜World Charm〜 (@WorldCharm1) October 19, 2022
グレイシャー入荷しました! pic.twitter.com/bq9Ygz8oGP
コーンスネークの「グレイシャー」は、白系モルフの一種に分類される美しい品種です。
見た目の特徴としては、全体的に淡いピンクがかった白色の体に、うっすらとグレーの斑紋が浮かぶような上品な色合いが挙げられます。
コーンスネーク【グレイシャー】
— はっさく(昆虫隊長) (@kkhassaku) October 14, 2021
アネリ×アメラニ×ランベンダー#コーンスネーク#コーンスネークグレイシャー pic.twitter.com/Vtf2sPLWPQ
名前の通り、氷河(Glacier)のような冷たく幻想的な雰囲気が魅力で、同じ白系でもクールな印象のブリザードや、クリーミーな白が特徴のスノーとはまた異なる印象を受けます。
体色は成長とともにわずかに変化していくこともあり、ベビー時代にはやや赤みが強かった個体が、アダルトになるにつれて淡く落ち着いたトーンへと変化する例もあります。
このため、成長過程の色の変化を楽しみにしている飼育者も多く、隠れた人気モルフとなっています。
派手さはありませんが、繊細で優しい色合いに惹かれてグレイシャーを選ぶ方も多く、まさに“通好み”ともいえる存在です。
グレイシャーの作出モルフ(遺伝背景)
グレイシャーは、アメラニ(Amel)×アネリ(Anery)×ラベンダー(Lavender)という、3つのリセッシブモルフ(劣性遺伝モルフ)を組み合わせて作出されたトリプルコンボモルフです。
もともと、アメラニとアネリを掛け合わせて生まれるのが「スノー」と呼ばれる人気モルフ。
コーンスネークのスノーモルフについては以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

このスノーに、さらにラベンダーを加えることで、赤・黒・紫の色素がそれぞれ抑制され、非常に淡く繊細な色味のグレイシャーが誕生します。

具体的には、体全体がピンクがかった白やスモーキーなグレーに包まれ、斑紋もはっきりしすぎず、ふんわりと浮かび上がるような印象。
お問い合わせ頂きました
— ネイチャーズ北名古屋店 (@kitanagoyanatu1) March 28, 2023
【コーンスネーク グレイシャー♂】の写真になります🤳#コーンスネーク #ヘビ #爬虫類 #爬虫類好きと繋がりたい pic.twitter.com/T7bEN8dh51
ときには薄紫がかった色味に見える個体もあり、非常に個体差の大きいモルフでもあります。
そのため、繁殖を楽しんでいる愛好家の間では、グレイシャー同士の交配によって「どんな色味が出るか」を楽しむ声も多く、視覚的なバリエーションの広さがこのモルフの大きな魅力といえるでしょう。
グレイシャーの性格や飼育のしやすさ

グレイシャーは見た目こそ非常に個性的で美しいモルフですが、性格や飼育の難易度は他のコーンスネークと変わりません。つまり、非常に飼いやすく、初心者にもおすすめできるモルフです。
コーンスネークはもともと温厚でおとなしい性格の個体が多く、人に慣れやすい傾向があります。
ハンドリングも比較的しやすく、神経質になりすぎることも少ないため、日々の世話や掃除、観察もスムーズに行えるのが特徴です。
また、グレイシャーだからといって特別なケアが必要になるわけではなく、一般的なコーンスネークと同様の飼育環境で問題ありません。
モルフによっては「目が弱い」「エサ食いが悪い」などの弱点があるタイプも存在しますが、グレイシャーに関してはそうしたトラブルの報告も少なく、安定した飼育が可能とされています。
「見た目の美しさに惹かれて選んだけれど、性格も飼いやすさも文句なしだった」という声も多く、初心者〜中級者まで幅広い層に人気があるモルフです。
グレイシャーの価格相場と流通状況

グレイシャーは一般的なコーンスネークと比べてやや流通数が少なく、ペットショップや爬虫類イベントなどで見かける機会は限定的です。
流通量が少ないぶん、価格はやや高めの部類に入ります。
販売価格の相場としては、ベビー個体で15,000円〜30,000円程度が目安です。
希少性の高さや、色の出方によって価格が変動することがあり、とくに「これぞグレイシャー」といえるような美しい個体は高値がつくことも珍しくありません。
また、グレイシャーは「スノーにラベンダーをかけたトリプルコンボモルフ」であるため、繁殖の難易度もやや高めです。
3つのリセッシブ遺伝を正確に発現させるには、親個体それぞれが複数のヘテロ遺伝子を持っている必要があるため、ブリーダーにとっても作出には手間がかかります。
このような背景から、常に流通しているわけではないものの、「美しさに対して価格はそこまで高すぎない」と感じる飼育者も多く、出会えたときが“買い時”ともいえるモルフです。
スノー・ブリザード・グレイシャーの違い

コーンスネークの中には、白系と呼ばれるモルフがいくつか存在し、その代表的なものがスノー・ブリザード・グレイシャーです。
いずれも白を基調とした美しい体色を持ちながら、それぞれ異なる遺伝背景や色合いの特徴を備えています。
「どれも白っぽいけど、どう違うの?」と気になる方も多いと思いますが、模様の有無や色味のトーンなどに明確な差があり、好みによって選ばれることが多いです。
詳しい違いについては、以下の記事でそれぞれの特徴や価格相場も含めて詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
👉 コーンスネークの白系モルフまとめ|スノーやブリザードの特徴と価格相場

まとめ
グレイシャーは、アメラニ・アネリ・ラベンダーの3つの遺伝子が組み合わさって誕生したトリプルコンボモルフです。
スノーをベースに、ラベンダーの淡く紫がかった色調が加わることで、氷河のように幻想的な体色が生まれます。
流通量は多くありませんが、そのぶん他の白系モルフとはひと味違う魅力を持ち、コーンスネーク愛好家からは密かに人気のある存在です。
価格は15,000~30,000円ほどが目安で、見た目や色の出方に個体差があるため、「これだ!」と思える一匹に出会えたら迷わずお迎えするのがおすすめです。
白系モルフの中でも個性的でありながら、飼育のしやすさは他と変わらない。
そんなバランスの取れたグレイシャーは、見た目にこだわる飼育者にもぴったりな一匹といえるでしょう。
モルフ名が青色になっているモルフはクリックで詳細ページへリンクします。
コーンスネークの主要モルフの記事一覧

アネリスティック
黒い色素が消失。鮮やかな赤模様が特徴。

ブラッドレッド
真っ赤な体色を持つモルフ。迫力ある見た目が特徴。

オケティ
ノーマルに似ているが、ブロッチの縁取りが太くコントラストが強い。

ハイポ
色素が薄く、全体的に明るく柔らかい印象に。
ゴーストの構成要素。
モルフ名が青色になっているモルフはクリックで詳細ページへリンクします。
\ ついでにこれも読んでいけ。 /
いや、読んでくださいお願いします(土下座)
